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一番の目標は「強さ」と「美しさ」の追求! (シュートアニージャ 監督 小野直樹)[関東女子]

前半4分33秒、タパジーダのディフェンス3人を振り切ってシュートに行くアニージャ#17尾田。「尾田の球際の強さとシュート意識の高さ」(小野監督)が光ったシーンだった。

 

シュートアニージャはこれで2試合連続引き分けに終わったが、それでも首位を堅持。

 

タパジーダは、アニージャ同様に無敗で2位をキープ。

 

2020年11月28日  足立区総合スポーツセンター
(PHOTO、TEXT 山下浩正)

 

第11回関東女子フットサルリーグ2020 Powered by PENALTY 第8節
タパジーダ 1-1 シュートアニージャ
[得点経過]
0-1 04分33秒 シュートアニージャ #7 原田千聖
1-1 32分11秒 タパジーダ #31 城倉有希

 

冒頭画像の尾田のシュートはバーを直撃、こぼれをキャプテンの#7原田がスライディングで押し込んだ。「原田の瞬発力と決断力」(小野監督)が発揮されたゴールだった。

 

アニージャの先制ゴールが生まれる直前タパジーダの3人がボール奪取。#31城倉がブロックし#18がボールを運び#25がフォローに走る。見事な組織プレーだ。

 

アニージャゴール右奥へ攻め入ったタパジーダからボールを奪った#4小林がカウンターを仕掛ける。

 

#4→#6→#13→#4とつないだパスが。

 

#6を経て#17尾田へと届く。そして尾田がドリブルからシュート! カウンターのカウンターも見事だった。

 

ゴールを決めカウンターを完結させたキャプテンを取り囲む2ndセットのメンバー。

 

このゴールからハーフタイムを挟んで28分間、ゴールがないまま激しいボールの奪い合いが続いた。

 

「優勝のためには絶対に勝たなくてはいけない試合」

シュートアニージャとタパジーダの今シーズン第1ラウンドは、9月の「JFA第17回全日本女子フットサル選手権大会関東大会」。2回戦で相対した両者だったが2-1でタパジーダが勝っている。そして第2ラウンドは、11月28日の関東女子リーグ第8節。リーグ戦はこの後、首位のアニージャが1試合、第2位のタパジーダが2試合を残すのみという状況だけに勝者は限りなくリーグ優勝に近づくことになる。アニージャの小野監督は「優勝のためには絶対に勝たなくてはいけない試合」と言って臨んだ一戦だった。果たして結果は1-1のドロー。戦いの内幕を知るために当サイトが送った質問事項に、小野監督は、「相手のゾーンディフェンスに引っかからないようにトレーニングしてきた」とコメントするなど、率直な回答を寄せてくれた。

 

ハーフタイム、イーゼル風のスタンドに作戦ボードを立てて選手に指示を出す小野監督。

 

そして後半12分11秒、チョンドンからタパジーダが同点機を演出。#31城倉がゴールを決めた。

 

同点としたタパジーダを歓喜が包む。

 

リーグ優勝のためには勝利がほしいアニージャは5分30秒を残して#4小林をゴレイラにパワープレーに出る。

 

チャンスをつくり出すが決められず1-1のまま試合終了!

 

相手のゾーンを攻略するゲームを目指して

Pivo! 第8節を迎えるにあたってどんな心構えで、そして、どんなゲームプランで臨んだか。

小野 前節で引き分けたので、優勝のためには絶対に勝たなくてはいけない試合でした。全日本選手権関東大会ではいろいろな要素はあるものの、タパジーダのハーフゾーンの守備をあまり多く崩せなかったので、今回はハーフゾーンの守備を崩すために自分たちのプレーモデルの中でどのように振舞うか、をトレーニングの中心としました。

また相手はセットプレーからの得点も多いので、その守備についても確認をしました。

ただ今年のアニージャは大きく生まれ変わり、また初めて競技フットサルにチャレンジする選手もいる、いわば新生チームでもあるので、自分たちの目指すプレーモデルをより進化させて勝つということを全員で目指しました。

Pivo! 試合を通して、アニージャはゴレイラからのロングボールを何度か相手ゴール前へ放り込んでいた。これは練習段階からタッチラインが37mと小さめのピッチ対策として重点を占めた結果か。

小野 ここは認識の違うところで、相手はハーフラインに守備の1stラインを敷いてきたのでほとんどロングボールは投げてません。前半2回、後半2回だけです。コートが小さいことについてはカウンターが諸刃の剣になると話し、トランジションで勝とうという意識でした。

それよりもゲームプランとしては、しっかりパスの長短や縦、斜め、横、後ろと方向を変えながら相手のゾーンを攻略するゲームを目指し、そこについては前回の対戦から大きく進歩できたと思います。

Pivo! スタッツを見ると、総得点は首位のアニージャの24より2位のタパジーダは11少ない13。

一方、総失点はタパジーダのほうが1少ない5と、数字から見る限りタパジーダはディフェンスのチームであることがみてとれる。

この事実は戦術をオーガナイズするうえで重要な要素となったと思うが監督の思惑はどうだったか。

小野 一見、そのように思われがちですが、我々は常に攻撃的な姿勢でゲームをしていながらの失点数であり、ハーフに引いて守った結果とは数字だけでは比較できないと思います。ただし、タパジーダはGKを含めて守備の堅いチームであることは間違いないので、どのようなフィニッシュ展開やシュートが有効かも含めてトレーニングしてきました。我々も失点するとしても1点か2点と考えていたので、それよりも多く、ゴールを奪うことを一番に狙っていこうと思っていましたし、そのためには展開の中で相手のゾーンを破ることがまずは重要ととらえていました。

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