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経験がないと言われ続けた者たちが経験したこと。デウソン神戸・小村優太、絹川雄太、廣森宇宙、金尾裕太の戦い(2019/3/1)

2019年2月24日、駒沢
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

絹川雄太が冴えまくる。笑いをこらえようと廣森宇宙は必死、金尾裕太はニコニコと見守る。そして小村優太がツッコミを入れると、全員が声を出して笑いだした。彼らは勝ったことはもちろん、絹川と一緒にピッチに立てたことがうれしかった。

「いろいろあったんで……。心配してくれたみんなに『オレ、元気やで』って見せれてうれしい」。

絹川は一身上の都合でピッチから離れていた。もうフットサルを続けることも難しいかもしれない、自分の力ではどうしようもできないまさかの非常事態だった。その絹川が戻ってきた。「雄太を見て泣いた」と金尾は試合後、絹川と共に涙した。「ユウタコンビで泣いてたな」とツッコむもう一人のユウタ、小村が「本当によかった、やり続けることができて」と言えば、廣森は本当によかったと優しくうなずいていた。そして「ほんま、そうっすよ」と絹川は笑い続けた。

経験がない。その一言で片づけられてしまう1年を過ごしてきた。35歳・最年長の小村も19歳の廣森と金尾も今季入団。同じく今季入団の絹川の「ベテランと若手の間の年齢なんで、22なんですけど」という言葉は、デウソン神戸の若さを物語る。だが、彼らはいろんな経験をしながら戦い続けた。そして、全日本フットサル選手権の出場権を手に入れた。

(残り 1300文字/全文: 1862文字)

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