仙蹴塵記

天皇杯3回戦 C大阪戦・第一報 鎌田大夢の加入後初ゴールで追い上げるも、ミスからの失点が響き2-3で終了。大会敗退

ベガルタ仙台は天皇杯3回戦で、今季初めて公式戦でJ1クラブと対戦することになった。この試合にあたり、18日の明治安田生命J2第22節・横浜FC戦から先発メンバーを全員入れ替え。大けがから戻ってきた蜂須賀孝治が、今季初めて先発で試合出場を果たした。ゲームキャプテンは平岡康裕。

仙台は開始30秒に遠藤康がループシュートをしかけるなど、攻めに出る。6分には左MFで先発した大曽根広汰がドリブルで切れこみ、シュート。これはGK清水圭介に弾かれたが、こぼれ球を右サイドで拾った加藤千尋がプッシュ。加藤の今大会2試合連続ゴールで、仙台が先制し1-0とした。

仙台は14分、高い位置でのカットからボールを受けた加藤が、ドリブルで一気に相手ゴール前へ。思い切ってシュートしたが、これは右ポストに当たってゴールできなかった。その後はしばらく中盤でのボールの奪い合いが続く。仙台は31分、左サイドからの清武弘嗣のFKをブルーノ・メンデスに頭で合わせられ、1-1に追いつかれた。

36分、仙台は加藤のグラウンダーのクロスに大曽根が走りこんだが、これは浮いてしまった。しかしこの後なかなか相手ゴール前までボールを運べず、42分にCKからマテイ・ヨニッチに押しこまれて1-2と逆転された。仙台は2回戦と逆の展開で前半を終えた。

原崎政人監督ハーフタイムコメント
・選手の距離感は良い。
・コンパクトな守備を継続しよう。
・自信を持ってボールを受け続けよう。

ハーフタイムでの交代はなし。仙台は47分、右サイドで繋いで鎌田大夢がシュートを狙ったが、これは枠を外れた。攻勢に出た仙台だが、50分に大曽根が後ろを向いたところでボールを奪われ、カウンターからジェアン・パトリッキにゴールを許した。1-3となり、仙台は苦しくなった。

59分、仙台は大曽根から富樫敬真に交代。攻めを強めると、62分に右サイドで蜂須賀からマイナスのパスを受けた鎌田が迷わずシュート。これが決まって、2-3に追い上げた。鎌田はこれが仙台加入後、公式戦で最初のゴールとなる。

70分、仙台は福森直也からキム・テヒョンに交代。78分には一気に3人を交代し、加藤、蜂須賀、皆川佑介から名倉巧、氣田亮真、真瀬拓海に代えた。その直後、クロスに遠藤が頭を合わせたが、これは相手GK清水にセーブされた。

仙台は守りに入った相手を攻め立て、セットプレーからチャンスを作る。90+4分には遠藤の左CKにニアサイドで平岡が合わせたが、わずかにゴール左へ外れてしまった。仙台は2-3で敗れ、今大会の敗退が決まった。

原崎政人監督は「ゲームの入り方も良かったし、攻撃のところはしっかりとスペースを見つけてボールを自分達で運んでいくところは見せてくれた」と収穫を挙げた一方で、守備にについて「結局3失点というところで、セットプレーがふたつありましたけれども、やはりそういうところもまたリーグ戦に向けて課題が出た試合になリました」と安定感を欠いていることに対して厳しい表情だった。一つの大会が終わったが、中2日でリーグ戦が待っている。仙台はJ1クラブ相手に出せたこと、出せなかったことのどちらも、リーグ戦で優勝するために生かさなければならない。

reported by 板垣晴朗

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