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無料記事:パワープレーのことはずっと頭にありました(岡山孝介監督・町田)[Fリーグプレーオフ決勝・第2戦](2018/1/22)

 

DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ決勝・第2戦
リーグ1位 名古屋オーシャンズ 6-2 同2位 ペスカドーラ町田
2018年1月21日(日) 駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場 観客数:1,759人
[得点経過]
1-0  14分23秒  名古屋   11 ルイジーニョ
2-0  21分28秒  名古屋   11 ルイジーニョ
2-1  25分00秒   町田   22 ダニエル サカイ
3-1  27分20秒  名古屋   10 ヴァルチーニョ
4-1  34分45秒  名古屋   15 吉川智貴
4-2  37分02秒   町田   99 森岡薫
5-2  39分18秒  名古屋   13 ラファ
6-2  40分00秒  名古屋   10 
ヴァルチーニョ

 

 

「2試合とも非常に残念な結果だったんですけど、選手たちはほんとうに最後まであきらめないで全力を尽くして戦ってくれたのでもう悔いはないです。実際、町田らしい攻撃は十分に見せられませんでしたが、そういったところも含めて結果として受け止めて、まずは全日本選手権でリベンジできるように、そして来季はリーグもプレーオフも両方で優勝できるようにがんばりたいと思います。この経験を無駄にしないようにがんばっていきたいと思います」(岡山)

 

 

「たしかに悔しい結果になってしまいましたが、3度目の正直でがんばりたいと思います」(森岡)


以上がペスカドーラ町田の岡山孝介監督
森岡薫選手のプレーオフ決勝第2戦試合後の振り返りとなる。

名古屋オーシャンズ×ペスカドーラ町田(以下町田)はプレーオフ決勝第1戦は4-2、第2戦は6-2、2戦合計スコアは10-4、名古屋の2勝で名古屋は2年ぶり、10度目のリーグチャンピオンとなる。

 

以下は筆者の試合で注目した点と質疑応答となる。

まとめ◆デジタルピヴォ! 古澤

 

町田はプレーオフファイナル第1戦の結果を受けて、第2戦は3点差以上の差をつけて勝たないと優勝できない条件であった。そのなかで相手はリーグ通算失点59、1試合平均失点1.78の名古屋オーシャンズ(以下名古屋)。昨シーズン優勝を逃し、メンバーも変化しているが、新加入選手を含め、大舞台での経験も豊富であるメンバーに昨シーズンの悔しさにより最高のメンバーがピッチに立っていた。イゴールの退場もそうであるが、第2戦も町田は運を味方にすることはできない。ポストにも嫌われ、序盤で先制点を取ることにも失敗をする。第1戦目では試合終盤でパワープレーにより、第2戦目での戦いを少しでも軽くするという選択肢よりは傷を広げず、第2戦目での勝負がより難しくならないような選択肢をした。名古屋に3点のアドバンテージ。鉄壁の守備を誇り、圧倒的な攻撃力も兼ね備えた名古屋から大量得点を獲るという難解な課題をつきつけられた町田。そして、第2戦目でのプランは「攻撃的にいく」「ただ、1度に何点もとるわけにはいかないので、そのなかで1点1点とりにいく」というものであった。
パワープレーを前半開始から使用して、先制点を獲り、リズムを掴みにいくか。それとも、後半開始からか。いずれにしれもパワープレーの開始はいつからなのか。もうリスクをかけるしかない町田。たしかにこれまで幾度となくリーグで町田はピンチを乗り越えては来たが、鉄壁の名古屋から点を奪うにはその選択は欠かせなかった。1点1点返すとスタイルを貫く形でゲームははじまった。そのなかで小野寺がファインセーブを幾度もし、それに呼応するかのように町田の守備もよりタイトになった。長い時間前半耐え凌いだが、それでも先制点はあげれずに、逆に前半先制点をくらってしまう。
パワープレーを開始したのは後半残り15分。
「1失点してからパワープレーのことはずっと頭にありました。前半の終わりだけにパワープレーを1回するか、後半の頭からパワープレーをしかけて、途中で止めて、もう1度パワープレーをするとか色々なアイディアはコーチングスタッフとも話し合ってきました」
岡山孝介監督の頭にももちろんパワープレーはあった。
「ただ昨日のゲームに比べて、それなりにチャンスを作れていたので。特に森岡薫や室田が出ているセットが勢いがあったので、もうちょっと様子を見たかったというのはあったし。でも、1個ミスすると、相手のキーパーのキックが良いので、パワープレー返しをされるリスクもありました。そこで先にまた1点を失うと厳しくなるので、時間帯、状況、点差をみて、あのタイミングが適切かなと思い、判断しました」

パワープレーのタイミングは後半で失点を1つ重ねたタイミング。滝田学がユニフォームを着替えて準備をすると、1分ほど経った後、パワープレーを開始した。
しかし、それでも巻き返しをすることはできず、「残り5分15秒で1-4と絶望的な状況」になった。その状況について振り返ってもらうと以下の答えが返って来た。

「絶望的な状況でしたが、点差のことは考えずに、勝ちたいという気持ちを持って本能のままに戦っているだけなので。もちろん、心が折れてしまうチームもあるかと思いますが、うちの選手は最後まで勝ちに行きましたし、勝てなくても1点でも返そうという気持ちでいたので満足しています」

第1戦試合後に出た第2戦のプランの話の続きに「攻撃力はダニエルもそうだし、ほかにもある選手はいるので。チャンスはあると思います。ただ、特別に何かを変えるわけではないです。いつものリーグ戦のときの戦い方をしていけば点をとれるチームだと思いますし、今日の試合でも後半になってチャンスが増えたところもあったので、明日になればもうちょっとよい試合になると思います」という言葉があった。
そして、小野寺については「
小野寺に変わってもやることは変わらないです。詳細は話せられませんが、今日あったピヴォに当てられたときの対応であったり、1×1でどう対応するかというのは修正できると思うし、やはりこういう舞台なので。いつもできていたことが少し一瞬考えるのが遅れて後手に回るシーンもありました。そういうシーンをいつもやっているようにしっかり確認したいと思います。小野寺もいままで勝ってきてるし、去年も長い期間イゴールがいないときでもそこの穴を彼が埋めてくれたのでそこはそんなに心配していないです」とあった。
宣言通り第2戦でのダニエル サカイと小野寺の活躍は光るものがあった。小野寺はファインセーブをする度に試合のなかでパフォーマンスを上げていった。顔面セーブ後にあったダニエルのゴールをはじめとして、小野寺は攻撃と守備と町田のスイッチとなり、よい流れを作るきっかけとなっていた。
それでも、名古屋は星と篠田を中心として、町田にゴールをなかなかわらせない。
後半残り15分07秒。これ以上失点が許されない状況のなか、小野寺が顔面セーブでファインセーブをする。彼はその影響で鼻血が出て、アイシングと止血を行う。その後、小野寺が立ち上がると町田サポーターのみならず、名古屋サポーターからもエールが送られ、町田、そして、会場のボルテー
ジは上がる。

その直後にダニエルのゴールが決まり、スコアは1-2(2試合を通すとここまでで3-6)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下は残りの質疑応答となる(自身で質問したものは上記の記事に盛り込んである)。

Q今日の試合。1-2まではまだ可能性を感じました。その後、突き放されたのはどういうところにありますか?

岡山:色々な要素が絡んでいると思います。1対1の場面で相手にはがされて、フリーでシュートを打たれたり、守備のところもありました。3週連続で戦ってきて、疲労もありましたし、3点差以上で勝たなければならなかったので、前からプレッシングをしかけていく上での疲労もありました。もうちょっと守備で我慢して、ここは耐えようという時間帯も普段であれば、あるのですが、今日はそういう余裕もありませんでした。最初からフルで戦っていたので、そういう部分が後半に出てしまっても仕方がないのかなと思います。

Qイゴールがいないことの精神的な影響はありましたか?

岡山:うちの中心選手ですし、痛い部分はありました。あとはスローイングがよいので、そこでのチャンスが減ったことは影響したかもしれませんが、今日出た小野寺もすごくよいキーパーですし、一昨年は小野寺で名古屋に勝っているので、そこはそんなに大きく影響したとは思っていません。たぶんそういう試合でないし、みんなもそんなに気にしていないと思います。こういう大舞台は気持ちの面が大きく影響するので、選手たちは逆に開き直って戦っていたと思います。

Q去年と同様に準優勝となりました。去年と違うところや想うところがあれば教えてください。

岡山:去年は先に1勝して次の試合も同点で終盤までいって、でも、2勝しないといけないレギュレーションだったので、最後にパワープレー返しで負ける形になりました。今年は1勝1分でも優勝できるレギュレーションで、去年の経験もありますし、リーグでもよいゲームをしていたので、満を持してという思いがあったので、今年のほうが悔しいですね。去年は全部出し切って、前の週(準決勝)でもタフな試合して、名古屋に勝って、決勝の舞台に立って、2試合目は疲労感がたまっていて、あのときに持っていた力を出し切り、あれ以上はできないくらいというぐらいやりました。半分は悔しかったですが、半分は仕方ないと思っていました。今年はもちろん気持ちは出し切ったと思いますが、できるプレーはもうちょっとあったと思うし、できる選手たちなので。リーグ戦では出せていました。前回のリーグでの名古屋戦でも出せていたのに、今回は出せずに、シュートまで行くまで長かったので、悔しさはより強く残っています。ただ、終わりでないので。これを踏まえて、シーズンは終わりではないですし、これをよい経験にして、まずは選手権があるので、選手権を頑張りたいです」

Q2試合振り返り、名古屋と町田の差は?

岡山:具体的な話をしたら、守備の強度が強く、前からのプレスがほかのチームと比べて格段に高かったし、しっかりパス回しきれなかったので、環境も含めて、見つめ直さないといけない部分もあると思っています。あと得点を決めれる選手ふがたくさんいて、的を絞り切れない部分があります。そういうところでよい試合をしていても、今日のように先に点を取られてしまうことがあるので、そういった差があるのかなと思います。

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