RYUKYU SOCCER PRESS

リーグ前半戦を終え、廣崎スポーツダイレクターに訊く「間もなく新監督を発表できる」

 

11日の第21節・長崎戦(1●2)を終え、リーグ戦の前半戦が消化した。琉球は3勝6分12敗と大きく負け越し。新型コロナウイルスによる影響や怪我人も相次ぐ中、浮上の機会はなかなか訪れなかった。昨年途中からチーム率いた喜名哲裕監督が成績不振により電撃解任という悔恨の出来事にも遭い、後半戦に向けてチームの建て直しは急務となる。

ただその中でも草野侑己が5試合連続ゴールを決め、ストライカーとしての素質を見せたり、大卒ルーキーのボランチ・武沢一翔が飛躍し、若手の台頭も見られている。また元U-21ブラジルのケルヴィンを獲得し、新監督も外国人を中心に選定が大詰めを迎えているなど、後半戦に向けての材料集めは着々と進められている。

来る後半戦に向け、そして今後チームがどの方向へ向かうことをベストとして考えているのか。FC琉球のスポーツダイレクターである廣崎圭代表取締役副社長に話を聞いた。

 

 

――リーグ前半戦を3勝6分け12敗と最下位に沈んでいます。この現状をどのように捉えていますか。

現状については21試合の中で、できている試合の方が多い。でもできていない試合もいくつかある。ただ結果として、できている試合でも勝てていない。引き分けにも持っていけていないということが結果に現れて今の勝点、今の順位にいると認識しています。できているというのは、勝てる戦い。それはできていると思います。

 

――勝てる戦いができているというのは、これまで喜名哲裕前監督が浸透させて築き上げてきたものもあると思いますが。

そこの評価に関しては、その形になるまでにちょっと時間がかかってしまったというところ。その理由は、言い訳になるけれどもコロナで出遅れたことであったり、開幕戦までにコロナの影響でメンバーが揃わなかったということもありました。それも含め、こういう形でやろうというものが浸透するまで少し時間がかかってしまったなと思っています。ただそれが浸透しだしてから、このサッカーでできるであろうという方向性を選手たちがある程度理解し、中盤以降は戦ってくれていました。

ただ20試合目までにおいてどうしても波の中で、悪い試合が何回かでてきてしまった。その悪いときにいかにベンチワークして、監督がコントロールして流れを止めるかだとか、流れを変えるかだとか、そういうところが20試合の段階においてできない試合はズルズルと悪い結果になってしまった。それがまた起こりうる可能性がある。そうなと残りの試合で変えていかないといけない。そういう判断でした。

 

――この状況が続けばズルズル行く可能性があるから監督交代せざるを得なかった。

変えざるを得なくなったのは最低限の残留に向けてというところで、同じことを繰り返し(残留ライン)ギリギリの線をこのまま進んでいくわけにはいかないというところ。できるだけ早く残留ラインより上に行って、そこから少しでも上っていくために、というところです。おそらく県民の方々にも、サポーターの方々にも「喜名監督がやるならJ3に落ちてもトライしてほしい」と言う方はいると思います。僕自身もそういう心、そういう部分もあることはあります。それが沖縄のサッカーにとって良いことになるかもしれません。けれども現状のFC琉球として、われわれ強化部として、経営としてもこのままJ3に落ちる可能性をズルズルと手を打たずに長引かせるわけにはいかない。そういう選択はできない。そういうところで今回、監督交代に至ったというところです。

 

――J3に落ちるわけにはいかないというのが最優先。

J3に落ちないためのギリギリの戦いをするつもりはないということです。ただ監督が変わってどうなるかというところはわからないですし、やってみて結果そうなるかもしれないということも否定はできません。

 

 ――監督交代の決断のタイミングは。

決断は(第20節の)山形戦(0●4)のあとになります。チームが残留できるよう引き続きやっていきますということを本人には伝えましたが、やはり本人もまだ整理できていない状態でした。ただこの状況、この順位でチームを離れ、次の監督に引き継がせないといけないというの申し訳ないと。こういう状況を作ってしまったのは自分の責任であるというところで、そこは納得していただいたというところです。

それでこちらからはもうちょっと落ち着いてから、本人にも今回のことを受け止めて落ち着いてからというところでもう一回話をして、今後どうしていくのかという相談をしようと思っています。そのことは本人にも伝えており「もうちょっと休んでから、落ち着いたら話をしましょう」と言ってくれています。

 

――Jリーグへの道を切り開いた喜名監督の存在はクラブにとって必要不可欠な存在であるということは変わらない。

もちろんです。監督としてダメだったからもうクラブとは無関係ですということはありえないと思っています。本人の気持ちが許せば引き続き手伝ってもらいたいですし、一緒に戦ってほしいという思いがあります。どのようなポストになるかはまだ未定ですが、ただ本人が監督としてもっと勝負したいからやり直したい、他を選びますということもある得ますし、そこは本人もよく考えてからだと思いますので、うちとしては協力できるような話し合いができればと思っています。これまでチームの先頭に立ってくれたこと、本当に感謝しています。

 

――次の監督というところはいつから人選していたのでしょうか。

それはこういう状況になったから探してはじめたというわけではありません。監督やコーチ、メディカル部門、もちろん選手も含めてわれわれは常にアンテナを張って情報を集めています。そして必要となれば窓口にコンタクトを取って、そのときのステータスを確認し状況を確認しています。絶対に空白期間を空けてはいけないんです。

 

――今回は外国人監督を招聘(※追記:6/12付、ナチョ・フェルナンデス監督が就任)するということですが、監督選びにおいてはどういったところを優先的に考えていたのでしょうか。

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