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残り0秒で決勝ゴール! 「引き分けは負けと一緒、初戦の勝ち点3は必ず獲りたかった!」(広島エフ・ドゥ・村上哲哉監督)[F2第1節]

飛行機ポーズでベンチへ走る殊勲の♯16冨廣。歓喜する広島サポーター。0:00を示す電光掲示板…。

 

2019年6月15日 柏市沼南体育館

(PHOTO,TEXT・山下浩正)

 

2季連続のアウエー開幕節で初勝利を挙げた広島エフ・ドゥ。

 

会見に臨む村上広島エフ・ドゥ監督(右)と三島キャプテン。

 

ホーム開幕節2連敗となってしまったトルエーラ柏。

 

記者会見での松田トルエーラ柏監督(右)と碓井キャプテン。

 

▪️Fリーグ2019/2020 ディビジョン2 第1節 観客数:410人
トルエーラ柏 0-1 広島エフ・ドゥ
[得点経過]
0-1 40分00秒 広島 16 冨廣洋平

 

トルエーラ柏は今シーズン、千葉県・柏市沼南体育館を新たなホームアリーナとしてスタートを切った。ここは日本で最初にフットサルコートが造られた知る人ぞ知る公共施設。オーシャンカップで残念な出来事があった柏にとって、心機一転の意味を込めての戦いであり、それにふさわしい場だった。

しかし、パワープレーの応酬となった終盤、残り5秒でマイボールにした広島エフ・ドゥが2度目のパワープレーを開始。右コーナーキックからのリスタートを冨廣洋平が柏ゴールに叩き込み、残り時間ゼロ秒で試合に決着をつけた。

「ゼロか勝点3か」。監督と選手の強い思いそのままに最後の最後で勝点3をつかみ取った広島の選手と、ぼう然とピッチに立ち尽くす柏の選手。残酷な対比がそこにあった。

 

▪️記者会見
(試合を振り返って)
選手とスタッフの気持ちがひとつになった

村上哲哉広島エフ・ドゥ監督 新たにメンバーが入れ替わって、シーズンがスタートして2か月ちょっと。シーズンオフに関しては、これまですごくいい雰囲気でトレーニングマッチもF1の複数チームとやれて。カップ戦も町田とやれて。すごくいい雰囲気で来てた分、この開幕戦に、コンディションも含めて一番いい状態で入ったんですけど、入ってみるとなかなかトレーニングマッチとは違った雰囲気だったりだとか、そこに飲まれているシーンがあるのと、今日はピッチがボールに引っかかることも多かったんで、そこは選手もやりずらかったとは思いました。

自分たちのフットサル、内容もそうなんですが、選手たちには、とにかく今日は、ゼロかプラス3だからっていう話をして。だから最後のパワープレーに関しても、引き分けは負けと一緒と、僕の中では思っていたので。F2は試合数が限られる中で、初戦の勝ち点3というのは必ず獲りたいスコアだったんで。そういった意味で、最後ああいう、ブザービートという形でしたけど、選手とスタッフの気持ちがひとつになって、それがゴールにつながったのかなと思ってます。

まだまだ改善点はありますけど、結果的にはすばらしいゲームだったと思います、はい。

 

僕たちエフ・ドゥはいい雰囲気でできている

三島光太郎広島エフ・ドゥ キャプテン 勝ち点3が獲れたということで、最後ギリギリになってしまいましたけど、それはまあ、とりあえず、よかったかなと思います。

でも、まだ、反省点は多々あって。練習でできてることが試合で体現できないということが僕たちの反省点かなと思います。それをこのシーズンを通して、1試合1試合重ねてできないと、F1に上がったところで僕たちは勝てないと思いますし、優勝も難しいと思うんで。ま、そこはしっかり、次の練習から意思統一していきます。

僕たちエフ・ドゥはいい雰囲気でできてると思うので、さっき監督も言いましたけど、ゼロか勝ち点3で帰ろうって話はしてたんで。それが最後、後半に入るときにハーフタイムでしっかり話し合って、いい雰囲気で臨めたのかなと思います。以上です。

 

(質疑応答)
ここから新しいエフ・ドゥの始まりだ

Pivo! 残り5秒で、リスクもあるのに、よくパワープレーを決断した。あのときどんな心境だったか。

村上 マイボールのコーナーキックだったんで。で、まあ、シュートに行く形っていうのはあったんですけど。まあ、その、5秒と、あと、佐々木が中にいたんで、佐々木のところで撃たすかっていうところであったんですけど、あと最後は中の判断というところで。たまたま、こぼれ球がこっちに転がってきて。今日何度かキーパーとの2対0とかがあったと思うんですけど、最後は落ち着いてセグンドに流したんで。本当に、勝ち点3がすべてだったんで。

昨シーズンもホームで佐々木が、相手はどこだったかな、あ、白山戦で、ブザービートで、残り1秒でキックインから入れたのもそうだったんですけど。まあ、あの、フットサルは、ブザーが鳴るまでは何が起こるかわからない。特にゼロゼロのスコアだったんで。ま、ここは選手を信じて、それが最後のゴールになったわけで、よかったと思います、はい。

Pivo! 監督の判断の勝利だ。

村上 いやいやいや。どうしてもパワープレーはね、どっちに転ぶかわかんないですし。今日の柏さんに関しては、ある程度分析をされて、試合のディフェンスもそうですけど、僕たちの攻撃のバランスが崩れた瞬間にプレスをかけてくるっていうのは多分、相手が狙ってたところだったと思うんで。ま、パワープレーもある程度研究されてたのかとは思いますけど、選手のモチベーションと、僕のモチベーションと、勝ち点3にこだわるっていうところは、ずっとシーズンオフからこの開幕戦に関していってきたんで。そこが獲れたってところはチームとしてすごく大きな収穫だったんじゃないかなと思います、はい。

Pivo! キャプテン、残り5秒でパワープレーと言われて、あれ!? と思わなかったか。

三島 いや、まあ、そのパワープレー入る前に監督が、パワープレーで失敗したら僕が責任とるって言ってくれたので。僕たち選手はやるしかないっていうことで、入って。で、僕が最後、パスを出したんですけど、シュートかパスかすごい迷って。で、まあ、2対0、今、監督が言いましたけど、結構外してたんで。しっかり冷静に、しっかりインサイドに当てて、最後、冨廣選手がしっかり決めてくれたんで、よかったです。

Pivo! 去年の横浜戦で見たときと比べて、今日は相手を前プレで押し込む時間が長かったと思うが。

村上 あのー、正直、この開幕戦に関しては、選手にはあまり言ってなかったんですけど、ホント、ギリギリまで、ハーフに引いてポジション取りをするのか、前からアグレッシブにいって、うまく選手のモチベーションを押し上げてあげるのか、迷いました。

昨シーズン、やっぱり、地域リーグ(中国リーグ)からF2リーグに上がって、なかなか長距離の移動だったりとか、コンディションの調整に苦戦したっていうことがチームとしてあったので。で、そこで無理やり前から行って裏取られて、立ち上がりに失点するっていう場面がありました。

まあ、今日は、開幕戦というところと、ここから新しいエフ・ドゥの始まりだよっていうところと、2か月弱ですけどプレシーズンを、新しく入ったメンバーと融合して、すごくいいチームになってきたと思うんで。やっぱり、選手のモチベーションをリスペクトしてあげたいなっていうことで、前からアグレッシブに行きました。

やっぱりその、前半の立ち上がりに関しては、山下さんも見られたように、うまくはまってた部分と、自分たちのコンディション面から、3m4m空けてしまうという僕たちの悪い癖が出た部分もあったと思うんですけど、でも、それでも引かずに行けたっていうのは、今シーズン、選手のフィジカルベースが上がってきてる証拠だと思います。

僕たちは、体の大きい選手が前にいるわけではなく、やっぱり、機動力を生かして、走って勝つしかないと思ってるんで。そういった意味で、プレッシングで高い位置を奪って、フィニッシュにもっていければというところは狙ってたところなんで。特に後半の中盤以降は、みんな、アグレッシブに行けたんじゃないかなと思います、はい。

 

(試合を振り返って)
今日が最低限、1試合1試合上げていく

松田大次郎トルエーラ柏監督 えー、うちは問題があってオーシャンカップ、出れなかったので、その意味で無事に開幕を向けられたってことはすごくうれしく思ってます。その中で、こういう今のクラブの状態をつくってしまった中で、ホントにたくさんの方が応援に来てくれてっていう形で支えられてるんだなっていうところと、もう一回ホントに頑張らなきゃいけないんだな、そういう義務がうちらにはあるんだなっていうところを試合前に再確認させてもらいました。

ゲームに関しては、自分たちにもむこうにもチャンスはあったし、どっちつかずのゲームになってしまったんですけども、その中で、結果としてはむこうがチャンスをつかんだ、というところだと思うので。今日の試合でいうと、今日はトルエーラの最低限のところなので、その最低限をどんどん、1試合1試合上げていくっていうところになるので。次の試合、第2節やったらそれが最低限になるでしょうし。下がることは今の状態だったらないと思うので。これ以上を、どんどんどんどん目指して、一回一回チームがレベルアップしていけるようなシーズンにしていきたいと思います。

ま、試合に関して、チャンスを決めることができず、逆に決められてしまうというところで、結果が出たので、その細かい部分に関しては、ビデオを見返して、修正してやっていきたいと思います。

 

少ないチャンスをモノにできなかった

碓井雅貴トルエーラ柏キャプテン えー、昨シーズンも広島さんと対戦していて、そのときも非常に個人能力が高くて、いいチームだなと思っていたので。で、さほど今シーズンもメンバーが入れ替わってないと思ってたので、やっぱり、難しい試合になると最初から思ってて。その中でも相手のパス回しとか、そういったところで、こっちもキープする時間があって、五分の均衡したいいゲームになって。その中で少ないチャンスをモノにできなかったところで、そこがこういう結果だと思っているので。やっぱり、もっと、チャンスをモノにできるように日々これから取り組んでいく、っていうふうに僕は思ってます。

今後も、アウエー2連戦続くんですけど、そこでいい結果残して、次のホームにまた持って帰れるようにしたいと思います。以上です。

 

(質疑応答)
柏市広報担当者 今回から柏市としてフットサルを紹介させていただくことになりました、試合も含め、市民の皆さんにメッセージをお願いします。

松田 まず、柏市と地域密着でやっていきたいと思っています。みんな仕事しながらなので、時間は限られていますが、先日も柏市のイベントに行かせてもらいましたが、また7月にも予定しているので。そういう場で皆さんと積極的に交流を深めていければいいなと思っています。その交流をする中で、柏市の力になれればいいなと思っています。

碓井 柏市はレイソルもあって、で、僕自身、クラブチームとかを教えていたりするんですけど、結構、サッカーに力を入れていると思うので。そういった中で、フットサルをもっと気軽に見れる環境を、こちからからもそういうイベントに行って、伝えて、来てもらえるような、で、そこで楽しんでもらえるフットサルをみんなで一緒にしたいと思っていますし、それをきっかけに、僕らの試合を観に来てくれたらいいなと思っています。

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