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久保憲司のロック・エンサイクロペディア

ロックって元々弱いものや、負け犬の音楽なんです ・・・Ezra Furman『PERPETUAL MOTION PEOPLEOUTFIT 』, OUTFIT『SLOWNESS』 <無料>

 

 

クボケンのロック・ヘッドハンターというコラムです。このコラムでは毎週僕のお気に入りの意気のいい新しいアーティストを紹介していきます。

 

Ezra Furman 『PERPETUAL MOTION PEOPLEOUTFIT 』

 

 

パーペチュアル・モーション・ピープル エズラ・ファーマン・アンド・ザ・ハープーンズで3枚、ソロ・アルバムで2枚と2007年くらいから精力的に活動してきたエズラ・ファーマンですが、この3枚目のソロ・アルバムパーペチュアル・モーション・ピープルで完全に化けた。なぜ化けたかというと、女装しだしたからだ。そんなバカなと思うかもしれなきけど、吹っ切れたんだろう。前作のアルバムタイトルが『ディ・オブ・ザ・ドッグ』で一曲目が「I Wanna Destroy Myself」ですよ。完全に悩みまくっていたわけです。しかもユダヤ人ですよ。お前はウッディ・アレンかという曲目に爆笑です。海外では前作『DAY OF THE DOG』から話題です。

DAY OF THE DOG でも、僕は『パーペチュアル・モーション・ピープル』から勧めます。どこか懐かしいポップスを今風にした感じがおしゃれです。ジョナサン・リッチマンのザ・モダーン・ラバーズが現代に復活したような感じが最高です。ぼくはサム・スミスよりもエズラ・ファーマンを押します。

ロックって元々弱いものや、負け犬の音楽なんです。エズラ・ファーマンはまさにそんな感じ、負け犬だって、楽しく踊るぞ、そして、スクエアな奴らに勝つぞと。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティとビフの関係性ですよ。
レトロなOLさんのような服装をしたジャケットも可愛い。エズラ・ファーマン絶対日本でも話題になっていくこと間違いなしのアーティストです。要注目!

 

 

OUTFIT 『SLOWNESS』

 

 

Slowness ライドのようなジャケットがダサいですけど、音はいいです。

しかし、今はどのアーティストもジャケットが今ひとつですな。昔はお金がなくってもジャケットのセンスはよかったのに。昔よりももっとお金がないということでしょうか、

それとも今のアーティストは発表の場がたくさんあって、オワコンであるダサい音楽業界になんか関わりたくないっていうことでしょうか。

ジャケットのチープさだけじゃなく、今のアーティストの作品がデモ・テープみたいな感じなのもどうかなと思います。

昔はインディがメジャーに行く前の音の方がナマな感じが好きだったんですけど、ジョン・ピール・セッションを聞いて喜んでいた感じです。レコードの時よりも尖っていていい感じのことが多々あったのですよ。ヒューマン・リーグエコー&ザ・バニーメンなどはジョン・ピール・セッションの方が断然いいですよ。

マスタリングに金をかけられない、アビーロードやエアースタジオみたいにスタジオ独特な音を持つスタジオで予算がないから録音出来ない。プロデューサーにお金を上げれないので、自分らでやるしかないなど、いろいろな理由があるのでしょうが、ちょっと残念です。

メジャーに行く前のインディの音が好きと書きましたが、メジャーが売れるために売れ線に変えていた音とかもけっこう好きなんですよね。フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドとか。そういう音がもう出てこないのかなと思うと残念です。

おっと、話がアウトフィットからずれました。アウトフィットはリバプールのバンドで今作が2枚目、エズラ・ファーマンと同じように2作目で化けましたね。

システムズ・オブ・ロマンス 昔はどのアーティストもデビュー・アルバムがかっこよかったんですけど、2枚目とか、3枚目で化けるのがこの頃の特徴でもあります。

うん、そうでもないか、XTCエルヴィス・コステロも2作目の方がいいか、ウルトラボックスなんか3枚目でいい感じになったな。

また、アウトフィットから話がずれていきました。アウトフィットはスクリッティ・ポリッティな感じがいいですね。スクリッティ・ポリティのグリーンのようなどこなスィートなヴォーカルがいいす。ポスト・パンクじゃなく、打ち込みの頃のスクリッティ・ポリッティですね。

Cupid & Psyche 85 しかし、スクリッティ・ポリッティってかっこいい名前ですね。イタリアの思想家、後のカルチャラル・スタディーズに多大な影響を与えたアントニオ・グラムシの著書からですよ。スクリッティ・ポリッティの面々は共同生活を送りながら、スピードをやって一睡もせず、メンバーじゃない人も巻き込んで毎日討論会をしていたとんでもないバンドです。それであんなスィートな曲を作っていたから爆笑です。そんでグリーンはシャブ中よろしく誰も信用出来なくなって、一人で打ち込みやって、あのヒット曲を作るんだから不思議です。まさに思想家のような天才。

アウトフィットの話に戻しましょう。アウトフィットは犯罪者が多いリバプールのバンド。リバプールにこんなスィートの人たちがいるとは。

リバプールに犯罪者が多いってびっくりするでしょう。マンチェスターがガラが悪いというのは日本でもだんだんと知れ渡ってきましたが、イギリスで一番ガラが悪い場所は実はリバプールなんです。ストーンズが不良で、ビートルズはお坊っちゃまバンドというイメージがありますが、ちゃんちゃら可笑しいです。ストーンズがビートルズにあった時に、ビートルズの不良ぶりにびっくらこいたのは有名な話です。そういう不良だったからドラッグにも寛容で、カウンター・カルチャーの先導者になれたのでしょう。いつの時代もお坊っちゃまよりも不良の方が先端を行くのです。

イギリス・ツアーをバスでするとき、リバプールに着くと運転手からこういう伝令が流れます。「今日はリバプールだから、バスの中には荷物を置かないように」と、本当に盗難とか多いんですよ。イギリスの酒屋さんは日本と同じ感じなんですが、リバプールだけが、アメリカみたいに、酒は檻の中に入っていたりします。イギリスでリバプールだけが独特なんですよ。リバプールにコメディアンが多いのも特徴です。ビートルズが人気物だったのは記者会見での彼らの笑いのセンスによるところも多いんですよね。アメリカ人とかびっくりしたみたいですね。なんじゃこのおもろい奴らはと。アウトフィットも音は切なく綺麗だけど、きっとそんなバンドだと思います。外出着というバンド名はどうかと思うけど。

 

 

 

今回は連載開始ということでリリースからすこし時間が経ってしまったアーティストを紹介させてもらいました。でもまだあんまり日本で紹介されていないので、選んでみました。なんかこの頃、洋楽のアーティストって、ピックアップされにくいですね。この連載では毎週洋楽のおもしろそうなアーティストをピックアップしていきますので、よろしくお願いします。

 

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