久保憲司のロック・エンサイクロペディア

KLF『ホワイト・ルーム』 「もしあなたがバンドのメンバーなら、今すぐやめなさい」

 

KLFの伝記『ハウス・ミュージック伝説のユニットはなぜ100万ポンドを燃やすにいたったのか』を読んで笑ってしまいました。

元パンクなKLFの二人、ビル・ドラモンドとジミー・コーティが1億5千万くらい燃やすことは当たり前だろと思ってたのですが、本を読んでいるとどうもこの二人がイルミナティなどの秘密結社のことを信じているんじゃないかと思えてきたのです。

どういうことかというと、たくさんのN01ヒットをもらう変わりに悪魔と取引して、その代償に魂を取られるという契約をした、その契約を反故にするために1億5千万燃やした。悪魔から「1億5千万燃やしたら許したるわ」と言われた。そんなバカな。でもYouTubeで当時のニュース見てたら、ビル・ドラモンド切羽詰まった顔で色々と喋っているのです。これはお金を燃やしたから政府から訴えられるんじゃないかとビッビッていたような気もするんですけど。

100万ポンド燃やしたと言っても全部は燃やしていないと思ってたんですけど、映像を見る限り、100万ポンドくらいは燃やしてそうです。百万ポンドは50ポンド札にして20000枚、一枚づつ燃やして行ったんですが、1秒に1枚燃やしたとして、1分で60枚、1時間で3600枚、二人でやってたんで、1時間で7200枚、50万ポンドは燃やしたのではないかと、残りの50万ポンドは税務署から何か言われた時の税金用に置いていたのではと思っているのですがどうでしょう。

こんな細かいことを計算していても面白くないですね、現代のクロスロード話として話をおいておく方が面白いです。しかし、KLFは『MANUAL- How to Have a Number One Hit the Easy Way』というどうやったらNO1になれるかNOマニュアル本を出しているんですよ。

僕はどうせギャグだろうと読まなかったのですが、『ハウス・ミュージック伝説のユニットはなぜ100万ポンドを燃やすにいたったのか』の中で、クラクソンズが「この本を読んでその通りにやったらマーキュリー・プライズを取れた」と言っていたので、僕も読む気になりまして、買おうと思ったら中古本で82ポンド、1万2千3百円です。1億5千万以上にびっくらこきました。1万2千3百円払って、僕もマーキュリー・プライズを取るべきか悩みましたが、KLFは「Kopyright Liberation Front」(著作権解放戦線)です、ネット上にあるだろうと思ったら、ありました。

読んだ感想を率直に言います。KLFの言う通りにやるとNO1になれます。NO1になる方法、一言で言いいますと、いいスタジオといいプログラマーといいキーボーディストを予約しろです。そうなんですよ、これ今も一緒です。AKB48とかそういう人たちがやっていることはこれなんです。中田ヤスタカに電話して、やってもらえることになればN01になれるんです。今の時代はスタジオとかいらないです。中田さんが自分のいいスタジオ持ってますから、もしくは中田さんのラップトップ借りれたら一位になれる可能性は大です。

じゃ、なぜ地下アイドルの皆さんが一位になれないのか。そのこともこの本にはちゃんと書いてあります。スタジオを借りろと言う前に書いてあります。どう書いてあるかと言うと、

 

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