デジタルピヴォ! プラス

関東リーガー・夏野雅生、「加圧トレーニングで効率よく体を鍛えてます!」(2018/3/15)

加圧ベルトを脚の付け根に巻いてトレーニングの準備に入る夏野選手。

 

37歳にして関東フットサルリーグ1部のトッププレーヤー

加圧トレーニング。
体づくりに興味のある人なら誰でも知ってるトレーニング法だろう。ただ、実際に取り入れている人はまだそんなに多くないかもしれない。

僕自身、もう10年近くこのトレーニングを取り入れていて、73歳になった現在も(プレーレベルはさておいて)フットサルをENJOYする体を維持している。僕の実感としては、このトレーニングの最大のメリットは、“強い血管”を手に入れたことだ。そして、正当なトレーニング法であることに確信を持っている。でも、僕以外で読者の平均年齢に近いモデル兼レポーターはいないものかと思っていたら、なんと、僕の取材フィールドである関東フットサルリーグ1部に、37歳とベテランの領域に入った現在も、トッププレーヤーとして活躍している夏野雅生選手が、バリバリの“加圧トレーニー”だという。さっそく話を聞いた。
http://pccs-station.jp

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

これが加圧トレーニング専用ベルト。このベルト(4本)を専用ウェアの腕の付け根と脚の付け根に装着して準備完了。

 

極めてシンプルなトレーニング法

夏野選手の話を聞く前に、加圧トレーニングについて、まず簡単に説明しよう。

加圧トレーニングとは、「適切に血流を制限した状態で行うトレーニング方法」のこと。 専用の加圧器具を使用して、腕の付け根(上腕二頭筋の基部)や脚の付け根(大腿部の基部)に各個人に合った適切な圧をかけながら、目的に合ったトレーニングや運動を行う。要するに、限られた練習時間や練習場所で、特別な器具を使わずにフィジカルトレーニングができるのがこのトレーニング法。しかも、通常はフィジカル強化に3か月かかる期間を1~1.5か月ほどで効果を出すことが可能だ。 

その流れをまとめると以下のとおり。

▶血流を適に制限することによって、血流が減少する。
▶脳は血流を増やすように心臓に指令を出す。 
▶血流量が増え、普段使っていない毛細血管の隅々まで血液が行き渡り、血管が拡張する。 
▶その状態で運動をすると、軽い負荷の運動でも筋繊維の動員率が高まる。また、短時間で筋肉に乳酸が溜まる。 
▶筋肉のストレス状態であるという情報が脳のホルモン中枢を刺激し、成長ホルモンが分泌される。 
▶血流によって運ばれた成長ホルモンは全身に行き渡り、脂肪の分解を始める。そしてさらに筋肉合成+脂肪燃焼を始める。 

夏野選手と“カーツマジック”

以上を踏まえたうえで夏野選手の体験談ほかを聞こう。

夏野選手が所属している関東フットサルリーグ1部はアマチュアチームによるフットサル界のトップリーグだ。在籍チームは、カフリンガ東久留米。毎年、9チームがし烈な優勝争いを繰り広げるリーグにあってカフリンガは2010年に優勝の実績を誇るトップチーム。もちろん、夏目選手もそのときの優勝メンバーのひとりだ。

カフリンガは所属メンバーの大半がサラリーマンとして働きながら競技フットサルに没頭している。夏野選手も一般企業に勤務する傍ら、今年でチームに在籍して10年目を迎える。チームは、週末の試合に備えて、1回2時間のトレーニングを週2回のペースで行う。夏野選手は、このチームトレーニングの中で、パスゲームを主体に行う20分間のウォーミングアップの時間を加圧トレーニングにあてている。加圧器具は「結構使うほうだと思う」と本人は語っている。

ちなみに夏野選手は、チームトレーニング以外に、筋トレも含めて、個人トレーニングを一切しないのだという。随分少なめのトレーニング量だなという印象を持ったが、そこはジュニア時代にサッカーを始め、高校2年時に全国選手権ベストエイト、その後、日体大でもサッカーを続けたあと卒業という積み重ねがあるからこそ、これだけのフィジカルベースを維持しているとみていい。

夏野選手には今回、撮影のために、発売元・株式会社ZenoahのPCCS STATIONピクスステーション)に来ていただいた。ご覧のとおり男の僕でもうらやむほどのイケメンで、スポーツマンらしいさわやかさを兼ね備えた夏野選手。さっそく、加圧トレーニングの実感を聞いたところ、こんな話をしてくれた。

「(加圧トレーニングを)実際にやるようになって実感するのは、下半身がすっきりしていることですね。僕の感覚なんで分かりにくいかもしれませんが、要するに、足の疲労感が減っているんです」

なるほど。で、それは実際に公式戦を戦ううえで具体的にどのような効果として現れるのだろうか。

「ベンチ入りした選手が交代自由のフットサルの試合では、基本的に選手は約3分で交替します。ピッチに立って3分プレーしたら、交替してベンチに下がり、水をとったりして休憩して次の出場に備えます。短いと思われるかもしれませんが、競技フットサルでピッチに立つ3分間は100%の力を発揮し全力疾走するスプリント力が要求されます。それ故に、疲労を引きずらないように3分交代制をとっているのですが、前後半それぞれ20分ハーフのプレーイングタイムで何回か交替を繰り返すと、確実に乳酸が溜まってきますし、その結果、僕の場合、足がつらくなってくるんです」

プレーイングタイムというのは、ボールがタッチラインまたはゴールラインを割ると時計をストップする計時方式。このため、実際には1試合で1時間半前後かかることもある。そのうちのおよそ半分の時間、相手とボールを奪い合いながら全力疾走を繰り返すことから、“想像以上にフットサルはタフなスポーツ”とサッカー選手ですらいうほどだ。そのくらいフットサルはフィジカル的に厳しいスポーツであり、それ故に、必然的に乳酸が溜まってくるのだ。ところが、と夏野選手はいう。

「ところが、(去年の)6月20日に味スタのインドアコートでのチームトレーニングで人生初の加圧トレーニングをやったんですが、始めて数回後に、疲労が減ってることに気づいたんですよ。リーグ戦だけではなく、負けたら終わりのカップ戦とかでも足がつらくならなくなったんです。これは、選手にとってはすごく大きいこと。加圧トレーニングでに出会ってよかった! っていうのが僕の実感です」

うれしそうにこう話してくれた夏野選手はひと息つくと、「不思議ですねー」と満面の笑顔でいった。ただ、その様子を見ていた渡辺括子PCCS STATION店長は、加圧トレーニングの当然の成果が現れた結果として納得の表情を浮かべていた。

 

PCCSで筋量計に寝た夏野選手。様々な部位を計ることで意外なことが判明した。

 

計測結果を真剣な表情で聞く。

 

夏野選手は「左ですごく固まるタイプ」

ここ、PCCS STATIONには筋量計が常備されている。
そこで、いい機会と夏野選手は筋量を計測してもらうことにした。
結果はスポーツマンらしい高い数値を示した。しかし、一方で、問題点も見つかった。

夏野選手の体について渡辺店長は、「左ですごく固まるタイプですね」と独特のいい回しをした。どういうことかというと、筋量計はただ単に筋量を計るだけではなく、体のゆがみなども分かるという。計測結果をベースに渡辺店長はこういった。

「夏野さんの体は、左足がカックンと曲がっている、左の腰に塊がある、左ひざが伸びない(その結果、左のハムストリング<太ももの裏>に疲労が溜まる)、といった特徴が見受けられます」

これに対して夏野選手はこう応じた。「そういえば背中がいつも突っ張ってるんですよ。ひざも固いし」。これに対して渡辺店長は別のチェック法を勧めた。写真のように左右の足を交互に椅子に乗せ、前屈するというもの。

その結果、夏野選手は、右足を高くすると、「ハムストリングが痛い」といい、左足を高くすると、同様の部位で「痛みが増し前屈ができない」と訴えた。

 

右足を高くして前屈。

 

次に左足。

 

プリテストポージングに初トライ。

 

プリテストポージング2度目のトライ。夏野選手の最初のときの表情に注目。

 

「高校時代からの腰痛が治りそう」

更にもうひとつ、渡辺店長は別のチェック法として次のストレッチを夏野選手に勧めた。壁に背中を押し当てるという極めてシンプルなストレッチだ。正しい姿勢を保持するためと、しなやかな背中を手に入れるために、ファッションモデルが1日に1回はやっているストレッチなのだという。しかし、この簡単なストレッチが夏野選手には苦痛だった。痛くて、ほんの数十秒も背中を押し当てていられなかったのだ。

そこで渡辺店長はこの苦痛を軽減するための対処法を夏野選手に伝授した。それは、腕のベルトを締めて加圧し、床に背中を押し当てた状態で床に沿って両腕を頭上から体側引く動作を行った。これを5分間持続し、30秒間のインターバルを挟んで、再度5分間行う。こうすることで上半身の血行をよくし、柔軟性をアップさせる効果が期待できるという。

この加圧トレーニングを実行した後、先ほどやった左右の足を交互に高くして前屈するチェック法をやってみると、夏野選手は「筋肉の伸展を感じるし、痛くなくなった」と証言。更に、壁に背中を押し当てるプリテストポージングでは、1分間我慢できるようになったのだ。それだけではない、「背中が柔らかくなった」ことで、「高校時代からの腰痛が治りそう!」と驚きの発言をしたのだった。

これこそ、加圧マジックだ。

あなたも是非トライしてほしい。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ