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[東京都U-18リーグ1部]ASVペスカドーラ町田U-18が優勝! 「選手は僕の物差しでは計れないぐらいの成長スピードを見せている」(町田・甲斐修侍監督)(2019/1/8)

ASVペスカドーラ町田U-18。勝って優勝を決めたかったが最低限の条件であるドローで試合を終え最終節を待たずにタイトルを獲得した。

 

フウガドールすみだファルコンズ。勝てば最終節に勝敗を持ち越すことになったがドローに終わり目の前で町田に優勝を決められた。

 

試合は激しいトランジションの応酬となり、前半は町田が優勢のうちに試合を進めた。

 

だが一転して後半はすみだのペースに。

 

町田の先制ゴールが生まれたシーン。町田は、U-19フットサル日本代表入りしたピヴォの♯9毛利が相手守備網を突破しシュート。後方で♯22甲斐(翔)がカバーリングに走る。

 

毛利のシュートはゴレイロにブロックされ、毛利の左後方でこぼれたボールを甲斐(翔)がシュート。

 

このボールがゴール前に侵入した♯5雲切の足元に入り、「当てるだけでした」と雲切。

 

すみだの同点ゴールは♯7崔がトリッキーなプレーで決めた。崔はコースを切りに来たゴレイロの目の前でルーレット。

 

ゴレイロとディフェンスをかわしてシュート!

 

試合終了の瞬間。目の前で優勝を決められたすみだ、勝利で優勝を決めたかったが果たせなかった町田、ともに笑顔はなかった。

 

試合後のミーティングで甲斐監督らから「もっと喜べ!」とゲキを飛ばされる選手たち。

 

Super Sports XEBIO 東京都ユース(U-18)フットサルリーグ2018  1部 第27節
ASVペスカドーラ町田U-18 1-1 フウガドールすみだファルコンズ
2018年12月16日(日) MFP味の素スタジアム
[得点経過]
1-0 7分 町田 5 雲切啓太
1-1 25分 フウガ 7 崔輝実
(試合は前後半20分ランニングタイム)

 

最終節を残してドロー決着

ASVペスカドーラ町田U-18が12月16日、東京都U-18リーグ1部で、フウガドールすみだファルコンズとの事実上の“優勝決定戦”に引き分け、最終節を待つことなくリーグ優勝を決めた。優勝に貢献した町田の2選手と、日本フットサル界のレジェンドで、このチームの指揮をとる甲斐修侍監督に喜びの声を聞いた。
https://www.pitin.com/rakuza/pc/common/conv/ConvResult.cfm?CONV_NO=13461&vid=00065

まとめ◆デジタルピヴォ! 山下

 

▪️先制ゴールを決めた♯5雲切啓太選手(16歳)

「あのゴールは翔大(♯22甲斐翔大)が撃ったシュートが自分のところへ来たんで当てるだけでした。その前のことは22番が撃った瞬間しか記憶にないです。自分、試合の最後にキーパーと2対0のときがあったんで。それを走ってるのが見えてなくて撃っちゃって。そこで決めてればもっと楽に行けたかなと思います。チームとして負けなかったことは大きいですけど、チームとしてみんな思ってることは勝ちたかったんで。悔しいですね。今後ですか? 今16ですけど、まずはトップチームに早く上がれるように。で、まあ、代表にもしっかり入って。で、9番(毛利元亮)が今回(U-19フットサル日本代表に)入ったんで自分も負けないように頑張ります」

 

▪️ナイスセーブで優勝に貢献した♯26ゴレイロ石井遥斗選手(16歳)

「自分は試合の開始と終わりは大事って思ってて。特に始まりはみんな緊張とかあるんで。そこでキーパーがいいプレーができれば周りも落ち着かせることがあると思うんで。今日、自分は前半いいプレーができたり、いい判断が続いたんですけど、後半、点決められてから冷静さを失ったプレーが多かったりして。そこで自分がチームを落ち着かせたりとかしなきゃいけないと思ったんですけど、ちょっと慌てちゃったりとかあって。ま、そこが今日の反省点ですね。今後は、できるだけ早くトップに上がるのもそうですし、やっぱ、トップで活躍しているイゴール選手みたいに、2個3個ぐらいシュート撃たれてもそこを止めて無失点で試合を終われるキーパーになりたいです」

 

▪️甲斐修侍監督インタビュー

“優勝したんだ、喜べよ!”

Pivo! 優勝おめでとうございます!

甲斐 ありがとうございます! 優勝なのに、こいつらが喜ばなさすぎて、コーチも、“喜べよ!”っていってたところだったんです。もう、勝つつもりでいってたんでね。勝ってないっていう意味で、優勝とかっていう以上に今日の試合はあまり喜べなかったですね。

Pivo! 監督として試合を振り返ってどうだったか。

甲斐 そうですねぇ、本当にまだまだ下手くそなんですけど、できることもまだ少ない中で、とにかく気持ちの部分だったり、戦う姿勢だったり、そういうなんか泥くさいところっていうところは、まあ、中学時代から見ている子供たちで、引き続き今も頑張ってやれてるんですけど。ただ、少しずつできることが増えてきたんで、そこで、今までは考えずにやれてたことが、考えられる物事が増えてきたっていう意味での、今、そうした時期にあるのかなと。それはまあ、成長過程としては想定内ですし。ま、そこをさらにまた乗り越えて今度は状況判断スピードをさらに上げていったり、できることをさらに1個でも2個でも増やしていく作業になるかなとは思ってます。

選手を落ち着かせるためのタイムアウト

Pivo! これで町田は東京都のU-18リーグ1部初参戦で初優勝。

甲斐 そうです。おととしからU-15を立ち上げて。15の2部からスタートして、その年に優勝して。18は去年2部からスタートして去年優勝したんで、で、今年から1部で初めて参戦しています。

Pivo! そうすると1部まで最短のコースで昇格し優勝している。

甲斐 なんとかねぇ。順調に、はい。

Pivo! 今日の試合を振り返ると、ペスカドーラの圧力が相手を上回って、いい入りができた。その結果、相手がその圧力にビビってかわしに来ているシーンがあった。その中からの先制点だったかなとみたが。

甲斐 はいはいはい。そうですね。立ち上がりは本当に前半特に、子供たちが、自分たちは今日勝ちたいくっていう気迫が相手に伝わるほどの圧力で行くってことが大事だから、それが相手に伝わるほどの強度で、本当に前半はよくやれてたなというふうには思います。ま、後半はやっぱりちょっと自分たちの時間じゃない時間が長かったんで、はい。そういう意味では、この子たちはまだずる賢さとか、ゲームの駆け引きというところまではこなせてないので。そういう意味で今日は経験値を積むという意味でいい時間を過ごせたなと思います。今までは勢いだけで最初から最後までやってましたけど、途中でもう鼻息荒すぎて、行くべきじゃないところを全部行き始めたんで。どこかで失点する可能性があるなぁって思ってました。

Pivo! では、後半の中盤でとったタイムアウトはそれを静めようと。

甲斐 そうですね。もしかしたらパワープレーに来るから残しておきたかったんですけど。でも、もう、正直、それ以前に、みんながこうしか見れない(両手で視野を狭める仕草をしつつ)状況になってたんで。ちょっと落ち着かせて。ちゃんと足りてる状況なのに、自分たちから飛び込んでいくシーンがあまりにも多かったので。そこをちょっと修正して、あとはゲームコントロールをしてっていうところでしたね。

Pivo! 後半は失点して同点にされてからミスが目立って町田は非常にリスキーだった。

甲斐 やっぱり、メンタル的にこの子たちって大人じゃないので、あれだけいい試合できてても、あの失点をきっかけに急激に見えないプレッシャーを感じてしまっているんだろうなっていうにはありましたね。

Pivo! それがこの年代の特徴なのか。

甲斐 どうですかねぇー。ま、この子たちにおいてはまだまだそういうところはタフではないので、ゲームコントロールをするずる賢さとか、相手がちょっといらつくづらいのそういう駆け引きをできるようになってほしいなと思います。

この年代にしかない伸び代に驚いている

Pivo! 前半ナイスセーブを連発したあの26番のゴレイロは高校1年生だそうだが。

甲斐 そうですそうです。

Pivo! すばらしい安定感だった。

甲斐 ですねぇ。

Pivo! 左右に振ってくる相手の崩しに対しても反応していたし。

甲斐 ほんとにそうですね。今ゴレイロは、1年生はこの子と、2年生が3人いるんですけど、普通に一番手を勝ち取るくらいの安定感を見せています。

Pivo! その安定感がチームの縦への推進力につながっていた。

甲斐 そうですね、前半、彼に助けられましたものね。正直、前半の残り数十秒で横パスかっさらわれたときは、もう失点してもしょうがないなと思いましたけどね。ま、キーパーがよく防いでくれたんで。あれも、ギリギリなんとか引き分けられた要因ですよね。

Pivo! こうした試合を通してFリーガー、さらには日本代表選手へと育っていくと思うが、その過程で選手たちにとって貴重な体験になってると思うが。

甲斐 そうですね。本当に、リーグ戦特有の引き分ければ優勝っていうシチュエーションをいかにずる賢くやるかっていうのは大事なことですし。今までは試合してもただ勝つだけ、勝ちにいくぞっていうだけのゲームしかやってこなかったですけど、こういうコントロールしないといけないという経験は、さっきミーティングでも話したんですけど、それは、うまくいってないにしても彼らにとってはすごくいい、貴重な体験だったと思いますね。

Pivo! あ、試合後にその話をしたのか。

甲斐 はい。ネガティブになる必要はないよっていうことで。トップチームでも危険な時間をやり過ごそうと話していてもエラーを起こすぐらいなんで。おまえらが、今この瞬間に100点取れるわけないよっていう話じゃないですか。でも、この年代からそういう経験をできるっていうのはすごく大事なことだと思います。

Pivo! その意味で、監督としてこの年代の子たちを担って育てていくといくうえで手応えもあるのではないか。

甲斐 そうですね、僕は正直、今の高2の子たちが中3から見始めて、今の中3の子たちを中1から見てるんですけど、正直、僕の物差しでは計れないぐらいの成長スピードとか。ま、例えば極端な話、この選手がこんなプレーできないだろうなと思っているものが、できるようになったりとか。そういう、この年代にしかない伸び代なんだろうなと驚いています。

Pivo! 甲斐くんにとっても驚きか。

甲斐 いやあ、驚きます、驚きます。本当に、僕らが、この選手はこういうタイプでこう成長していくんだろうなと決めちゃいけないんだなと、改めて思いますね。だから、いつもいうんですよ、フィクソの選手は、フィクソっぽいことだけをやれればいいだけじゃなくて、アラに行っても、ピヴォに行っても、できる選手にならないと、これからのフットサルプレーヤーとしては通用していかないよと。もちろん、その、ポジションのスペシャリストになることも大事なんですけど、でも、まだ、この子たちっていうのは可能性がたくさんあるじゃないですか。だから、そういう意味では、後ろで守り切ってた7番の子(板橋琉聖)とかも、体張って。本当に地味にやってますけど、やっぱり、状況によっては、はがしたり、運んだり、サイドで仕掛けて突破して撃ったり、そういうプレーも当然これからできていくようになっていかないといけないと思うんで。

Pivo! そうすると、子供たちの成長に寄り添うということは甲斐くんにとっても貴重な体験になっていると。

甲斐 そうですね。だから、子供たちにはいつもいってるんですけど、自分でプレースタイルを勝手に決めるなっていうのと、僕もポジションの適正っていうのは、どっかで決め切らないほうがいいなとは思ってますね。

Pivo! 貴重な話をありがとうございます。

甲斐 とんでもないです。

Pivo! 改めて、優勝おめでとうございました!

甲斐 ありがとうございます! (かたわらの選手たちを見ながら)なんか、優勝した雰囲気ないでしょ(笑)!? ま、もっとも、1月の5、6日にもうチャンピオンズカップというのが長野であって、そこに向けてみんな頭が行ってるんで、そういう意味でも、喜んでいるひまはないかなと。そういう全国のいろんなリーグの優勝チームとできる貴重な機会なので、なんとかいい結果を出したいと思います。

 

(取材後記)
甲斐監督も話していたとおりASVペスカドーラ町田U-18は年明け早々に「第3回U-18フットサルリーグチャンピオンズカップ」に東京都リーグ代表として出場し、予選を全勝で通過して決勝トーナメントに進出。準決勝でSBFCロンドリーナU-18との“境川決戦”を1-0で制して決勝戦に駒を進めた。相手は、シュライカー大阪U-18を破った京都橘高等学校サッカー部。結果は準優勝。毎年8月恒例の「JFA 全日本U-18フットサル選手権大会」までにはサッカーチームを撃破する力強さを身につけてほしいものだ。

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