久保憲司のロック・エンサイクロペディア

バッファロー・スプリングフィールド “For What It’s Worth” はベトナム反戦の歌と考えられているんですが、本当はサンセット・ストリップ暴動のことを歌ってます

 

はっぴいえんどが凄いなと思うのは、あの時点(1969年)でバッファロー・スプリングフィールドが最高のロックンロール・バンドだと気づいていたセンスの良さです。

とはいえバッファロー・スプリングフィールドが頂点だったのは1966年なので、3年間のズレがあるわけですが、それが当時の日本の限界だったのでしょう。

バッファロー・スプリングフィールドみたいなのをやりたいなとスタートしたレッド・ツェッペリンは、その頃にはハードロックというジャンルを完成させ、ロックの王様になろうとしていた。のちにヘヴィメタとしてバカにされるジャンルですが。僕が本題から離れた前振りを書いているのはツェッペリンはそんなバンドじゃない、バッファロー・スプリングフィールドはのちに大物アーティストを生んだだけじゃない、すごいバンドだったということを言いたいからです。

でもその頃の日本といえば、みんなビートルズが一番と思っていたのに、堂々と「ビートルズとかダサい)、バッファロー・スプリングフィールドとかがかっこいいよね」という細野さんの発言は本当にかっこよかったと思う。

でも大半の日本人はそんなかっこいいセンスを持ち合わせていず、みんなオフコースやチューリップを聴いていたりするのです。ニュー・ミュージックと呼ばれたオフコースやチューリップがやろうとしていたことはビートルズから五百万光年も離れているから。ロックじゃなくなっていったわけです。

とはいえ、日本人でバッファロー・スプリングフィールドを観た人なんか誰もいず、その凄さは誰も分からない。

唯一、バッファロー・スプリングフィールドが凄かったであろうという証拠はレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジがお手本にしようとしていたバンドということです。えー最強のハード・ロック・バンドとウェスト・コーストを代表するバンドに何の共通点があるのとみなさん思われるでしょうが、後期ヤードバーズでジミー・ペイジが考えたのは彼とジェフ・ベックのツィン・ギターというアイデア、その元ネタがバッファロー・スプリングフィールドなんです。

ツィン・ギターなんて言葉にグッとくる人なんて50歳以上のオッサンだと思います。誰もツィン・ギターに興味なんかないでしょう。でも昔はツイン・ギターというだけで「スゲェ」と思っていたのです。バカでしょう。そりゃビートルズもストーンズもヤードバーズもギターが二人いました。でも、その役割はコードを弾く人とリードを弾く人に分かれていた。それを両方リードやったらすごくないと思ったのがバッファロー・スプリングフィールドであり、ジミー・ペイジなのです。

ジミーが言うには「右から俺のリード・ギターが聞こえてきて、左からジェフ・ベックのリードが聞こえてきて、それがハモったり、一緒のフレーズを弾いたりしたらすごいと思ったんだ。」

ほとんどの人が頭の上にビッグ・クエッション・マークが浮かんでいると思いますが、そうなんです、この頃はPAというものがなかったのです、ギター・アップからしか音が出てなかったのです。ジミー・ペイジは人力ステレオをやろうとしたのです。それをやれば俺たちロックの頂点に行けると思ったのです。

 

 

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tags: Buffalo Springfield Chuck Berry Led Zeppelin Neil Young The Yardbirds はっぴいえんど

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