久保憲司のロック・エンサイクロペディア

アデルの陰で忘れ去られた女性シンガー達 ・・・ダフィー、リリー・アレン、エイミー・ワインハウス [今週のヘッドハンダー] (久保憲司)

 

Endlessly

 

みなさん、ダフィーのこと覚えてますか?

 

「ロック、本当はこんなこと歌っているんですよ」のアデルの「ハロー」の回が好評だったので、今週のヘッドハンターはアデルの陰で忘れ去られた女性シンガー特集でいきたいと思います。忘れ去られたというか、アデルに全部持っていかれたという感じですかね。

ビートルズの時はストーンズピストルズの時はクラッシュという感じで対抗馬がうまく成長していきますが、ソロ・シンガーの場合はなぜかそういう感じにうまくなっていかないですね。何でなんでしょうね。

ビートルズとストーンズ、ピストルズとクラッシュの場合はマネジャーとその元アシスタントとの戦いでもありました。ビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインのアシスタントをやっていたアンドリュー・オールダムがストーンズのマネジャーになって、ピストルズのマネジャー、マルコム・マクラーレンのアシスタントだったバーニー・ローズがクラッシュのマネジャーになるという下克上のような関係はロックからパンクと時代は変わっても受け継がれますが、アイドルというかポップの世界はロックの世界より冷酷非情でヤクザな世界のような気がします。窓から放り投げられる感じですよね。

アデルが出てきた時、実は、僕はアデルよりダフィー派だったんです。アデルよりダフィーの方が売れるだろうと思ってました。パッと見て、「うわっダスティ・スプリングフィールドの再来か」と思いましたもん。マネジャーもラフ・トレード一派元パブリック・イメージ・リミテッドのメンバーでジョン・ライドンの参謀ジャネット・リーです。ラフ・トレード、ジェフ・トラビスの片腕ですよ。プロデューサーは元スウェードバーナード・バトラーです。これはあんまりすごくないか、ポール・エプワーズの方がすごいか。アデルの「ローリング・イン・ザ・ディープ」の音とかやばいす。これはユーチューブじゃなく、iTunesで落として、大音量で聴いてもらいたいす。

ところでみなさん大音量で聴きたい時はどうしてます?僕は車で聴いてます。カーステレオなんかでいいのかと不安だったのですが、あの音にうるさいはずのニール・ヤングも「音楽は車の中でしか聴かない」と言っていたので、今はこれでいいんだと思ってやっております。

昔、バンドの録音に付き合っていた時、音が完成したら、みんなそのテープを持って車でドライブしながら確認していたんですが、その時もこんなんでいいんかと思っていたんですが、いいんでしょうね。

今はみんなどうしてんですかね。iPhoneに入れて、「この車、ブルートゥースの接続どうすんだとか」「この車、ブルートゥース、出来ひんやん、お前、コード持っているか?」とかいいながらやっているんでしょうか。

話がダフィーから離れていってしまった。みなさん、ダフィーのこと覚えてますか?

 

 

かっこいいすよね。バックにノーザン・ソウルなダンサーが踊っているのかっこいいすね。僕がノーザン・ソウルのダンスを知ったのは82年くらいで、その頃はあんまり79年頃のノーザン・ソウルが一番盛り上がっていた頃のキレのいい踊りを出来る人があまりいなかったのですが、この頃のノーザン・ソウルのダンサーは本当にかっこいいすね。

おっと話がダフィーから離れていきますね。次に行きましょう。

 

リッチな感じがマイナスだったのかも・・・リリー・アレン

 

僕が一番好きだった女性シンガーと言えばリリー・アレンです。今のイギリスの女性シンガーの中で一番最初に売れたのはこの人だったんですよね。

イギリス的な皮肉な笑いの歌がいいんです。

 

 

一番売れた曲が「スマイル」って曲で。他に彼女が出来たからと捨てられた彼氏が「やっぱりお前のことが好きだ、もう一度よりを戻してくれ」と泣いているのを見るとおもわずスマイルしちゃうという歌です。このビッチな感じがイギリスの女性らしくって、僕は大好きです。ビッチって感じだけじゃなく曲調もちょっと悲しげで、吹っ切れるまで時間がかかったと出だしに歌われるんですが。

ルックスも典型的イギリス人女性みたいで僕は大好きです。

ノッティングヒルの恋人 [DVD] アルバムが一枚ドーンと売れてその後苦戦するのは、彼女ちょっとリッチな感じがするからじゃないですかね。

彼女のお父さんはイギリスの有名なコメディアンで、お母さんは映画関係の人で、業界ぽいというか、ロンドンのノッティングヒルの金持ちの感じなんですよね。リリー・アレンはハマースミスの出身ですけど。

映画「ノッティングヒルの恋人」もあって、ノッティングヒルはイメージよさそうですけど、実はあのエリアって金持ちが多いんですよ。元々は暴動とかもあって、そんないいエリアじゃないんですけど、60年代からアーティストが住みだしていて、そのアーティストの子供達というのがなんとなく金持ちなんですよ。僕も友達にそういうのがたくさんいるんですけど、そんな友達とリリー・アレンが似ているんですよね。僕の友達とリリー・アレン普通に繋がってますし。もしリリー・アレンがアデルみたいに貧しい家の子だったら、もっと売れていたと思います。

ノッテンィングヒルのボヘミイアンで金持ちな感じを楽しみたかったら、ポートベロー・ホテルとかに泊まるのお勧めしますよ。昔、ミック・ジャガーとかがラブ・ホテルがわりに使っていたホテルです。部屋の中にお風呂あったりして笑いますよ。

日本のスパイダースが初めてロンドンに行った時に箔をつけるために泊まったのもこのホテルです。

5、6万しますが(4万の部屋とかは狭いと思います)、一度ロンドンの伝説のロック・ホテルに泊まってみるのはどうでしょうか?

 

本当の詩人、エイミー・ワインハウス

 

リリー・アレンを庶民的にしたのがエイミー・ワインハウスです。もし、エイミーが亡くなっていなかったら、今のアデルの位置にいるのが、エイミー・ワインハウスだと思います。

僕はアデルより本当の詩人だと思います。

エイミー・ワインハウスで一番売れた「リハブ」という曲なんか、自分のドラッグ中毒を治すのに施設に入ったことを歌にしただけです。

 

 

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