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森崎和幸物語 第20章

 強烈なシュートはない。誰もが意表をつかれるスルーパスも、それほど出すわけではない。美しいFKもない。

そんな森崎和幸の特質が、正当な評価を邪魔している。それはサッカー後進国の日本だから、というわけではおそらくあるまい。玄人好みと言われるが、カズのプレーはその玄人である選手・監督の中でも、よくわからない人も多いのだ。

だが、一緒にプレーした選手は、誰もが言う。

「あんなに上手い人は見たことがない」

止める。蹴る。プレーを選択する。

そんな基本的なサッカーの技術・戦術の部分で、弟・浩司と共に日本人最高峰に位置する。それが森崎和幸というフットボーラーである。その凄みに対する理解度は、あまりに低い。

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