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無料:残り0.4秒、長野の手から勝利がこぼれ落ちる[F1第14節]

2019年8月25日、長野
(PHOTO,TEXT・佐藤功)

Fリーグ2019/2020ディビジョン1 第14節
ボアルース長野 3-3 ヴォスクオーレ仙台
2019年8月25日(日) ホワイトリング 観客数:2,028人

[得点経過]
1-0 02分12秒 長野 17 仲條正祥
1-1 32分40秒 仙台 19 加藤翼
2-1 37分58秒 長野 18 田口剛志
2-2 38分07秒 仙台 19 加藤翼
3-2 38分23秒 長野 17 仲條正祥
3-3 39分59秒 仙台 19 加藤翼

▼残り0.4秒

スコアは1-1。仙台がパワープレーを仕掛けた。だがその直後、ガラ空きとなったゴールに長野・田口が流し込む。その9秒後、パワープレーを続けた仙台は、加藤のゴールで追いつく。さらにその16秒後、仲條が冷静にパワープレー返しを決め、長野がリードした。

わずか数秒の急展開にホワイトリングは大歓声に包まれ、ヴォスクオーレの猛攻を耐えるボアルースの初勝利を信じ祈り続ける。そして時計が1から0に……ならなかった。

この日ホワイトリングを訪れた人は2,000を超え。その期待にボアルースは応え、ヴォスクオーレも応えていた。

▼ボアルース長野

横澤直樹 監督

本日は3,000人チャレンジデーということで、2,000人の方に集まっていただいて大勢の中で自分たちのフットサルを見せれてた、頑張っている姿を見てもらえたということで、素晴らしい環境でプレーさせてもらっていることに感謝の気持ちでいっぱいでした。

試合の入りは1点リードといういい状態でしたけども、この試合に勝つために試合前から覚悟を決めて臨んだ試合だったので本当に勝ちたかったんですけども、これがフットサルだなと。0秒で失点をする、得点をするということはよくあるんですね、フットサルで。0秒と審判の笛を吹く間が一番油断するところであって、チャンスでもあるります。それを考えると、勝つために必要なものが足りなかった試合でした。

選手たちはよく頑張りましたし、あくまでも今日の勝利も大切ですけども、F1定着に向けてしっかり進んでいると思っているので、それだけは選手たちにはちゃんと感じて目標を失わずにいてほしいです。

――パワープレーになって勝ち切れなかったという部分ですが、具体的にどういったことでしょうか?

横澤 残り10秒の時点で、我々としては2つのディフェンスの選択があったんですね。ひとつ目は前からマンツーマンでピッタリついてプレッシャーをかけて相手に投げさせてという展開と、もうひとつはしっかりとゴール前を固めて相手の狙いどころを抑える。その狙いどころをタイムアウトで説明していて、まさにそこに来ていたので信じて守るべきところを選んだというところですね。

マンツーマンでピッタリつくと、GKからすると投げるしかないんですね。投げるとなったら、ゴール前に投げる。そうすると、2秒でゴール前にたどり着いてしまいます。そこで決まってしまったら、この10秒が無駄になってしまう。だからこそしっかり引いてゴール前を固めて、狙いどころが分かっていたのでそこをしっかり捕えようという選択をしたんですね。ただ0.4秒というところで油断をしてしまった、というところじゃないですかね。それが敗因ですね。

――狙いどころが分かっていながら決められたということは、マークのズレが生じたのでしょうか?

横澤 そうです。あと、パスの質がよかったこともありますし、ポジショニングがよかったこともあります。たとえば、11をしていて右に来るのはわかっていても右に抜かれてしまう、それがポテンシャルの違いです。たとえば、小学生と大人が対戦して、大人が右側に抜くのは簡単ですよね、いくら小学生は分かっていても。その分かっているけど体現できない、というところで我々はカテゴリーの差を感じているわけです。

――仙台の精度が、長野の守備を上回っていたということでしょうか?

横澤 そうですね。

――仙台のパワープレーはF1のなかでも精度は高いのでしょうか?

横澤 パワープレーではなく、選手の質の部分です。パワープレー自体は監督が代わって初めてだったので、何がしてくるのかわからない状態だったのでタイムアウトを取ってしっかり修正をして狙いどころを話しました。

 

西巻広直

今日はたくさんのサポーター、お客さん、スポンサーの方に来ていただいていい環境の中で戦えたことは本当にありがたく思います。そのなかで本当に覚悟を持って戦って本当に勝ちたかったんですけど、勝つまではいきませんでいた。

試合の内容としては、自分たちのフットサルがやれた部分もありますし、後半に攻め込まれて苦しいところでも全員で声を出して守り切って勝ち越しゴールを挙げて、と狙い通りのフットサルができたところで最後勝ち切れなかったのは本当に悔しいです。

ただ、まだ試合は全部終わったわけではないので、しっかり切り替えて次の名古屋(オーシャンズ)戦に向けて準備をしないといけないので、またチームで一丸となって戦えるように準備をして次は勝ちたいと思います。

 

▼ヴォスクオーレ仙台

清水誠 監督

難しい試合にしてしまったところがありますが、選手たちは後半に限っては自分たちのプラン通りにボールを回してくれてゴールを何度も陥れながらチャンスをたくさん作ってくれました。

同点だったらパワープレーをしたいと試合が始まる前から思っていて、いろんな方が応援にきてくれる試合の中で引き分けのままで終わらないように、みなさんにフットサルの魅力が伝わるように勝つ姿勢を最後のブザーが鳴るまでという気持ちでいました。結果的にパワープレーで失点もありましたが、前向きな姿勢が最後の0.4秒につながったと思いますし、胸を張って帰りたいと思います。

――パワープレーをしかけた意図として、最下位のチームに勝たなければいけない、引き分けを狙っていないということでしょうか?

清水 いえ、そもそもということです。僕自身も選手を長くやらせてもらって、引き分けでいい試合なんて1試合もなかったですし、お客さんに観に来てもらって引き分けでいいという試合をやってはいけないとやっていました。それは監督になっても一緒です。どのチームに対しても、10点離れていたとしても1点をパワープレーで獲りにいきたいという考え方です。それはどの順位にいようが、どの相手でも変えてはいけない。それをお客さんは観に来ていると思っていますし、僕らはトップリーグで勝ち点3を目指さないといけないと考えています。

――後半に向けて修正をした部分はどういったことでしょうか?

清水 前半の立ち上がりはボール保持をする時間はありましたけども長野がシステムを変えてきていて、それに合わせて人を変えたりポジションを変えたりしましたが一気に効果が上がらなかったので、後半は少し相手のシステムに合わせキャラクターも含めて配置をしてよく機能していたと思います。

ただゴールは遠く、ゴールを獲るための最後のアイデアはこれからチームの課題ですし、たくさんゴールを獲っていかないと上位には行けないと思います。

 

税田拓基

シュートにいくシーンも押し込んでいるシーンも多かったし、間違いなくボール保持はウチの方がしていましたけども、そこでもう1個工夫がないと。ただシュートを撃つだけではなくて、そこに対してもうひとりふたり絡んでいかないといけない。単調なオフェンスになってしまってそこからカウンターを喰らってしまうシーンもあったので、チームとしての課題が出てきたと思います。

ディフェンスに関しては最初の立ち上がりの失点が響いたのかなというのがあるので、勝てた試合を落としたイメージです。

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