久保憲司のロック・エンサイクロペディア

ニール・ヤング「ヘイ・ヘイ・マイ・マイ」 ・・・ カート・コバーンがピストル自殺する時の遺書に選んだのがよくわかる歌

 

パンクの世代にとって、ニール・ヤング、CSN&Yは一番の敵だった。もちろん、パンクになる前(パンクになるというのも変な話ですが)は『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』とか『ハーヴェスト』は先輩や音楽雑誌から名盤として教えられて、絶対聴かなければならないアルバムだったので、よくわからないけど、2500円を払って、聴いていたアルバムです。ロック名盤100とかに入っていて、1500円で買えたような気もしますが、ちょっと覚えてないです。

で、なんじゃこのなよなよしたのはと思っていたわけです。

 

 

今聴くと、全然、なよなよしてないんです。むちゃくちゃロックです。印象って、怖いですね。『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』『ハーヴェスト』にはこの曲は入ってないんですけど。

 

 

入っているのは上の曲なんですけど。で、なよなよしてるなと思っていたわけです。こういう曲がアシッド・ハウスの頃にはすごいダンス・ミュージックになるので、何も僕は分かっていなかったわけです。この曲がビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」「ストロベリー・フィールド・フォーエバー」みたいにドラッギーで、素晴らしいメロディだということを気づいていなかったのです。

 

 

パンクになった途端、ニール・ヤングのレコードは捨てなければならないことになったわけです。ポール・トーマス・アンダーソンの映画「インヒアレント・ヴァイス」の主人公がニール・ヤングそのものののように、ボブ・ディランではなくニール・ヤングがヒッピーの象徴だったわけです。農場買ったりした彼を、このクソヒッピーがと思っていたわけです。

 

 

ヒッピーの親玉みたいなニール・ヤングなのに、突然セックス・ピストルズのジョニー・ロットンに「ヘイ・ヘイ・マイ・マイ(イントゥ・ザ・ブルー)」という賛歌を送って、その本人に「ビニールの無駄」と言われてしまうような、ダサい人だと思っていたのです。

もちろんレコードは捨てずに売ったんですけど。あの頃(79年頃、すごいですよね、38年前ですよ)レコード一枚売って何ぼになったのか全然覚えてないんです。あの頃は一体いくらで買ってくれてたんでしょう。2500円で買った新品のレコードは700円くらいで買ってくれて、中古屋さんは1300円から1500円くらいで売っていたような気がします。

そうやってニール・ヤングのレコードは売っぱらったんですけど、ダイナソーJR、ニルヴァーナが登場して、「エッーーニール・ヤングってこんなにカッコよかったの」と気づかされ、CDになってましたけど、買い直すわけです。

「ヘイ・ヘイ・マイ・マイ(イントゥ・ザ・ブルー)」という歌なんですけど、ジョニー・ロットンを賛歌する歌じゃなかったです。新しいロック・スターへの忠告の歌だったのです。当時の評論家の人は英語が全くだめだったんですか?大学出てたら、これくらいの英語は理解出来ると思うのですが。

 

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tags: CSN&Y kurt Cobain Neil Young

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