久保憲司のロック・エンサイクロペディア

レディオヘッド『OK コンピューター』・・・ゼロ年代を代表するレディオヘッドの『OK コンピューター』を全曲解説(後編)

前編よりつづく

 

『OK コンピューター』の全曲解説どうでしょうか?続いて、後編にいってみたいと思います

 

  1. 「カーマ・ポリス」

「カーマ・ポリス」なんて言葉を聴くと、ウイリアム・バロウズの「ノヴァ・ポリス」を思い出してしまう。ザッパだとブレイン・ポリスですね。『OK コンピューター』はバロウズ的です。60、70、90年代はバロウズ的なものが重要だったと思います。

80年代も『ブレード・ランナー』で、バロウズ的な時代だったかもしれませんが、ちょっと80年代のバロウズはバブルだったからか、バロウズっぽくなかったような気がします。

時代は00年、10年代とバロウズからジョージ・オーウェルに変わってきたような気がします。『OK コンピューター』以降のレディオヘッドの変化もまさにこれだと思うのです。

「今は、もう不思議ちゃんなんかいらんねん、俺たち完全に支配されているねん、何とかしなあかんねん」という感じなんでしょう。

バロウズは不思議ちゃんじゃなかったですけど。日本のバロウズ好きはなんか、バロウズをミステリアスなものにしようとしてました。本当のバロウズは「お前、オカマを差別するのか、ぶっ殺してやる。情報戦争だ」とブツクサ言いながら、バンカーという隠れ家に篭って、銃やナイフを整備しながら、気持ちだけは武装闘争やる気まんまんの人でした。全て用意していて、踏みとどまっていたのは偉いと思います。といいつつ嫁さんをウィリアム・テルごっこでぶち殺してますけど。そんなことほんまにやるか、空砲だと思ってたのか、空砲でも目が潰れたりするんですけど、銃弾を一個も入れてないと勘違いしてたのか、一体何だったんでしょう。

バロウズは武装闘争の人と書きましたが基本「クソジジイたちにはマリファナ吸わして、そっとして置いてくれ」という人であり、79年頃、スロッピング・グリッスルからお声がかかるようになって復活してからは、周りからヘロインをもらうようになって、「後半はあんまり仕事しなくなった」と、彼氏&秘書の人が嘆いているような人でした。

「カーマ・ポリス」とはツアー中、バカなことをしている奴がいると、あいつは「カーマ・ポリス(カルマのせい)」に捕まる”というフレーズから来ています。

“カーマ・ポリス

あいつを捕まえて”

こんな感じで訳すと、「ペッパー警部」みたいですね。

“カーマ・ポリス

あいつを捕まえろ

あいつは計算高い

あいつは夜中の冷蔵庫のような音を出す。

あいつはチューニングの合ってないラジオ

カーマ・ポリス

彼女を捕まえろ

彼女はヒットラーのような髪型

気持ち悪いから

彼女の政党を潰した。

俺たちとバカやってると

これが君が手に入れるもの

これが君が手に入れるもの

これが君が手に入れるもの

カーマ・ポリス

俺の全てをあげる

十分じゃないのは分かってる

俺の全てをあげる

でも俺まだ給料制なんだよね。

俺たちとバカやってると

これが君が手に入れるもの

これが君が手に入れるもの

これが君が手に入れるもの

少しの間

自分を見失ってた

ふー、少しの間ね

自分を見失ってた

間違ってた

“彼女はヒットラーのような髪型” “気持ち悪いから彼女の政党を潰した”というフレーズはデヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」からです。ちゃんと歌詞読まないと気づかなかったです。これを考えるとピアノの感じはアルバム『ジギー・スターダスト』の頃のピアノぽいですね。

 

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