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選手が未完成の状態で3位を取れたっていうのは褒めてあげたい(横澤アナリストプレーヤー・湘南)[Fリーグプレーオフ準決勝](2018/1/19)

Fリーグ全12チームで唯一のプレーイングコーチとして3位入賞に貢献した横澤直樹アナリストプレーヤー。準決勝の町田戦もピッチに立った。

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ準決勝
ペスカドーラ町田(リーグ2位) 3-2 湘南ベルマーレ(リーグ3位)
2018年1月14日(日) 駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場 観客数:1,609人
[得点経過]
1-0 00分43秒 町田 99 森岡薫
2-0 06分15秒 町田 8 滝田学
2-1 17分03秒 湘南 21 浦上浩生
3-1 27分39秒 町田 22 ダニエル サカイ
3-2 38分24秒 湘南 44 本田真琉虎洲

 

「結果は出ていないが内容は進歩している」

湘南ベルマーレのFリーグ2017/2018シーズンが1月14日、プレーオフ準決勝敗退によって終戦した。振り返れば、チームは暫定とはいえ序盤で首位に立ったこともあり、その後は最終節で名古屋に敗れて最終的に3位になるまでのほとんどの期間で2位をキープするという衝撃的なシーズンだった。
その湘南を戦術面で支えた人物が横澤直樹、その人だ。41歳にして選手登録され、ピッチに立つことでしか知り得ない感覚を選手と共有しつつ、その体感を通して戦術をコーチングしていく。他のFリーグチームでは例を見ない体制での快挙である。

クラブは6月のシーズン開幕を控えて4月28日に新体制を発表。横澤をアナリストプレーヤーとして起用した。アナリストプレーヤー。分かりやすくいえば戦術担当のプレーイングコーチである。起用の理由を社長の水谷は、「順位としての結果は出ていないが、内容としては徐々に進歩している」と語っている。
思い切った人事による新体制のもとスタートした湘南はご存知のとおり3位でプレーオフに進出している。その湘南の快進撃を象徴するコメントを大阪の木暮監督が第20節の敗戦後に次のように語っている。

「今日のゲームに関してはベルマーレのクラブ力といいますか、戦った選手、スタッフ、クラブのフロントであったり、サッカーのクラブを含めて湘南ベルマーレというクラブ全体の勝利だと思いますし、ほんとうにおめでとうといいたいです」
敗戦監督による潔いコメントとして大いに話題になったが、この結果は、新体制に“4年目”を託したクラブの英断がもたらし勝利そのものだ。その湘南の1年間を折々の“主役たち”のコメントで振り返ってみよう。

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▪️2017/2018シーズン新体制発表会(4月28日)
◎水谷尚人 株式会社湘南ベルマーレ代表取締役社長
一歩一歩前進していきたい
「トロイカ体制をとって4年目になります。3年間、順位としての結果は出ていないですが、内容としては徐々に進歩していると感じてますので、それをさらに進化させるべく奥村敬人に監督をやってもらって、アナリストプレーヤーに横澤直樹ということで、一歩一歩前進していきたいと思っています」

◎奥村敬人監督
悔しくて泣いた日もいっぱいあった
「こんにちは。今シーズン、湘南ベルマーレフットサルクラブの監督に就任しました奥村敬人です。えー、シンプルに今年は必ずプレーオフに進出します。必ずです。必ずプレーオフに進出して、水谷尚人を男にします。
(2007年の)Fリーグ開幕前なんですけど、阿久津、伊久間、僕の3人で水谷社長のところへ湘南ベルマーレフットサルクラブで(Fリーグを)戦いたいとお願いしに行ってからもう10年がたってしまいました。この10年間、水谷社長は、“とんでもないヤツらと組んでしまったな”と何百回ですか、何千回ですか、思ったと思うんですけど(毎日だよ、と水谷社長)、僕たちの売りはしつこさなんで、とにかくしがみついて、10年間頑張ってきました。ただ、ご存知のとおり結果は全く出てないです。ホントに悔しい思いをしてきましたし、泣いた日もいっぱいありました。どうしたらいったい勝てるんだろうと常に葛藤でした。もう、とにかく社長に恩返しをしたい、そういう気持ちで、ここでしゃべらせていただいています。プレーオフに進出して水谷社長に恩返しすることが、スポンサー様、ファンの方々、サポーター、3市8町をはじめとするファンの方々へ対する恩返しだと思っています。1年間、この信頼する選手、スタッフとともに戦っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします」

◎横澤直樹アナリストプレーヤー
全日本の名古屋戦で手応え
「今回クラブのほうから分析、戦略という部分で、ホントに、評価してくださって、もう1年だけチャンスをいただいたという状況です。トロイカ体制として僕ら(奥村、伊久間ら3人)が一緒に積み上げてきたものがこの前の全日本選手権の決勝トーナメントの大阪戦で負けてはしまったんですけど、予選ラウンドで名古屋に勝ったというのは、あれは、偶然ではなくて実力なんですね。Fリーグの最後の大阪戦でも、実際に0-3で負けてるところから4-3まで、さっきいったやり方(捨て身の前プレ)で逆転まで行きましたので。偶然ではなく必然的に選手が成長しているってことがこちらとしては理解できたんですね。それで、わたしとしても、もっともっと細部に入っていって、もっともっと選手にあうんの呼吸、タイミング、戦術眼と戦略眼を中に入って伝えていきたいなと思っていて。その提案をクラブのほうから打診をいただきまして、わたしもこのチャンスを生かしたいと思っています」

 

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