RYUKYU SOCCER PRESS

樋口靖洋監督「『もっとやらなければいけない』という自覚をしなければいけない《11/29(日)東京ヴェルディ戦に向けて》 #fcryukyu

 

 

――前節を振り返る前に、11月25日にディエゴ・マラドーナが逝去されました。樋口監督にとっては一つ年上の彼に対して様々な思いもあるのではないでしょうか。

そうですね。(1979年に)日本でワールドユースがあって、彼がアルゼンチン代表としてプレーしていましたよね。接点というわけではないんですが、僕は高校1年から2年に上がるタイミングで日本代表の候補合宿に選ばれていたんです。全然箸にも棒にもかからず最後まで残れなかったんですが、ワールドユースは彼が世界デビューし衝撃を与えた大会でしたし、そういう意味では同世代としてその大会を目指してやっていたというところに何となくシンパシーを感じている部分がありました。でも彼のプレーなんて僕らが評価するなんていうレベルを超えている。ある意味本当に神様ですよ。いろんな世代でいろんな選手が出てきているけれども、恐らくマラドーナを超える選手は正直まだ出ていないんじゃないかなと思います。

実は僕が憧れていたのはヨハン・クライフで、僕らよりももっと上の世代の選手として「すげー!」と思ってサッカーをやるきっかけを作ってくれたのはクライフでした。マラドーナはその次の世代で、僕と同じ世代でしたけれどもまったく手の届かない存在。僕の中ではクライフとマラドーナはサッカー界の二大スターでした。

 

――マラドーナに衝撃を覚えたところは。

ああいうボールタッチをする選手は今までいなかったし、ボールが体から離れず自分のタッチの感覚があって、(1986年ワールドカップのイングランド戦の)5人抜きのシーンなんか常にボールを触っているんですよね。そういうタッチにそれまで全然イメージがわかなかったんですが、マラドーナのプレーを見ていて「これだけタッチができるんだ」というのを知りました。個人技ということに関して言えばナンバー1です。

 

――屈強なヨーロッパ選手を相手にしてもボールを奪われず、スルリとドリブルで抜いていくシーンは衝撃でした。

いわゆる体幹の強さ。逆に言えばボール以上に弾んでいるような感じでしたね。ボールを持った瞬間に「さあ行くぞ」という雰囲気になったとき、本当に見ていてワクワクしちゃうんですよね。何が起こるんだろうという、そういうことを想像させるというか、期待させた選手でした。今のサッカーを世界中に熱狂させたのはマラドーナの貢献が大きいと思います。ただただ本当にすごいなと思うし、あらためてサッカーの面白さを世界中に再認識させたと思います。

――60歳という生涯でしたね。

プライベートは不摂生な生活でしたもんね。仕方ないというか、僕も同じ世代なので体調に気をつけようとあらためて思いました。

 

――話は変わり、前節の磐田戦を振り返っていただきたいと思います。0-3で敗れたこの試合、あらためてどのような思いでしょうか。

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