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やるか、やられるか、目の前の敵を倒せばいい。星龍太と森岡薫が世界を止めた戦いの原点【佐藤コラム】(2018/1/24)

2018年1月20日、21日 駒沢(PHOTO,TEXT・佐藤功)

▼事は複雑である

事は複雑である。Fリーグ17/18シーズン・プレーオフ決勝は2試合。優勝への条件は勝利数、次に得失点差、最後にリーグ1位、そして場所は東京・駒沢である。

「なぜ、我々にアドバンテージがないんだ」と、リーグ戦を制した名古屋オーシャンズ・ペドロ コスタ監督の嘆きに自然とうなずく。ここは名古屋のホームではない。むしろ、東京都を本拠地とするペスカドーラ町田のホームとも言える。加えて、町田はここに至るまでプレーオフ2試合を戦っている。この手のルールでは、十分な休暇を得ているはずのシード権を持つチームが不利になることが多い。休まず戦ったチームに生まれた勢いが後押しをする。オカルトじみたジンクスがある。どちらが勝つのだろうか。事は複雑である。

複雑ではない。そう言っている者が2人いる。共に腕にはキャプテンの証である腕章を巻いていた。

星龍太と森岡薫。2人は、今目の前にいる敵しか見ていなかった。そして星が森岡に、開戦の合図を送った。

▼開戦の合図

黄色い99番が、射貫くべきゴールに背を向けボールをトラップ。その背後に赤い5番が忍び寄る。そして、赤い5番が99と書かれた黄色い背中を触った。これが開戦の合図である。

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