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無料記事:来季も監督やる意欲満々か、ですか? 満々です!(吉武監督・大分)[Fリーグ第31節](2017/12/26)

11位と低迷する大分だが、笑かしてくれる監督とキャプテンの掛け合いは相変わらずで楽しい。

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 第31節
湘南ベルマーレ 4-2 バサジィ大分
2017年12月23日(土) 小田原アリーナ 観客数:1,021人
[得点経過]
1-0 26分03秒 湘南 44 本田真琉虎洲
2-0 33分19秒 湘南 11 林田フェリペ良孝
3-0 34分57秒 湘南 8 刈込真人
3-1 35分58秒 大分 10 仁部屋和弘
3-2 37分51秒 大分 14 白方秀和
4-2 39分22秒 湘南 8 刈込真人

 

パワープレーで意地見せた大分

リーグ2位の湘南がホームに11位の大分を迎えた一戦はチームの勢いそのままの結果に終わった。それでも大分は2点ビハインドで迎えた後半残り5分29秒、仁部屋をゴレイロにしてパワープレーに移行。左右に速いパスを送って相手ディフェンスを揺さぶる形で2点を奪い、仁部屋と白方を中心に意地を見せた。大分は3節前に現役を“引退”したばかりの元日本代表の山蔦コーチが実質的に試合の指揮をとり次期監督就任を感じさせたが、試合後の会見で吉武監督は来季への意欲を強く示した。果たして大分の監督人事の行方やいかに!?

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▪️記者会見
(試合を振り返って)
吉武茂郎バサジィ大分監督
ひょっとしたら逆転できたゲームだった

「決めて流れをというところで流れを大分に寄せれなかったっていうとこと、ま、パワープレーはホントにたくさんのチャンスがあったんですけど、細かいミスからのパワープレー返しからの失点がもったいなかったかなと。そこがなければ、ひょっとしたら同点とか逆転ができたゲームなのかなとは思います。なので、負けましたけど、パワープレーの攻撃に関しては細かいミスを省けば、それなりに形もできてましたし、よかったのかなぁと。ま、でも、勝ててないので、しっかりまた、ちょっと時間も空くし、そこでしっかり修正して残り2試合をいい形で終えれたらなと思います。以上です」

 

仁部屋和弘バサジィ大分キャプテン
チームとしてミスが多かった

「まあ、チームとしてはやっぱりミスが多かったなというのが1つ目で、あとはパワープレーで逆転するチャンスがあった中でできなかったっていうのがすごい悔しいなと思います。まあ、一回ここで(中断)期間があるので、チームとして修正して、次の試合、さらに前進した状況で挑みたいと思ってます」

 

(質疑応答)
1年間いろんなことがあった

Pivo! 2人に今シーズンを振り返ってほしい。去年が8位で今季はここまで11位。戦力としては芝野とディドゥダが抜けて厳しい戦いを強いられたと思うが、ここまで低迷した理由はどこにあると思うか。 

吉武 ま、まず数字的なところは僕の責任だと思いますし。ま、ただ、今年1年というか今シーズン、選手たちはいろんなアクシデントの中、その壁はしっかり乗り越えてゲームに臨んでたと僕は思います。ま、ただ、そのゲームの中での結果というものに対してはうまくいかなかったなあというがあって、そこはもう全部僕の責任だと思います。ただ、この1年間いろんなことがあって、まあ、ホントに選手たちは苦しいシーズンを必死に乗り越えてくれたなあというとこは僕自身評価をしてますし。ただ、選手なので、リーグ戦で勝たないと意味がないので。僕も含めて選手はホント悔しい思いもしてますし。まあ、多分、やれたと思う選手はたくさんいるのかなと。いてほしいなと。

仁部屋 長いなぁ~(笑)。

吉武 はい、愚痴なんで(笑)。はい。おまえもいえよ。

仁部屋 僕は特にないというか、まあ、1つではなく、勝てない原因はたくさんあったので。うん、何からいえばいいか分かんないですけど、まあ、みんながそれぞれ、勝者のメンタリティーを持つ必要があるなと思います。

Pivo! 勝者のメンタリティーとは?

仁部屋 勝者のメンタリティーとはその、試合ではなく普段の生活から練習であったりフットサルに対することであったり、チームのこと、個人のこと、すべてが結局つながってるので、その瞬間瞬間ということではなく、それがまあシーズン通してあるかなって思ってます。

Pivo! キャプテンとしてそれを仲間に伝えている?

仁部屋 えーと、まあ、浸透してない部分で伝えきれてないということだと思います。

Pivo! 監督、話の中に“今シーズン、いろいろあって”という発言があったが、具体的にどういうことか。

吉武 ああ、それは。

仁部屋 愚痴をいうのはやめてもらっていいですか(笑)。

吉武 まず、1巡目で仁部屋が(試合に)出れなかったとか。ま、ホント、ケガ人もいましたし。ま、でも、ここに来て(狩野)アラタが帰ってきたりだとか。なので。ま、いろいろありました。ホントに。ま、けど、選手は頑張ってくれました。その要因の1つは仁部屋です(笑)。開幕戦もパワープレしか出られなかったし。

仁部屋 終わってもらってもいいですかー!?

吉武 ははははは…

Pivo! 監督、順位的に去年は大分より下だった湘南がはるか上にいて、今2位と大奮闘。試合直後も奥村監督が、“プレーオフで優勝します!”と宣言したばかりだが、この現実をどう受け止めているか。

吉武 ま、ホント、奥村さんとは仲がいいので、プレーオフ、優勝狙ってほしいなと思いますし、まず入口の補強とか、そういう部分で湘南はいい選手も取ってましたし、あとはその、生え抜きの選手もここずっと低迷してたけど我慢して選手を使い続けていたっていうチームの方向性というか、それが今年実ったんじゃないのかなと思うので。まあ、今年湘南はいいだろうなと開幕からずっと思ってましたし。2位とかプレーオフ行くっていうのも驚きでも個人的にはないんですけど。ただ大分は選手の補強というとこからちょっと出遅れたなという部分はありますし。ま、今の選手たちで闘う中で、ま、ホント、いろいろあったんで(笑)。はい。まあ、そういうアクシデントがあっても、仁部屋がいったように選手ひとりひとりが準備してればまたちょっと違う順位になっていたのかもしれないですし。そこはホント僕の責任だと思います。

Pivo! リーグ終盤になって「責任」という言葉を口にした監督が退任をしていったが…。

吉武 チームに聞いてください(笑)。

Pivo! 監督自身は来季もやる意欲満々ですか?

吉武 満々です(笑)!

仁部屋 えー!?

(ではこれで会見を終わります、と湘南のMCが宣言し、2人が席を立ち際、ふざけて監督がキャプテンをど突くと)

仁部屋 いてー! うわっ! 今の見ました?

 

[取材後記]
来季大分の監督は誰になるのか?

大分の会見は、いつもながらキャプテンが監督をイジる場面から始まり、それをいなそうとしていなしきれない監督がいるという爆笑ものの流れとなる。ま、これも「(仁部屋の)子どものころからお互いを知っている」(吉武監督)という2人の関係ならではの掛け合い漫才風会見として楽しみではある。が、それはさておき、久々に見た大分の試合、ベンチで奇異なシーンを目撃した。そのことを報告しよう。

大分は、吉武監督をサポートする形で小檜山譲、山蔦一弘の2コーチがベンチ入りしている。

それ自体は特に変わったことではない。なのに僕の目に何が奇異にうつったかというと、試合が始まると吉武監督がベンチから腰を上げるシーンはほとんどといっていいほどなく、代わって山蔦コーチがほぼ立ちっぱなしでピッチの戦況を見守り、選手にゲキを飛ばし、選手交代の指示を出しているのだ。このシーンを目撃した僕は、当然のごとくある直感めいたものを感じた。

そこで僕は試合後、大分に山蔦コーチへのインタビューを申し入れた。テーマは“来季大分の監督は誰になるのか!?”。発言に制限があることは間違いないが山蔦のコメントからその手応えがつかめるものと思っていた。だが、結果としてインタビューは断られた。理由は、「第1コーチは小檜山であり、山蔦は第2コーチであること」、「小檜山のコーチ就任は公表しているが、山蔦は公表していない」というもの。では何故試合の公式メンバーシートに「コーチ 山蔦一弘」と記されてプレスに配布されているのか。納得はしきれなかったがチームがそういう以上仕方がない。でも幸いなことに、僕は、選手控え室から移動用のバスへ乗り込む間のほんの数十秒間、山蔦と、昔なじみとして立ち話をした。話の内容は伏せるが、1つだけいえるのは、コーチとして監督就任の意欲に欠ける人はいないということだ。

大分は今季、昨シーズン限りで現役を引退した小檜山をコーチに迎え、さらに今季は第28節まで選手としてベンチ入りしていた山蔦を、“引退”の3節後にコーチとしてベンチ入りさせた。就任時期がいつかはさておいて、2人は監督予備軍として競い合っていくのだろう。実績としては今季Fリーグ200試合出場を記録し、過去に日本代表経験もある山蔦が一歩リードしているが、今の大分に求められているのは、仁部屋をはじめ選手が納得のいくコーチングができる人物だろう。

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