仙蹴塵記

明治安田生命J1リーグ第36節 湘南戦・第一報 前半に組み立てがままならず失点。取り返せずに突き放され、0-2で敗戦し、J2降格が決まる

前節から約2週間の準備期間を経て、ベガルタ仙台は明治安田生命J1リーグ第36節・湘南戦に向けて先発メンバーを入れ替えた。前節が出場停止だったアピアタウィア久が2試合ぶりに先発復帰。あとは西村拓真が左MFに入ったことも含め、前節と同じだった。ゲームキャプテンは富田晋伍が務めた。また、選手入場時には、カントリーロードの演奏に合わせて昨季の開幕戦以来となるタオルマフラーを振り回しての応援(※今節より解禁)が、サポーターにより行われた。

コイントスの結果により、通常とエンドを変えてキックオフ。仙台は立ち上がりの湘南の攻撃を防ぐと、8分にCKから連続攻撃のチャンス。しかしこれを決められず、湘南に押し返された。10分、この流れからウェリントンのゴールを許し、0-1とされてしまった。

仙台は19分、右サイドから攻撃を組み立てると、上原力也がミドルシュート。これはGK谷晃生に防がれた。22分と25分には押しこまれる場面を作られたが、アピアタウィアらのブロックで食い止めた。
その後は1点を追う仙台がボールを保持する時間を作るが、湘南が両サイドを引いて1点を守りに入ったところを崩せず、バックパスやDF同士でのパス交換が増えて時間が過ぎていく。0-1で前半を終了し、仙台は窮地に陥った。

手倉森誠監督ハーフタイムコメント
・もっとシンプルに、慎重になり過ぎないこと。アクションを増やし、思い切ってプレーしよう。

ハーフタイムでの選手交代はなし。後半開始早々、仙台は左サイドからチャンスを作るが、富樫敬真のヘディングシュートは上に外れた。54分には石原崇兆のクロスに西村が飛びこんだが、これも枠外だった。

押す展開が続く仙台は、68分に関口から加藤千尋に交代。74分に、右サイドから富樫がシュートに持ち込んだが、これは谷の正面だった。

仙台は73分、逆転を狙って赤﨑秀平と富田からフェリペ・カルドーゾとフォギーニョに交代。しかしその直後の74分、相手も3人を交代してかたちが定まらないなか、フォギーニョから上原へのパスをカットされ、痛恨の2点目を岡本に取られてしまう。

84分、上原のCKにアピアタウィアが頭で合わせたが、これは枠外だった。86分に石原と上原に代えて、吉野恭平と蜂須賀孝治がピッチに入った。アピアタウィアを前線に上げてパワープレーをしかけたが、攻勢実らず0-2で敗戦となった。

1時間遅れでキックオフされた他会場の結果を受け、仙台は来シーズンのJ2降格が決定した。取材対応した選手も手倉森誠監督も、気持ちの整理がつかない中、現実を受け止めようとしていた。手倉森監督はクラブのこれまでのヴィジョンなどについて会見で語った上で「残念な結果になって、現実を受け止める心の整理がなかなかつきませんが、しっかり受け止めて、残りの2戦でこの悔しい思いをしたぶんを吹っ切れさせるような戦いをきっちりやってみせたい」とまずは今季の残り試合を見据え、前を向いた。

reported by 板垣晴朗

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