仙蹴塵記

【ニュースの現場から】約1年8カ月ぶりにサポーターへ練習公開。温かい拍手に迎えられる


27日、ベガルタ仙台は二日間のオフが明け、練習を再開。そしてこの練習の模様が、サポーターに公開された。新型コロナウィルス感染症の影響で昨年2月24日を最後に一般客への公開は中止されていたが、昨今の感染者が減じた状況を鑑み、試験的に公開されることとなった。

今回の観覧者の対象となるのは、仙台のソシオファンクラブ会員。当日の身分証明や検温、消毒などを了承したうえで25日までに応募し、一日あたり30名を上限として応募者多数の場合は抽選する。27日の練習では、同伴の対象となる小学生以下の児童を含めた29人が泉サッカー場に訪れた。

最初のメニューでスタンドの観客に向かってジョギングをした際に、キャプテンの蜂須賀孝治が挨拶。場内に拍手が起こった。この日の練習メニューはオフ明けということで、体幹トレーニングやペース走といったフィジカルトレーニングと、グループでの基礎技術トレーニングで構成。まだ激しくぶつかり合う対人練習や細かい戦術練習は組まれなかったが、雰囲気が和やかだったのはそのメニューのためだけではないだろう。最後のフィールドプレーヤーとGKが一緒になってのボール回しでは、リラックス要素もあってか微笑ましい珍プレー場面もあり。一通り今日のメニューが終わったところで、チームは全員でスタンドに向かって一礼し、再び観客からの拍手を受けた。その後も手倉森誠監督が「奇跡の残留をできるよう頑張ります」、ヤクブ・スウォビィクが「ありがとう」という言葉とともにスタンドの前を通り過ぎるなど、温かい雰囲気の一日だった。

約1年8カ月ぶりにサポーターに見守られたことについて、蜂須賀は「見てくださることはすごく嬉しいことですし、久しぶりすぎて恥ずかしいというか、新鮮な気持ち」と少し照れ気味ではあったが、「こういう練習をしているんだとサポーターの方も分かると思うので、すごくいい時間だと思います」と喜んだ。

今回の試験的な練習公開は、同様の方式で28日、30日、31日も実施予定。これから試合に向けて緊張感が高まったりぶつかり合ったりして練習場の空気もまた変わってくることは予想できるが、そのなかでもチームの成長をそばで見守るサポーターがいることはチームにとって心強いだろう。蜂須賀は「練習でもサッカーを楽しんでいる姿と、試合に向けてどういう準備をしているのか、どれだけ準備ができているのか、しっかり見ていただきたい」とサポーターに呼びかけた。

reported by 板垣晴朗

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