縦に紡ぎし湘南の

【コラム】「One KANAGAWA」

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、医療従事者を支援すべく神奈川県下のスポーツチームが広く手を組んだ。「One KANAGAWA Sports All-Star Cup 2020」は県下7競技15チームの現役選手が参加するオンラインチャリティイベントで、eスポーツとしてサッカービデオゲーム「FIFA 20」を戦う。

本大会を発案し、大会実行委員長を務める水谷尚人・湘南ベルマーレ代表取締役社長は、オンライン記者説明会で開催の経緯を語った。
「医療従事者の方々、社会を維持するために働くすべての方々がそれぞれの立場で新型コロナウイルスと戦っているなかで、地域に支えられ、ともに歩んでいる我々スポーツクラブとして、少しでもその方々の役に立ちたい、恩返しをしたい。私たちが活動しているのは多数のプロチームや実業団チームが全国トップクラスで集まっている神奈川県。こんなときだからこそ、神奈川県という場所であるからこそ、競技の垣根を越えてスポーツでひとつになってみんなで乗り越えようと、そんなメッセージを伝えることができないものかと思い企画した」

想いはタイトルに端的だ。「One KANAGAWA」である。
「神奈川の各種スポーツチームが一体となってこの国難とも言える事態のために取り組むことができたらどれだけ素晴らしいか、そして各チームのファン・サポーターの方々に少しでも笑顔が戻るのではないかと思い取り組んでいる。リアルに集まることはできないので、多くの方がステイホームしている状況下、家でも楽しんでいただけるものとして我々自身も参加経験のあるeスポーツと呼ばれる競技で現役選手が対戦する模様をネット配信し、観ていただいた方から寄付金を募る大会ができないかと構想した」

Jクラブはもとより、他の競技団体にも縁を辿って大会の主旨を説明すると、快く賛同を得られたという。ゲームタイトルについては、ベルマーレとして実施経験があり、大会開催実績のある「FIFA20」を採用することで落ち着いたが、水谷社長はさらに今後も見据える。
「これだけ多種多様なチームが集まったのだから、この関係性を持続して本大会をシリーズ化し、そのタイミングで支援が必要な方に寄付できるような枠組みとして継続していきたいと考えている。次回はeスポーツとして人気のある野球ゲームでの開催を目指したい」

なお5月30日(土)16時よりグループステージが、翌31日(日)19時30分より決勝トーナメントがそれぞれ開催される。大会の模様はインターネットを通じて配信され、クラウドファンディングサイトやチャリティオークション等を活用して企業協賛および視聴者から寄付金を募り、大会開催に関する諸経費を除いた全額が新型コロナウイルス関連の医療従事者支援として神奈川県に寄付される。

(残り 1169文字/全文: 2322文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ