RYUKYU SOCCER PRESS

【コラム】WEBを活用した自宅トレーニング。その利点と難しさ #StayHome 

FC琉球が屋外での全体練習を休止してまもなく二週間が経とうとしている。

沖縄で新型コロナウイルス(COVID-19)の1日当たりの感染者が最多の5人となった今月4日のこと。
県は「フェーズが変わった」と表明。重大な局面を迎え、急速な感染拡大への対策が必要だと呼び掛けると、COVID-19の感染が広まっている地域への渡航歴がなく患者との接触も確認されないという感染経路不明な市中感染の疑いも出てくる中、県教育委員会は県立の高校・特別支援学校・中学校の一斉臨時休校(当初は2週間程度とされていたが、5月6日まで延長が決定)を決めた。また小中学校を管轄する各市町村も今月20日前後まで休校の措置を取っていたものの、市中感染が広がっている可能性もあることから感染拡大を防ぐためGW明けまで休校期間の延長を決めている。
県内スポーツでは12日決勝予定だった春季高校野球が臨時休校という事態を受け、準決勝を前に大会打ち切りを決めた。

感染拡大が懸念され不要不急の外出自粛が叫ばれる状況下、FC琉球は6日のトップチーム練習の前に緊急ミーティングを実施。当初の予定では翌日以降、数グループに分けて非公開で自主練習を行う案もあったが選手の健康維持、とりわけ家族で過ごす選手たちの不安も考慮し、選手が集まる練習を取りやめて19日まで全体練習の中止を決めていた。その後、県内での患者数増加に歯止めがかからずチームは26日まで休止期間を延長するも、16日に緊急事態宣言の対象地域が全国規模に拡大したことからさらに屋外での活動を自粛する可能性もある。

来るリーグ再開が6月、もしくは7月、8月になるのか未だその見通しが立たない現状でも選手たちはいつ何時、ボールを蹴りあう瞬間を待ち続けながら自主トレーニングに励んでいる。その中の一つの方法として現在取り入れているのがWEB会議システム「ZOOM」を活用したフィットネストレーニングである。このツールを利用することでインターネットを介し全選手とコーチが同時接続で一斉にトレーニングできるというメリットがある。

 

選手の出席状況を確認する樋口靖洋監督(4/8撮影)

「みんな集まっているかな」。

そう言いながら画面を確認する樋口靖洋監督。その画面には自宅でトレーニングウェアに身を包んだ選手たちが映し出され待機している。

「おはようございます。約1時間がんばっていきましょう!」
指揮官の号令のあと矢野コーチがカメラの前に立ち、トレーニングを開始させる。

 

PCを使ってオペレートするのは安部悠平コーチ(4/8撮影)

ZOOMを使ったトレーニングにおいて有名なところではイングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーで、このシステム取り入れたことをきっかけに今では様々なチームが活用している。

「コーチ陣ともこういうやり方もできそうだよねっていう話しをしていて、そのあとにセレッソ大阪でも同じ形でトレーニングを実施したのを知って試してみようと。監督とも相談して取り入れてもらいました。PCやスマホ、タブレットさえあれば状況に応じて臨機応変に対応できるのが良いと思います」。(安部悠平テクニカルコーチ)
今年、鹿屋体育大学を卒業した安部コーチは大学時代にも同じような方法でトレーニングを行った経験があり、そのため活用の利点を熟知している。そしてシステムの扱いも四苦八苦することなくオペレートでき、トレーニングをスムーズに安部コーチがサポートしている。

しかしWEBだからこその難しさもある。それを実感するのが矢野フィジカルコーチ。

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