仙蹴塵記

明治安田生命J2第22節 横浜FC戦・第一報 中山仁斗とフォギーニョのゴールが報われず、軽率な3失点で上位直接対決を落とす

2位のベガルタ仙台と3位の横浜FCとの上位直接対決となった明治安田生命J2第22節。仙台は前節から先発メンバーを2人代えてこの試合に臨んだ。けがの内田裕斗に代わり、石原崇兆が先発入り。また、富樫敬真が先発して中山仁斗と2トップを組んだ。ゲームキャプテンは吉野恭平。この日のユアテックスタジアム仙台のスタンドは、サポーター有志によってクラブカラーに飾られた。

序盤はなかなか相手陣内でボールを繋げなかった仙台。すると5分、左サイドで一発のロングボールからサウロ・ミネイロに抜け出され、先制点を奪われてしまった。

0-1とされた仙台は、ゲームを落ち着けて反撃に出る。16分、敵陣右サイドでFKを得ると、中島元彦のキックに氣田亮真が頭を合わせたが、これは惜しくも上に外れた。18分には逆の左サイドでFK獲得。中島のキックをキム・テヒョンが繋いだが、最後にファーポストの中山仁斗には合わなかった。26分には左サイド中島のFKをスベンド・ブローダーセンに弾かれた。

仙台のチャンスは続く。29分、真瀬拓海が右サイドからグラウンダーのクロスを送ると、富樫が走りこんで合わせたが、これは打ち上げてしまった。39分には真瀬のクロスを富樫が折り返すが、中山がジャストミートせず枠を外れた。仙台は相手の徹底したロングボール攻撃で失った1点を取り返せず、0-1で前半を終えた。

原崎政人監督ハーフタイムコメント
・リスクマネジメントを心がけること
・蹴られたボールには球際で戦うこと
・空いているスペースは見つけている、前向きの選手を使ってあげよう

ハーフタイムでの選手交代はなし。仙台は後半も相手のラフにボールを蹴ってくるスタイルに苦しむが、なんとか打開しようと試みる。55分にカウンターからピンチを迎えたが、これは相手のシュートミスに救われた。相手カウンターに注意しつつ、仙台はチャンスの時を待つ。すると、63分、氣田のシュートのこぼれ球を中山が拾うと、冷静にGKとの一対一を制してゴール。中山の今季5点目で、仙台が1-1に追いついた。

72分、仙台は中山から皆川佑介に交代。逆転したいところだったが、75分、左サイドからのクロスを小川航基に決められ、1-2と再び勝ち越された。さらに4分後、同じかたちから今度は松浦拓弥に決められ、1-3に。追い詰められた。

79分、仙台は富樫とレアンドロ・デサバトに代え、遠藤康とフォギーニョを投入。82分、ポストプレーを受けた遠藤が遠目からシュートを狙ったが、ゴール左に外れた。86分には氣田と名倉巧に代わって加藤千尋と鎌田大夢が入った。すると89分、CKから相手GKが落球したところを粘り強く攻め、フォギーニョがゴール。1点差に詰め寄ったが、追いつくに至らず2-3で敗戦。上位対決で痛い星を落とした。

試合後、原崎政人監督は試合内容を振り返る際に、「まず失点のところ」と守備面の反省点を挙げた。「リスク管理をし続けることと、人に対して強くいくということ」という、背後を取ろうとする相手に対する基本的な部分を怠った失点場面を猛省した。これから天皇杯とリーグ戦がホームで続くが、今節のような失態を繰り返してはならない。

reported by 板垣晴朗

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