[Fリーグ第5節]フットサルにどれだけ人生を懸けて戦えるか。そこをFリーグ選抜の選手たちに教えてもらった。(湘南・奥村敬人監督)(2018/7/17)
今季2勝目を挙げたものの「一個、判断が遅れてる」と奥村監督から厳しい指摘を受けた選手たち。
DUARIG Fリーグ2018/2019 ディビジョン1 第5節
湘南ベルマーレ 4-2 ヴォスクオーレ仙台
2018年7月14日(土) 小田原アリーナ 観客数:1,022人
[得点経過]
1-0 01分45秒 湘南ベルマーレ 6 植松晃都
2-0 02分04秒 湘南ベルマーレ 17 内村俊太
3-0 20分39秒 湘南ベルマーレ 6 植松晃都
3-1 22分25秒 ヴォスクオーレ仙台 13 堀内迪弥
4-1 27分51秒 湘南ベルマーレ 7 小門勇太
4-2 32分13秒 ヴォスクオーレ仙台 10 マルロン
勝ったのにうれしくない!?
勝てば満面の笑みを浮かべて会見に臨み、負ければ選手に苦言をぶつける奥村監督。実にわかりやすい監督がこの日は勝ったというのに笑顔が見られなかった。その理由が質疑応答の中から見えてきた。
まとめ◆デジタルピヴォ! 山下
▪️記者会見
(試合を振り返って)
奥村敬人湘南ベルマーレ監督
どこも差がなくて勝つことは大変だ
「お疲れ様です。まず、本当にこの暑い中、たくさんの方々に支えていただいてみなさんの前で勝つことができてよかったと思います。試合自体は本当に苦しい試合で、毎試合そうなんですけど、どこも本当差がなくて勝つことは大変だなっていうのをベンチにいながらすごく感じています。Fリーグ選抜がペスカドーラ町田に勝ったと思うんですけど、ま、本当にフットサルに懸けてやる選手が多いチームが上がってくるのかなっていう感じですね。ですから、うちのチームがここからどれだけ、フットサルに人生を懸けて日ごろから取り組んで本当に優勝目指して戦えるか。普段から、試合だけじゃなくて練習、生活すべての部分で、というところが一番大事かなと思います。そこをFリーグ選抜の選手たちに教えてもらったのかなというふうに思ってます。僕たちは(彼らと)第1クール最後に当たるので、本当に強い、完成してきてる状態で当たると思うので。ま、それまでに自分たちもしっかりいいトレーニングをして、毎試合毎試合しっかり我慢して戦って勝ち続けてそこまで行きたいなと。以上です」
刈込真人湘南ベルマーレキャプテン
1秒も無駄にせずやっていきたい
「お疲れ様です。えーと、まず本当に、勝てたことがすごくチームにとって大きいなと思ってます。先週名古屋と対戦して、あの強さを体感した中での試合だったんで、まあ本当にもう一度、二度か、名古屋と対戦できるんですけど、本当に名古屋を倒すためにこの1週間というかこの試合っていうのを考えてやってきました。本当その1勝なんですけど、これからまた来週も連勝してあの強い名古屋に勝ちたいなというふうに思って僕自身1週間を過ごしてきたんで、本当今日の勝ちっていうのは大きかったです。ただ、もっともっと(プレーの)質を上げないといけないなというのは試合をやりながら感じたことなんで、それは本当に監督がいったように普段の生活から練習から1秒も無駄にせずやっていきたいなと思ってます」
(質疑応答)
なんかこう、しっくりこないまま終わってしまった
Pivo! 監督、勝ったというのに元気ないが、先ほど、“フットサルに懸けてやる選手が多いチームが上がってくる”とコメントしたが、そういう選手が湘南にはいないということか。
奥村 いや、そんなことはないですよ(笑)。今日の試合はあまりよくなかったんで、うん、なんか勝っても、勝つのはうれしいんですけど、選手たちがもっと伸び伸びプレーして、いいプレーしながら、それで勝てるのが一番いいので。そういった部分で、最低限勝ったというところはすごくよかったと思うんですけど、もっといいプレーできるんじゃないかなっていうところで、自分たちの引き出し方の部分で、う~ん、どうだったのかなっていう感じですねぇ。もっとできるはずなんで。
Pivo! 足りなかった部分はどこか。
奥村 う~ん、精神的な部分の引き出し方もあると思いますし。まあ、戦術的な部分というか、なんかちょっと迷いながらやってるような気がするというか、一個、判断が遅れてるとか、そういった部分で。難しいんですけどね、相手がいることなんで。相手の守備の仕方が違ったりとか、いろいろあると思うんですけど、なんかこう、しっくりこないまま終わってしまったのかなと。パワープレーで1点獲られてしまった部分も刈込と(鍛代)元気がお互いパワープレー返しをしようとして交錯してしまってとか、なんか、あんまりなかったようなシーンだったのかなと思って。ちょっとこう、心技体じゃないですけど、なんか一致してないような雰囲気があったので。ま、それでも勝てたのはすごいうれしいんですけど。やっぱり自分たちでフットサルを変えたいと思ってるので、それだけじゃ駄目だと思うし、その部分でもっともっと、ひとりひとりが躍動感を持って、自信を持って、相手と戦ってという姿勢を見せないといけないのかなというふうに思って、まあ、こういう感じなんですけど(笑)、はい。
Pivo! キャプテン、名古屋のことを強く意識したコメントがあったが、それは願っても無いことで、そうでないと早くも名古屋が独走しそうな気配。それを許しているといけないと感じているところへ去年2位の町田がああいう結果になりという状況の中で、相当意識して、そこに的を絞っていかないと、勝てる相手じゃないということか。
刈込 ま、そうですね。昨シーズン、リーグ戦とか日本選手権とかで名古屋相手にもいい試合ができてて、勝てはしなかったですけど、いい試合してる中で、自分たちも少し自信があったんですけど、今シーズン名古屋との一戦目だったので、一戦目であの結果(1⚫︎5)なんで、本当にフィジカルの差とか、というのをすごく肌で感じれた試合だったんで。相手にはブラジル代表のペピータ選手とか世界レベルの選手がいるので、そこをどう止めていくか、もっと自分らが何を上げなきゃいけないのか、っていうのがあの試合ですごく見れたので、このままじゃ駄目だという危機感を感じさせられたゲームでした。なので、すごい意識はしてます。
Pivo! 名古屋戦でロドリゴが一発退場したのはどんなタイミングだったか。
奥村 後半ですね。後半の10分過ぎくらいから。いや、攻撃面でダメージはありますよね。そのあと、パワープレーもあったし。そこで、実際にFP3人で戦う2分間の残り10秒ぐらいで点を獲られて1-4になってしまったので。そう考えたら、痛いですよね。実際に(1試合出場停止で)今日いないのが痛かったし。その中で勝ったのはよかったですけど、やっぱり、今シーズンはね、(開幕節パルドラール浦安戦の浦上に次ぐ)4試合中2人退場者を出しているので。そういったファールの仕方っていうか、っていう部分も気をつけないと、本当毎試合毎試合大事なので、そこのマネージメントももっともっとしっかりしなければいけないのかなと。キーパーと1対1だったらキーパーに任せるとか、そういった部分の徹底をしないと、勝たないといけない試合に誰かがいないとなったときに、うちは厳しいのかなと、思います。
Pivo! 4番の野口健吾選手、体の強さが目立っている。彼は去年、ロンドリーナが関東リーグで優勝したときのメンバーのひとりか。
奥村 そうですね。もっというと、ロンドリーナのユース出身で、植松(晃都)と同い年で、全国で3位になったときの主力メンバーだったので、ま、うちのやるフットサルというのはもう熟知していて。スムーズに、なんのストレスもなく(トップに)入ってきてるという状態です。ただ、まあ、(仙台のフィクソ)荒巻選手と対峙して、7:3ぐらいで負けてたのかなと思うので。ボールをもらう前にどう駆け引きをしてとか、そういった部分でもっともっと成長してもらいたいなというのはありますけど。ま、なんとか戦える戦力になってると思ってます。
[会見後の奥村監督]
今やシリーズ化(?)しつつある会見終了後、出口に向かって歩み出したあとの奥村監督のひと言パフォーマンス。今回は次のとおり。
「今、刈込が“名古屋とやるのはあと2試合”といったけど、僕は4試合だと思ってます。プレーオフを入れて」
なるほど。
人心掌握術にたけたこのひとらしい“宣伝”だ。