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無料記事:ただでは終わらない。デウソン神戸の戦い続ける伝統【F2第14節】(2018/1/21)

2019年1月20日、神戸
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

Fリーグ2018/2019ディビジョン2 第14節
デウソン神戸 3-1 Y.S.C.C.横浜
2019年1月20日(日)グリーンアリーナ神戸 観客数:862人

[得点経過]
1-0 19分54秒 デウソン神戸 10 藤川朋樹
2-0 23分21秒 デウソン神戸 8 小村優太
3-0 33分11秒 デウソン神戸 10 藤川朋樹
3-1 39分54秒 Y.S.C.C.横浜 77 稲葉洸太郎

デウソン神戸はデウソン神戸

その序章は、F2第7節にあったのかもしれない。デウソン神戸は信念を持ち最後までやり切り、Y.S.C.C.横浜を苦しめていた。

F2最終節、信念を持つ神戸はまた横浜を苦しめる。GK・川崎貴生を中心とした守備、そこから藤川朋樹が前線で体を張りボールをキープし得点を狙う。若きデウソン神戸は集中力を保ち続け、走り続けていた。

F2自主降格と大幅な選手の入れ替えがあった。だが、デウソン神戸はデウソン神戸。何かをしでかす、ただでは終わらない伝統は受け継がれていた。神戸の人も横浜の人も、そのハートに訴えかける緑の魂を称賛していた。

▼1年努力した結果が今日の成果

鈴村拓也 デウソン神戸・監督

まず今日、この試合で勝ちを目指したところで非常にいい結果が出せたことに満足しています。

今日の試合は、まずディフェンスのやり方をしっかりとしていこうというところが徹底的に作れました。2点目の形が理想的で、ディフェンスから自分たちの高さや幅、寄せる距離を取って相手を自分たちに誘導してボールを奪ってゴールを目指すというショートカウンターで、今回ポイントにしていたディフェンスのマーク交換であったり寄せることだったりという規律の中に、個の能力を融合させてくれたゴールでした。

自分の中では、セットプレーとカウンターで試合が決まる。1点目はセットプレーでこれが30%、奪ったボールを素早いカウンターは50%、そしてパワープレー返しというフットサルのゴールの確率が高いことを体現できたことがウチのチームとして未来につながっていく試合になったと思います。

自分の一番したいフットサルが、レギュラーシーズンの最後の試合で形にできました。選手たち、スタッフがそこに至るまでにものすごく努力した結果が今日の成果につながったと思います。

▼最後の最後にこの形を出せた

森脩 デウソン神戸・キャプテン

試合前に言っていたことが体現できた試合になったんじゃないかなと。それがゴールにつながったり、失点を防げたり、それがまた得点になったりして、今さらになってしまうかもしれないですけど、最後の最後にこの形を出せたのはよかったのかなと思います。

あと、全日本フットサル選手権の7位、8位の決定戦がポルセイド浜田とあるので、今日の結果ににおごらず、継続するところは継続して見直すところは見直して、必ず自分たちで勝ち残って選手権を戦いたいと思います。

今シーズン戦ってきた仲間全員、スタッフ、選手、サポーター全員を含めて、少しでもたくさんの試合ができるようにやっていきたいなと思います。

▼みんなで成長した1年

――今シーズンF2に降格して選手も大幅に入れ替わり、先が見えないような状態で迎えたと思います。改めてこの1年、想定外だったことはどういったことでしょうか?。

鈴村 いっぱいありましたね。僕は現場で監督として、やりたいことはこうだということがどこまでできるのか、どうしたら理解してもらえるんだろう、どうしたらやれるようになるんだろうというところから入りました。それでも、僕は一貫してやり続けたのは自分の目指すフットサルというのを伝えること。その形が今日の試合で多くの場面で出せました。

一筋縄ではいかないことばかりでしたね。オーシャンカップのボアルース長野戦はパスもつながらなかったですし、ディフェンスも簡単にやられました。そこから選手は本当に努力してくれました。真夏でもどれだけ暑くても練習の量は減らさなかったし、勝つため、うまくなるため、Fリーグでやるため、マインドから人間として選手としてと伝えてきました。そういう風にやっている自分が一番成長したと言いますか、みんなと一緒に成長にできたんだなというのがこの1年だったと思います。

監督と選手という立場ですが人として向き合って、もちろんキャプテンにも非常に厳しいことも伝えましたし、嫌だなと思われてしまうようなこともいっぱいあったと思います。それでも、みんながこれだけ向き合ってくれました。だからこそ僕自身がもっともっとやらないといけない、何をやるんだ、どうしたらいいんだということを日々考えていました。起きた時こうしたら起こるというのはちょっとずつ分かったつもりですけど、起こることは予測できなかったし、僕も2年目でまだまだ経験の浅い監督ですけど、この1年は僕が一番成長させてもらったと思えるようなチームになったのかなと思います。

このチームは、よくいう伸びしろというものはまだまだある。今、試合後でもみんな練習したいと思っていますよ、もっとうまくなりたいと思っています。来年も継続してやれれば、非常に楽しいチームになってくれると思います。

というところまで持ってこれるのか、というのは最初はわからなかったですね。自主降格があった中で、みんな責任を背負ってみんながデウソン神戸の選手として、この今季最後のホームゲームをどういうことをやるのかだけセットして彼らはやり切ってくれました。

シーズンを通して誰一人ケガしなかったですし、痛くても練習して「止めろ」と言うぐらいやってくれました。キャプテンも引っ張ってくれましたし、だからこそもっと強くなれるしもっとうまくなると思います。どれぐらい伸びるのかわからないぐらいのパワーをみんなから感じたので、1ヶ月後の選手権を目指して2月を、目標をしっかり超えてやっていくところを見ていきたい。選手は本当に頑張ってくれた。そう今はいろんなことを思います。

 まあしんどかったですね、正直。

始まった当初の練習試合で、僕もブチ切れたこともありました。技術的なことは仕方ないし練習すればついてくる、でも気持ちの面では最初みんなFリーガーではなかった。本当に勝ちたいのか、練習試合で県リーグや地域リーグの相手になめているわけじゃないですけど、おごる気持ちではなくやらないといけないところはあると思っていました。その部分で強く言ったりしました。陰口をどれだけ言われているかわからないですけどね。

その中でがんばってくれて、みんなが成長した中で僕もみんなに成長させてもらったかなと思うので、すごくいい経験になりました。みんなにありがとうと伝えないといけないかなと思います。

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