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青山敏弘物語〜逆境〜 第九章/友・吉弘充志

2007年1月当時の青山敏弘と吉弘充志(右)。吉弘は現在、JFLのFCマルヤス岡崎でプレーしている。

 

吉弘充志という選手がいた。

広島皆実高時代から将来を嘱望されたCBで、青山敏弘とは同期。年代別代表でも常連で、2004年のワールドユース(現U-20ワールドカップ)にも出場。広島加入後もすぐに試合に出られるほど、期待も注目もされていた。1年目、11試合に出場。2年目はケガが多くて試合に絡めなくなったが、3年目からは持ち前の身体能力の高さに落ち着きも加わり、小野剛・望月一頼両監督からの信頼を勝ち取った。第4節から12節まで連続フルタイム出場を続け、ペトロヴィッチ来日以降もトップチームでトレーニングを続けた。

吉弘は、まずレギュラーだね。

言葉に出さなくても、それは周知の事実。誰もがそう思っていた。

ところが彼の未来に、巨大な暗雲が立ちこめる。

(残り 2463文字/全文: 2905文字)

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