仙蹴塵記

年末のご挨拶

2021年も【仙蹴塵記】をご愛読いただき、誠にありがとうございました。また、昨季よりは改善されたものの、依然として新型コロナウィルス感染症の脅威がある中でのJリーグ運営を成立させてくれた、全ての方々に感謝いたします。

取材者の立場でいえば、徐々に改善されてはいるものの、まだまだ制限が多い状況なので、この【仙蹴塵記】立ち上げ当時に目指していたような記事をあまりお届けできていないことをお詫び申し上げます。ベガルタ仙台が最終的にJ2降格となってしまったように、苦しい内容の一年になりましたことも、取材についていろいろ悩ましい要素でした。

ただし、様々な方に助けていただき、個人的には仙台の公式戦全45試合を取材することができました。唯一人それが可能だった者として、少しでも読者の方にとって有益な記事をお届けできていれば幸いです。

難しいシーズンながら、選手やスタッフの方々は、それぞれの言葉でプレーや心境などを伝えてくれました。年々、プレーの当事者はそのプレーの言語化能力が求められる場面が増えています。その言葉を伝える者としても、さらに精進しなければなりません。

今季、ルーキーながら実質2年目として活躍した真瀬拓海選手は、シーズン当初は自分のことで精一杯だったそうです。しかし自身のプレーが失点につながるなど苦い経験をしながら、「『チームを勝たせられる選手にならなければいけない』という思いが出てきて、チームのために自分ができることを捉えました」と気持ちが変わってきたそうです。

2021年から2022年にかけ、また選手が入れ替わります。J2で戦うことになったシーズンに向け、真瀬選手は自身の役割も変わっていくことを自覚しています。「今シーズンは結果としてフィールドプレーヤーで一番出させてもらって、まだ2年目ということにはなりますが、自分がチームを引っ張っていけるような存在になりたい。今年はクニさん(関口訓充選手)やハチさん(蜂須賀孝治選手)のようなベテランの人たちにそういったところを任せきっていた部分があるので、年齢は関係なく、試合に出させてもらったからには自分が先頭に立ってチームを引っ張っていけるようになりたい」。

こうした変わりゆくチームが、再びJ1で戦えるようになるためにどう戦っていくのか。来年もしっかり見守りたいと思います。

今年の苦しい経験も、いつか笑って振り返ることができるようになるはずです。2022年が良い年になることを願います。

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