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森崎和幸物語 第17章

 2013年、「高校選手権得点王」の肩書きを持って、鳴り物入りで加入してきた浅野拓磨は、キャンプで水本裕貴を振り切ってゴールを量産するなど、素晴らしい才能を当初から見せつけていた。

だがおそらく、そのまま試合に出ていたのでは、今の彼はなかったと言っていい。頭を打たれ、プロの厳しさを思い知らされたことで、彼は1度、膝を屈さずにはいられなかった。だが、それは飛翔への準備。3年目の大活躍、4年目のアーセナルとの契約は、最初の苦汁があればこそ。

浅野はこう語る。

「最初に驚いたのは、カズさんのプレーでした」

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