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[東京都女子1部]城北レディース、18歳の新人・中田優衣が残り7秒で決勝ゴールをたたき込み、上位リーグ入り決定!(2018/11/27)

4位に入り、2016年の1部昇格後初の上位リーグ入りを果たした城北レディース。

 

第10節の対戦相手は、7位Festilo。

 

ご覧のとおり、Festiloは試合開始と同時に自陣に閉じこもった。

 

引いてカウンターのFestiloだが城北はそれをはね返した。

 

マイボールにするとすかさず攻撃に転じる城北。ヒナ(右から2人目)の折り返しをキャプテン♯4りかこがシュートに行くが惜しくもゴールならず。

 

♯14ユイが、

 

♯23ヒナが、

 

♯11ミユが、右サイドから仕掛ける。城北自慢のドリブル攻撃だ。だがマンツーで迎え撃つ相手を崩せないまま苦しい時間帯が続いた。

 

先制ゴールはユイのロングシュートだった。

 

そして、1-1で迎えた後半残りおよそ10秒。相手フィクソのクリアをユイが体で止めた。

 

そのボールがりかこの元へ。りかこはタイミングよく走り込んだ♯2のんへパス。

 

のんはユイに預けて縦へと抜ける。しかし相手は3枚が止めに来る。

 

それを見たユイはターンから左前方のミユへと展開。

 

これを相手がクリア、城北がコーナーキックを得た。

 

そのコーナーキックからのミユの落としをユイがダイレクトシュートに行き、これが決勝ゴールとなった。

 

◎SuperSports XEBIO 東京都フットサル女子1部リーグ2018 第10節
BALLENA BLANCA城北レディース 2-1 Festilo
2018年10月27日(日) 立川市泉市民体育館
[得点経過]
1-0 9分 城北 14 中田優衣
1-1 9分 Festilo 16 藤田知子
2-1 29分 城北 14 中田優衣
(試合はいずれも15分ハーフ・プレーイングタイム)

▪️[東京都女子1部]城北レディース、新戦術が的中し快勝!(2018/10/26)
https://www5.targma.jp/pivoplus/2018/10/26/post43971/
▪️第10節順位表
https://www.tokyo-futsal.jp/大会情報一覧

 

共に左利きの2人の新人がやってのけた大仕事

1-1で迎えた後半29分53秒、城北にその時は来た。
チームで獲得したこの試合最後のコーナーキックのチャンスに、今季入団した共に左利きの2人の新人が大仕事をやってのけた。♯11高橋海友がリスタートしたボールを♯14中田優衣がダイレクトで決め、これが決勝ゴールとなったのだ。中田はこの日城北の2ゴールを決めるラッキーガールだった。

試合はキックオフと同時にFestiloが自陣第2PKマーク付近まで引く形でスタートした。ベタ引きといっていいそのやり方にはやむを得ない理由があった。
引かれたことで明らかに戸惑いの色を見せる城北。その城北は前節、4位の府中アスレティックFCキンツェムを相手に自陣でのクアトロという大胆な戦術で相手をほんろう。5-2と快勝したのだ。
そのことを僕は川監督や選手のコメントをベースにレポートした(上記URL参照)。

Festiloとしては、前プレを選択すれば、リスクを抱えながらパス回しから縦に抜ける城北の戦術にもてあそばれることは火を見るより明らかだ。そこで、Festiloの矢口和哉監督が選択したのが“引いてカウンター”だった。Festiloの戦略は功を奏したかに見えた。

前から来ないFestiloを相手に、城北は再三再四、サイドからドリブルを仕掛け、相手を揺さぶリに行く。しかし、引いてタイトな守備網を敷く相手にかわすスペースはないかに見えた。♯23尾崎緋菜が、中田が、高橋が、右サイドでドリブルを仕掛けるが、ことごとくディフェンスに引っかかってしまう。パス回しからも川監督の指示どおり「相手の背中」をとりにいくがうまくいかない。

スコアが動いたのは前半9分17秒だった。

右コーナーキックからの落としを、2:2のボックスの右後方にいた中田が受けてカットイン。左足を振り抜くとボールはゴール右上部、ゴレイロの手が届かない箇所に突き刺さった。およそ15mのロングシュート。ドリブルとパスワークでは崩せないとなったら遠目から撃っていき、しかもそれを決めてみせるのだから、大した18歳だ。

これで先制した城北だったが、その22秒後、Festiloにカウンターから同点にされ、1-1で後半へと折り返した。

ハーフタイムに、川監督から、「足を動かせ」「パスで(マークを)ずらせ!」と指示を受けた城北は、サイドから再び尾崎、中田、高橋がドリブルを仕掛ければ、中央からはチームの主軸、キャプテン♯4片山理夏子、♯2木村穏がパスワークで相手ディフェンスを崩しにかかる。ゴレイロの♯1宮村梨花を除くフィールドの4人全員がFestilo陣内でプレーする圧倒的な形勢が続くが、しかし、スコアを動かせないまま終盤へと向かい、そして、記事の冒頭に記した劇的な幕切れへと向かったのだった。

2連勝で一気に上位リーグ入り果たす!

新戦術を取り入れてからの城北はこれで2連勝。前節で4位・キンツェムを破って勝ち点差2と肉薄した5位・城北は今節でFestiloに勝ったことで、前期最終戦で3勝2分け2敗と1部昇格後初めて勝ち越しに成功。キンツェムをかわして、4位までに与えられる上位リーグ入りを果たし優勝争いの権利を獲得したのだった。
<注:女子1 部リーグ試合形式:8 チーム総当たり 1 回戦のリーグ戦を実施後、上位(1~4 位)・下位(5~8 位)に分かれリーグ戦を行い、優勝以下第8位まで決定する(1.5回戦制)>

▪️前期終了(第10節)時点の順位
1位 TOCAR jugadoras 新宿 勝ち点18/得失点差6
2位 十条FCレディース 17/11
3位 La puerta junto ladies 13/1
4位 BALLENA BLANCA城北レディース 11/7
――――――――――――――――――――――
5位 Festilo 11/-1
6位 府中アスレティックFCキンツェム 10/-8
7位 early.f.t 9/-1
8位 jonita 4/-15

▪️上位リーグ入り後の城北の日程・結果は以下のとおり
第11節 (11/10) 1⚫︎2 TOCAR jugadoras 新宿
第13節 (12/1) vs. 十条FCレディース
第15節 (12/24) vs. La puerta junto ladies

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▪️この日自身2点目が決勝ゴールとなった♯14中田優衣
時間がなかったんで、狙いました

「(ナイスゴール!)ありがとうございます。シュートを撃ったのは(利き足の)左です。ダイレクトで。シュートはここ最近いいコースに飛んでたんで。時間がなかったんで、もう、狙いました。撃ったら奥のポストに当たって、入りました。ポストとバーの角っちょに当たって入ったと思います。
決まったときは、ホッとしました。今日は勝ちたかったんで。(上位リーグ入りが懸かった)大事な試合だし。最高でした。今シーズンは1試合目から出ていて、覚えてる限りだと、7試合で4ゴール。この中で最高のゴールでした。
シーズンの最初のほうは(サッカーから転向したばかりで)フットサルにあまり慣れてなかったんで、動きとかも、なんか、ちょっと、わかんなくなったりしたときがあったんですけど、やるにつれてだんだん動き方とかもわかってきて、(前期の)後半は特に点にもつながったんで。後期はもっと頑張りたいと思います」

 

▪️中田優衣の決勝ゴールをアシストした♯11高橋海友
今日はユイとどっちが決定力があるか判断が当たった

「今日は、前節の試合のように相手が前に出てこなかった分、ドリブルができなかったです。全部引っかかってしまって。それでも最後の最後にアシストができてよかったです。ベンチでずっと川さんに“今日はユイ(中田優衣)が乗ってる”っていわれてて。自分、今回は全部相手に当たってるし。なので、ユイ~! って感じでした(笑)。
(コーナーキックになった)あの瞬間自分がコーナーキックを蹴るかどうか、何も考えてなかったんですけど、ボール持って、“あ、こっち、左じゃん”って思って。いつもだったら(右利きの人に)代わったりしてたんですけど、でも今回は代わっちゃだめだ、代わったらユイと自分が交代になっちゃうから、だったら自分は蹴らない(シュートしない)ほうがいい、ユイに蹴らせたほうがいいと思って。
今日はどっちが決定力があるか。前半決めたのもユイだし。運も含めて全部。自分じゃないほうがいいかなっていうのはあったし、よかったです。
ユイが決めてくれたときは、ホッとしました。自分シュートいっぱい撃って決まらないからヤバイなと思ったし。ハーフタイムとかでも、タイムアウトとかでも、決めろ決めろって何度もいわれて。決めなきゃと思ってたんですけど、決まらないで。ちょっとイライラしてました。でも、勝てたから結果オーライかなって。
今後は、今日みたいにみんなが詰まってるときとか、点が欲しいっていったときに、自分がシュート決めなくてもいいから前に行って、そこから自分にマークがついてくれたりしたら、ほかの人が決めてくれるし。自分も決めたいですけど、チームが勝てばいいかかって思います」

 

▪️都1部昇格後初の上位リーグ入りを果たした城北・川康裕監督インタビュー
徹底した基礎練がクアトロのパスワークを支えていく

Pivo! 価値ある勝利でした、おめでとうございます。

川﨑 ありがとうございます。ゆいに救われました(笑)。

Pivo! 前節、前プレに来た相手に対してマンマークから自陣でクアトロをやる戦術がはまったが、ベタ引きのチームでは崩すのに苦労した。難しい試合だったのではないか。

川﨑 前回、記事に書いてもらいましたけど、ホントはあれって隠してもいい話じゃないですか。なんですけど、この子たちのためにオープンにして。この子たちが、それでも、相手がいろんなことをやってきて、例えばディフェンスだったら、前からプレス、ハーフからプレス、ゾーンディフェンスとか、攻撃だったら3:1からのピヴォ攻撃、クアトロ、いろんなことをひとつずつ教えていく中で、こういう状況で何が合ってるか。うちは、じゃあ、引かれたら何もできない、じゃなくて、引かれた中にも今日は(前回と)同じことを繰り返した。ただ裏のスペースがないだけじゃないですか。選択肢がひとつ減るだけなんで。試合中ずーと、コンビネーション、コンビネーションといって、それをいい続けて。(選手は)切れずに、まあ、結果論ですけど、よかったかなと思います。

うちはまだ、クアトロをやる身分じゃないかもしれないです、極端なこといったら。そこまで技術は達してないかもしれないです。だからほかのカテゴリーの人たちからしてみたら、ばかげてんじゃない? って思われるかもしれない。でもこの子たちが自信を持ってそれをできる、前回の試合みたいに、このレベルでできるってことは、技術は多少あるとオレは思ってるんです、サッカーやってきましたから。だけど、フットサルの技術といったときに、やっぱりオレはさかのぼって基礎的なことをやらないと。オレはカスカヴェウ(F1・ペスカドーラ町田の前身)に行ったときに一番初めは1時間半、基礎練でした。インサイドキック、止めて蹴る、インサイドキック、止めて蹴る、そのあとの対人ですよね。それがないとパス回しできないし。この子たち、そのことをわかってるはずなんですけど、動きのほうをメインに教えてきちゃったから、こっちが要求していることとちょっとずれることによって、いろんな意味のズレが生じてきた、っていうのが今の現実です。

ただ、ファーストステージ(前期)に関しては、とにかく(クアトロを)やり切ろうっていう話をした中で、何試合かはクアトロベースの戦術に変わってきて、1戦目、2戦目はネタがなくて苦しんで、シュートまで行けなかったと思うんですけど。今日は自信を持って、最後あそこでよく、攻撃でいくつかポストに嫌われることもありましたけど、よくまあ動いて、あそこで、ハーフコートで4対4のクアトロの中で、シュート意識を持つっていう意味ではよくやったかなと思います。

Pivo! 練習が少しずつ成果を出していると。

川﨑 まあまあまあ、そうっすね。納得いってないですけど。でもまあ、結果ついてきたから。今までだったら引き分けが精一杯だったかなと思うんですけど、今日は勝ち切ったから、ま、その点に関しては褒めてあげようかなと思います。

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