仙蹴塵記

明治安田生命J2第29節 山口戦・第一報 前半のうちに逆転も、疲労した後半に押しこまれ2-2の引き分けに終わる

まだフルメンバーがそろわないベガルタ仙台は、明治安田生命J2第29節・山口戦で、前節から先発を2人変更。中島元彦と富樫敬真がスターティングラインナップに復帰した。ベンチには仙台ユース所属の2種登録選手である山田泰樹が初めて入った。ゲームキャプテンは平岡康裕。

立ち上がりは押されていた仙台だが、6分に左サイドを抜けた氣田亮真がシュート。これは相手GK寺門陸に止められた。直後のCKからのチャンスは、富樫のシュートがクロスバーに嫌われた。

押していた仙台だが、思わぬかたちから先制を許す。攻撃を組み立てようとして佐藤瑶大から石原崇兆に出されたパスをカットされると、そのカウンターから沼田駿也に決められた。

ミスから0-1とされた仙台は、31分に高い位置でカットした中山仁斗が持ちこんでシュート。これは右に外れた。その後、セットプレーを多く相手陣内で得られるようになると、34分にまたCKのチャンス。中島のキックを佐藤が折り返し、最後は中山が押しこんだ。中山の今季10点目で、仙台は1-1に追いつく。

仙台は攻め手を緩めない。38分、蜂須賀孝治が右サイドから得意のクロスを送ると、やや遠目の位置で富樫が頭で合わせる。GK寺門の手の届かないコースへ飛んだシュートが入り、仙台がこの日2点目。富樫の今季9点目で逆転、2-1とした。

42分にはカウンターから蜂須賀のクロスに氣田が走りこんだが、シュートがジャストミートせず大きく浮いてしまった。
仙台はミスから先制されたものの、前半のうちに逆転し2-1で前半を終えた。

原崎政人監督ハーフタイムコメント
・味方に情報を伝えてあげる。
・次のポジションを探しつづけること。
・しっかり守備して、追加点を奪おう

ハーフタイムでの選手交代はなし。48分、仙台は石原が右サイドで粘ってゴールライン手前からラストパス。この攻撃から中山がシュートを狙ったが、相手にブロックされた。59分には佐藤謙介にミドルシュートを打たれたものの、これは杉本大地が正面でキャッチした。

62分に仙台は左から右へ展開し、蜂須賀がシュート。これは寺門にセーブされた。67分、内田と富田晋伍に代わり、鎌田大夢と吉野恭平がピッチに入った。この直後のCKで仙台はこぼれ球を二度拾われ大ピンチになったが、杉本のスーパーセーブなどでゴールは割らせなかった。

仙台は攻められる時間が続く。しかし73分のピンチでは、杉本がまたファインセーブ。左サイドからの相手シュートを跳ね返した。75分にはカウンターから富樫が抜け出し、左サイドからシュート。だがこれは右に外れた。

77分、仙台は氣田と富樫を、福森直也と皆川佑介に交代。84分にはスルーパスを受けた中山が寺門と一対一になったが、シュートは枠を外れた。87分には中山からフェリペ・カルドーゾに交代した。

逃げ切りたい仙台だったが、90分に与えたCKから続けざまに攻撃を受け、渡部博文に押しこまれてしまった。仙台は2-2に追いつかれて試合終了。後半は選手交代でも悪い流れを変えることができなかった。

原崎政人監督は後半の劣勢について「足が止まってしまったこと」を重く見た。その要因のひとつに、前半に相手のシステムへの対応が遅れ「守備の時間が長くなったことで消耗した」ことも挙げた。3点目を取れなかったことやセットプレーの失点の課題も加え、仙台は今後に向けその一つひとつを解決していかなければならない。

reported by 板垣晴朗

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