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タイからヒーローがやってきた/ティーラシン、広島へ

今年のトヨタプレミアカップで水本と激しいバトルを繰り返していたティーラシン。

 

もし、札幌のチャナティップ・ソングラシンが、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれていなければ。

もし、タイ王者のムアントンがACLで鹿島と1勝1敗と互角以上に戦い、ベスト16進出を果たしていなければ。

ティーラシン・デーンダーの加入決定に対してサポーターが「歓迎」をしてくれたかどうか。そういう意味では、時代が風をつくってくると言っていい。ティーラシン・デーンダーというタイサッカー界の英雄がやってくるという意義について、正しい評価がなされつつあることをまず、嬉しく思う。

ムアントンというタイサッカー界の王者であり人気も最高ランクにあるチームのエースを務め、タイ代表でも最大の得点源。欧州でのプレー経験も持っている特別なキャリア。そういう選手が広島にやってくる。ACLの対鹿島戦で強烈なミドルを叩き込んでいる映像を見ても、ワクワク感は止まらない。

今季開幕前のトヨタプレミアカップで対戦したムアントンは、確かに強かった。ただ、組織が整っていたというよりは、個々の強さが際立っていたチームだった。チャナティップのドリブル、左サイドに君臨するティーラトン・ブンマタンの強烈無比な左足。そしてティーラシンの破壊力と柔らかさ。まぎれもなく、Jでも十分に通用するだけのポテンシャルを感じさせた。

実は前半開始早々、廣永にプレスをかけてボールを奪い、チャナティップに決定的なパスを出したのがティーラシン。この時は稲垣祥の素晴らしいカバーリングに救われたが、86分に見事なカウンターからビッグチャンスを迎えたティーラシンは廣永との1対1を制してゴールに沈めた。GKのポジションどりとプレー判断を冷静に読み切ってのゴールは、ストライカーとしての資質の高さをおおいに感じさせたものだ。

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