大器・吉野恭平のカムバック
本来の資質からいえば、闘莉王にだってなれる男である。
ガシッと相手を潰せるし、182センチと高さも合わせ持つ。柔らかな足下の技術はさすが東京V育ちだし、精密なミドル・ロングパスで攻撃を創る。闘莉王が新加入した広島時代は今ほどの得点力は発揮できなかったわけで、努力次第ではゴールだって決められるようにもなるはずだ。闘莉王とはプレースタイルそのものは違うが、闘将と呼ばれた熱く偉大なDFが持っている存在感やチームを牽引していくキャプテンシーだって、吉野は潜在的に持っている。広島に移籍してきた後から若い選手に慕われ、中心的な存在に自然となっていた。リーダーになれる存在でもあるのだ。
だが広島時代の彼は、そんな自分の良さを発揮しきっていたとはいえない。
絶好調で過ごした2015年のキャンプ終盤に右膝を負傷。それでも治ると信じてU-22日本代表合宿に参加したものの離脱。3月24日には右膝外側半月板損傷の手術を行い、全治2ヶ月の診断を受けた。さらに8月のU-22代表合宿からも負傷離脱。10月30日のトレーニング中にも右肩関節亜脱臼の負傷で全治3週間。ケガばかりの1年間を送ってしまったことで、リオデジャネイロ五輪の代表からも漏れてしまった。
(残り 1543文字/全文: 2059文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
タグマ!アカウントでログイン
- « 次の記事
- 新しき年に向けて考えたこと(無料)
- 前の記事 »
- 退路を断つ/丸谷拓也の完全移籍
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ