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「坂の上の雲」から考えるサッカー

 

まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている。

 

この書き出しで始まる司馬遼太郎の名作「坂の上の雲」は、1968年から約4年にかけて産経新聞に連載された日露戦争と正岡子規をテーマにして書かれたものだ。

日露戦争という歴史的な出来事の解釈の是非、乃木希典という将軍の評価、203高地という凄惨な戦場の描写に対する歴史的事実の評価も含め、司馬作品の中でも大きな論議を呼んだ「問題作」である。戦争賛美ではない小説ではあるが、そう捉えられがちなこともまた確かで、そのために司馬遼太郎はこの作品の映像化を、存命時には拒み続けた。そういう意味でもこの小説は、「竜馬がゆく」「国盗り物語」などととは違った意味で、意味を持つ作品とも言えるだろう。

(残り 2856文字/全文: 3181文字)

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