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久保憲司のロック・エンサイクロペディア

久保健司の2016年ベスト10

 

 

僕の2016年のベスト10です。

 

[1位]

[今週のヘッドハンター]でも紹介したアノーニ『ホープレスネス

閉鎖感ある今の世界を音で表しているとしたらこれでしょう。オバマの元に毎週火曜日の朝に届けられる殺人リスト、その中から一番危険な人物をオバマはドローンで殺す命令を出している。世界をテロの恐怖から救うには一番の方法なのかもしれないが、なんとも言えない気持ちになる。そんなことを歌っている「オバマ」、そして、この曲名は今は「トランプ」となった。大丈夫か。

 


[2位]

フランク・オーシャン『ブロンド』

こちらも[今週のヘッドハンター]で紹介した通りですが、選んだ理由はアノーニと一緒です。売れても変わらない『チャンネル・オレンジ』の時と一緒、アメリカの映画に出てくるガラス張りの高級な家で、一人寂しくTVゲームをしている感じ、そして、その家の隅っこには血だらけの死体が転がっているみたいな。どうしていいかわからない現在の空虚さを歌っています。フランク・オーシャンは今一番のR&Bシンガーです。

 


[3位]

3位はチャンス・ザ・ラッパー、こちらも[今週のヘッドハンター]を読んでもらうとわかると思いますが、アノーニ、フランク・オーシャンに比べると少し陽気になれます。

アノーニ、フランク・オーシャンが都会の気だるさ、やるせなさだとしたら、チャンス・ザ・ラッパーにはまだアメリカの田舎の救いみたいなものがあるような気がします。チャンス・ザ・ラッパーはシカゴの出身なんで、そんなに田舎じゃないんですが、コミュニティの楽しさみたいなものが彼にはあります。

 


[4位]

ビヨンセ 『レモネード』

こちらも[今週のヘッドハンター]を参照してもらいたいんですが、アノーニ、フランク・オーシャン、チャンス・ザ・ラッパーと聴き比べるとなんか空元気のような気がしてしまいます。2016年こんなに暗いアルバムばっかりで大丈夫ですかね。1974年みたいな感じで消化、デヴィッド・ボウイ『ダイヤモンドの犬』ルー・リード『ベルリン』(これ73年ですが)トム・ウェイツ『土曜日の夜』。フラワー・ムーブメントも完全に終わり、もう一回ロックだぜとブギウギしたグラムもただのポップスとなってしまった頃の感じ、イギリスもアメリカもロックの幻想に敗れ、パブやクラブから、一からやりなおさないといけないと思っていた頃の感じ、そろそろロックンロールが復活するんでしょうか?それとも今の若い子はもうそんなの求めてないんでしょうか。


 

[5位]

Mitski 『ピューバティー2』

 日本生まれのアメリカと日本のハーフであるミツキ・ミヤワキのソロ・プロジェクト。ピクシーズな感じを今の感じでやっているのがいい。ロックはちょっと元気になってきたのかなと予感させてくれるアルバム。

 ファースト・アルバムは『Lush』というタイトルだったし、ピクシーズやスローイング・ミュージズなどのアメリカのバンドだけじゃなく、イギリスのラッシュやPJハーヴェイなども好きだったのでしょうか。ラッシュも日本人とハンガリー人のミキちゃんがヴォーカルでしたね。

 

 

 

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