久保憲司のロック・エンサイクロペディア

小室哲哉「CAN YOU CELEBRATE?」 レイブ・ミュージックに歌える音楽を足せば日本で絶対売れる音楽が生まれると考えた小室哲哉。けれど僕は敵だと思ってました (久保憲司)

 

小室さんの不倫、引退騒動、可哀想という意見がほとんどだが、どうも皆さん、小室さんの引退の真意を分かっていないみたいなので、書いてみたい。

小室さんは記者会見を「言動が支離滅裂になってしまうのは申し訳ないので、昨晩、自分で文章を作ってきましたので、少しずつ目を通しながら話させていただきます」と始められたが、何が引退の原因なのかうまく説明出来ていない。

小室さんが言いたかったことを要約すると、職業作家の自分を支えてきてくれたのはKEIKOさんだが、KEIKOさんが病気になって、「ピアノのフレーズをちょっと弾いても、30秒も聞くのがもたないくらいの妻、奥さん。というところの環境で、そんなところで非常に依存が、彼女(A子さん)のほうに強くなってしまいました。」要するに自分の作っている音楽がいい音楽かどうなのかという判断をA子さんにゆだねていたということ。

A子さんがKEIKOさんと同じくらい音楽的な才能があったというわけでなく、アーティストというのはそういう存在が必要ということなのだ。

「何甘えているんだ、そんなの自分と向き合えよ」「ファンがいるだろ、ファンに訊けよ」「レコード会社の担当の奴がいるだろ」という声が聞こえてきそうだ。もちろん、そうやって音楽が作れる人もいるけど、アーティストというのは、どこかKEIKOさんやA子さんのような存在が必要なのだ。

KEIKOさんやA子さんのことをどういう言葉で表したらいいだろう、多分一番近い言葉は子供の時の母親のような存在だと思う。ある人はそんなものを見つけられなくって、ドラッグに走ったりするのかもしれない。キリスト教だったら、マリア様とかそんな存在でしょう。女神とかね。ユーミンだったら、深夜のファミレスで喋る女性の声だったりするのかもしれない。桑田さんだったら、原さんでしょう。ジョン・レノンだったら、ヨーコさん。ポールだったらリンダ。ミック・ジャガーはそんな人いなくっても、自分と向き合えるのでしょう。ミックとキースがそういう関係だった時、誰よりもいい音楽を作ってました。ポールもジョンとの関係がうまく言っている時、ポールもジョンも最強でした。ポールも多分別にリンダさんなしで、ミックくらいのことは出来るでしょう。

小室さんにとってそういう存在がKEIKOさんだったのだ。そして、A子さんになったのでしょう。でも、結婚している小室さんにとって、A子さんのような存在は社会的に許されないものだから、こうして、見つかってしまったら、もう音楽を辞めるしかないという結論になったのだと思います。きっとA子さんと別れても、また他の人にそういう存在を見つけてしまう。そうするとまた叩かれる、じゃもう辞めようということになったのでしょう。

もしくはKEIKOさんが昔のように戻ることを待つしかないと思ったのでしょう。「KEIKOさんがよくなるまで音楽活動を辞めます」と言ってもよかったのかもしれないが、KEIKOさんが小室さんの言っていることを理解してしまうと、KEIKOさんの負担になるかもしれないので、小室さんはKEIKOさんがよくなるまで音楽活動を辞めますとは言わなかったのだろう。

 

 

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tags: Kylie Minogue 小室哲哉 石野卓球 電気グルーヴ

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