久保憲司のロック・エンサイクロペディア

アーケイド・ファイア「ウェイク・アップ」 ・・・政治と音楽を混ぜるなとか上から目線でつぶやいて、若い子たちの邪魔をしていても仕方ない (久保憲司)

Funeral

音楽に政治を混ぜるなとネットで書いている人はキモい50歳くらいのオッサンのような気がする。

ロキノンが…と言っている人も、同じだと思う。要するに僕の世代の奴である。僕より少し上の世代かな。キング・クリムゾンがとか言っている人らである。

ネトウヨでヨーゲンというヘイトを撒き散らす痛いオッサンがいたんだけど、そいつは自分のことを30歳後半の設定で、つぶやいていた。どういう設定だか忘れたけど、受験に失敗したけれど、コンピューターに強かったので、ITで儲けた。というような設定だったと思う。この人は住所がばれて、ジャーナリストの安田浩一さんが取材に行くと57歳の頭の禿げた太ったオッサンだった。テッド・ニュージェンとが好きと言っていたから、これはどう考えても俺と同世代か、それより上と思ってたら、ドンズバだった。

こういう人たちです。

30代、40代の人たちの音楽であるオアシスとかニルヴァーナは普通に政治的でした。オアシスが政治的???という声が聞こえてきそうですけど、オアシスのドラッグ問題とか、ニルヴァーナ、カート・コバーンの自殺は完全に政治でしょう。そういう音楽を30代、40代の人たちはリアルに体験しているんです。フジロックも政治です。フジロックに行ったことのある人は絶対、この意味分かっていると思います。こういうのをリアルに伝えてきたのが、ロッキング・オンやクロスビートです。オアシス、ドラッグやっているから嫌とか、カート・コバーン、死を選んだからアホやとか、誰も言ってきてないです。30代、40代の人たちはちゃんと音楽と政治について理解してます。

ロッキング・オンが自分語りをしていたのって、70年代から80年代半ばまで、40年とか30年以上前の話です。ロッキング・オンが自分語りと思うのはオッサン、オバハンですよ。

20代の人らは、まだよく分からないというのが正直な感想だと思います。

貧乏人の逆襲!【増補版】 ――タダで生きる方法 (ちくま文庫)50歳以上60歳未満の人が何でそんなこと言うかというと、多分政治で痛い目にあった人かなと思うんです。この人たちが田舎から出てきて、大学に行った頃って、まだ学生運動の生き残りが元気で、勧誘されて、資金集めのために路上で鶴折らされ、資金集めさせられていたのかなと。それで、夢破れて、田舎に帰った人たちなのかなと。 彼らより下の世代である素人の乱の松本哉さんとかになると学生運動をパロディ化出来たんでしょうけど。

僕ら50代の世代って、学生運動がまだリアルでした。リザードっていう日本のパンク、ニュー・ウェイブをリードしたバンドがいったんですけど、「三里塚闘争支援街頭GIG」なんてのを渋谷ハチ公前でやってました。リザードの他にスターリン、白竜、ゼルダなんかが出てました。1980年10月18日 俺16歳です。むちゃくちゃかっこいいと思ってました。今から考えるとこれって、イギリスのCNDという反核団体がロンドンでデモした時にトラフェルガー広場で、ザ・ポップ・グループとキリング・ジョークでライブをしたんですけど、その再現だったのかなと。その時の写真が一枚だけ日本に入ってきてたんですけど、それが異常にカッコよかったんで、みんな興奮してたんですよ。なんかロンドンですごいことが起こっているみたいな。

今から考えるとロック・バンドが80年に三里塚と関わるなんて危険なことです。CNDみたいな強力な動きをもっていくなんて不可能です。あかん選択です。

この4年後アトミック・カフェという団体が反核のコンサートをやっていくんですけど、こちらの方が正しいです。尾崎豊が初ライブして、スピーカーから飛び降りて、骨を折りながらも最後まで歌ったという伝説のステージがあったイベントです。アトミック・カフェという名前で気づかれたかと思いますが、そうです、あのフジロック内にあるアトミック・カフェです。そして、このアトミック・カフェを仕切っているのが元ロッキング・オンの大久保清志さんです。アトミック・カフェのコンサート制作をしていたのがフジロックのスマッシュです。みんな繋がっているんです。

 

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tags: Arcade Fire LIZARD Nirvana Oasis 松本哉

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