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無料:僕らが走って、球際強く行けば相手は嫌がる!(フェニックス横浜 ♯7 喜平聡)[関東2部参入戦]

 

2020年2月23日 ウイング・ハット春日部
(PHOTO、TEXT・山下浩正)

 

第22回関東フットサルリーグ2部参入戦 Bブロック1位決定戦
栃木シティフットサルクラブ(栃木県) 5-5(PK5-6) フェニックス横浜(神奈川県)
[得点経過]
1-0 21分37秒 栃木シティフットサルクラブ 5 クレオドン ジョセ ダ シルバ ネト
1-1 24分20秒 フェニックス横浜 2 持田良太
2-1 26分56秒 栃木シティフットサルクラブ 16 篠崎隆樹
2-2 27分32秒 フェニックス横浜 15 小野寺遼
2-3 31分08秒 フェニックス横浜 7 喜平聡 
2-4 32分05秒 フェニックス横浜 20 新部雅樹 
2-5 34分12秒 フェニックス横浜 2 持田良太 
3-5 34分42秒 栃木シティフットサルクラブ 16 篠崎隆樹
4-5 35分08秒 栃木シティフットサルクラブ オウンゴール
5-5 36分00秒 栃木シティフットサルクラブ 16 篠崎隆樹
(PK戦)1   2   3  4    5    6
栃木   ♯5⚪︎ ♯2⚪︎ ♯16⚪︎    ♯11⚪︎  ♯77⚪︎   ♯24×
横浜   ♯31⚪︎    ♯14⚪︎    ♯7⚪︎    ♯20⚪︎ ♯2⚪︎   ♯4⚪︎

 

今大会フィールド最年長のキャプテン

当サイトで未紹介のチームも含めると、今大会(第22回関東フットサルリーグ参入戦・入替戦)の参加数は全12チーム・161選手にのぼるが、その中で、フェニックス横浜の喜平聡(よしひら・さとし)は、フィールドプレーヤーで最年長の43歳。フットサルプレーヤーの高齢化が進む昨今だが、関東リーグ1部のカフリンガ東久留米からフェニックスに移籍してきた2017年に見た彼は、さすがに経験を生かしたバランサーという印象が強かった。ところが、それから2年、キャプテンマークを巻いて参入戦に臨んだ彼は衰えを見せるどころか、勝負どころで「ヒーローになりたかった!」と、3対2とする逆転ゴールを決めた。そればかりか、5-5から突入した運命のPK戦では相手ゴレイロの特徴を若い仲間に伝え、自らは、後攻のチームにあって外したら終わりの3人目に登場し、ゴール左をしっかり突いたキックでサドンデスへとつなげ、勝利をつかみとった。この試合の文句なしのヒーローにインタビューした!

 

それは後半11分過ぎ、自陣ペナルティサークル付近で栃木♯8関戸のドリブルをカットした瞬間から始まった。 

 

信じられないくらい無人のスペースをドリブルで駆け上がる。

 

相手10mライン付近での判断は相手フィクソとの勝負ではなくファーへのパスだった。

 

併走した逆サイドの仲間のリターンがゴレイロとフィクソの間を抜ける。

 

リターンパスを無人のゴールへきっちりとシュート、ウイニングランを始める。

 

40分間しっかり走れば絶対に負けない

Pivo! 今の率直な気持ちを。 

喜平 いやぁ、正直、ここを想定して、県リーグ優勝してからトーナメント表出て、栃木っていうのはある程度想定してやってきてたんで。で、まぁ、メンバーはメンバーだけど、絶対僕らには勝因があると、そこを信じて、ずっとそこを信じて取り組んできた結果だったんで。まぁ、率直にうれしいっす。

Pivo! その勝因というのは、具体的にどこか。

喜平 そうっすね、あの、名の知れたメンバーが栃木にはいますけど、まぁ、正直、僕もそうですけど、年齢行ってて。で、うちのチームは比較的若い選手がいて、40分間しっかり走れば絶対に負けないっていう自信はあったんで。体力的な部分とか、フィジカルコンタクトとか技術に関しては向こうのほうが上の部分はありますけど、でも、まぁ、走ること、そしてチームとして一丸で戦うこと、っていうことに関してはうちのほうが分があるなと思ったんで。僕はその部分では勝因があると思って、その辺は強気で臨んでました。

Pivo! 切り替えの早さという面でも、フェニックスらしさが随所に発揮された。

喜平 そうっすね。要は、1回戦(美少年倶楽部戦)に関しては、参入戦の入り方っていう部分ですごく緊張があったんですけど、でもそれをを経験したのが大きな要因かなと思います。昨日でみんな大会の雰囲気に馴染めて、で、勝って栃木っていうのが明確だったんで。あとはもう、やるしかないっていう部分だったんで。

で、僕らは去年2回戦PK戦で負けてたんで。1年1年ひとつずつ階段を上ってきてるなっていう部分で。ま、PKでここ(栃木戦)を乗り越えたっていうのが、すごく僕としてもそうですけど、フェニックスとしてもひとつ成長できたのかなと。ま、あと、次負けちゃったら意味なんで、次しっかりと勝って上に上がれるように、また、僕自身、関東リーグに戻れるようにやっていけたらいいかなと。ま、あと1週間しっかりとトレーニングしてそこに臨んでいきたいと思います。

スタンディングで回したら彼らはうまい

Q 5-2から立て続けにやられた。あの時間帯、タイムアウトもとったが、難しい局面をよく耐えた。

喜平 そうですね。どこまで行くんだろうなっていう部分はあったんですけど。僕自身、ケガしてる部分があったんで。ピッチに入れればもう少し落ち着かせることはできたんですけど、そこができなかったんで。外から見てるしか、コーチングするしかできなかったんですけど。ま、彼らはキャリアがあるんで。スタンディングで回してたら、やっぱうまいなと思って。逆に、よくあそこで、5-5でしっかり耐えてくれたなっていうのが正直な感想ですね。もう、それはチームのメンバーの頑張りに尽きるかなと思います。

Q 切り替えの部分の遅さであったり、後半がくっと落ちる、今日はパワープレーでごまかしてた部分はあったが、プロとはいえ、栃木につけ込むところは大きかったかなと思うが。

喜平 前半やってて、完全にうちのペースに相手がついてこれなくて。で、総力戦では向こうが走れなくて。で、簡単にピヴォに当てて、ピヴォが一枚勝負するのか、もう一枚来るのかぐらいだったんで。

で、うちが走る総力戦になったら負けない自信がすごくあったんで。ま、前半を0-0で終えたっていうのが僕らとしてまず勝因だったのかなと。0-0の状態で、後半バテた相手に対して、これ以上ギアを上げれば絶対勝てると思ったんで。やっぱ、そこで立て続けに点を獲れることができたんで。そこが大きかったのかなと。ま、あれだけの点差があったから、パワープレーで追いつかれましたけど、そこで耐えることができて。で、最後、神様のいたずらなのかどうなのか、PKで、キミたち乗り越えるんだったら(上に)行けるよっていうのか。それとも去年と一緒でPKでだめなんだよ、それが自分たちの実力だよっていうあれだったのかなって僕は思ってます。

Q こういうチームの出現というのはどうか。急にパッとお金があるチームが出てきて。注目を集めるから人が観に来たりするが。

喜平 まぁ、メンバーとか見てて、知ってるメンバーですけど、まじかと思ったんですけど、でも、関東大会とか、選手権の、話聞いたり映像観たりしてて、個人はうまいっすけど、チームとしてまとまってないねっていうのがあって。そういった部分はつけいるすきがあるのかなと。

初めはネームバリュー、名前負けがみんなあったんです、うちのチームも。栃木かぁー! って。ところが映像観たときに、行ける! っていうのがみんなの中で芽生えて。要は、僕らが走って、球際強く行けば相手は嫌がる。それでチームとして連動して走れば勝てるっていうのがチームの中で芽生え始めて。それがいい方向につながっていったっていうのが正直なところですね。

で、あと、昨日みたいな東京のチームが相手だと、蹴ってくるフットサルに付き合っちゃう部分で。ま、うちの子たちもネームバリューあるほうが燃えてくる、倒したい! っていう。ジャイアントキリングじゃないですけど。今日ここをたたけたのは次につながるんじゃないかなと思います。だから来週はまた、死ぬ気で、もうひとつギア上げて、なんとか上げて、笑って終わりたいなって思います。

相手キーパーが動かないことは選手たちにも伝えた

Pivo! フェニックスは、1対1を仕掛けて体のでかい外国人を中心に相手を完全にちぎってた。

喜平 ちぎりました(笑)。

Pivo! そのたびに自信が湧いてくるようなところがあった。

喜平 ありました、はい。なんか、前半マッチアップしたときに、そこで大体特徴つかんでたんで。嫌がるというか。そこで全部インターセプト狙ってたんで。ま、前半そんなに仕掛けて来なくて。だからこっちから仕掛けてやろうと思って。後半はそのまま2本奪ってそのままカウンター行って。

Pivo! 後半の中盤からフェニックスに疲れが見えて、シュート精度がかなり落ちた時間帯があった。カウンターを仕掛けるものの枠に飛ばないシーンが何回か続けてあった。

喜平 そうっすね(笑)。

Pivo! そこからパワープレーやられたんで余計に流れが悪かったところがあったかなと思って見ていたが。

喜平 そうですねー。あそこで、一本でもパワープレー返しとかで返せればよかったんですけど。

Pivo! 相手の篠崎選手にセグンドを制圧されたかのようだった。

喜平 そうですね、シノに3点ですか?

Pivo! オウンゴール挟んで3点。

喜平 それ悔しいっすね。でも、正直、シノはそういうとこうまいなと思いますね。

Q 喜平選手のカウンターのゴール、貴重な逆転ゴールだった。あれは8番から奪ってワンツーで抜け出して行って。よく走った。

喜平 いや、正直、43歳なんですよ、今年。で、この参入戦の前に、ここネンザしてんですよ。そこを考慮して時間帯少なめに出してくれたんで。ま、でも、やるときやらないと。

Pivo! しかし、あのカウンターは鮮やかだった。自陣右奥で奪って運んで、最後のディフェンスをワンツーでかわして、リターンをダイレクトシュート。

喜平 はい。やるしかないし、やっぱ、自分、ヒーローになりたかったんで(笑)。

Pivo! 最後のPK戦も3人目に登場してきっちり決めた。

喜平 キーパー、遠藤くんだったから。全然動かなかったんで。それは選手たちにも伝えられてたんで。動かないんで。速いのでコース狙ってけば絶対入るからって。

Q ドンピシャだった。

喜平 いやぁ、ほんとですね。

Q 全員決めたし。

喜平 そうっすね。ま、でも、今日インタビューじゃなくて、次勝って上がったインタビュー、されたいっすね。

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