仙蹴塵記

年末のご挨拶

皆様、2020年の【仙蹴塵記】のご愛読をありがとうございました。

2020年に、新たに立ち上げたメディア【仙蹴塵記】ですが、シーズン開幕後間もなく前代未聞の感染症禍に見舞われ、公式戦はおろか練習についても伝えられないという事態になりました。多くの方々のご尽力によりJリーグが再開したものの、今度はベガルタ仙台の成績不振など様々なピッチ内外の問題があり、もうこれでもかこれでもかというくらい苦しいことがあった一年間でした。

正直なところ、このメディアはおろかこの仕事自体を続けられるかどうかもわからない時期がありましたが、多くの方に支えられてこの年末を迎えることができました。あちこちで感謝を申し上げておりますが、私が仙台に関わる明治安田生命J1リーグ全34試合とJリーグYBCルヴァンカップ2試合を取材できたのは、様々な分野で助けていただいた方々がいらっしゃったからです。あらためて感謝申し上げます。

そしてこのようなシーズンでも、試行錯誤続きの【仙蹴塵記】を読んでくださいました読者の方々には感謝してもしきれません。1シーズンを駆け抜けたものの、どういうかたちでコンテンツを編んでいくのか、まだまだ手探りな状態です。また、再開後の過密日程のこともあってJ1以外のカテゴリーについて取材成果をほとんど掲載できなかったことも心残りです。ウェブ媒体単独だと試合取材ができないこともあり、今季が最後だったマイナビベガルタ仙台レディースの話題を掲載できなかったことも申し訳ありません。

しかし、苦しいことの多かった状況下でも、仙台に関わる方々から、取材先で前向きな言葉をいただいたことは本当に取材者としても力になりました。例えば、今季に仙台へ加わった浜崎拓磨選手。リーグ戦で17試合勝てなかった時期に「悪い流れになったからこそ、もっとしゃべってチームで一体感を持たなければいけない。ネガティブになるよりポジティブな言葉ひとつひとつを、練習からチーム内でかけ合わないと。勝てていない今は、これより下はない」という言葉を残しました。そしてサポーターがLフラッグを掲げて試合前に迎えてくれたことに「こういう状況で、本当にありがたい。力になっています」とも。彼はJFLからキャリアをスタートさせ、水戸でのJ2を経て「こういう状況を想像することもできなかった」というJ1の舞台に上がってきました。仙台の地で、様々な山を越えて自分の新しい居場所をつかんだ彼のような選手を取材できているのは、今季の喜びの一つです。

2020年の温かい言葉のすべてに感謝申し上げます。そして、2021年はもっと多くの喜びにあふれた年になりますように。

板垣晴朗

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