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【2018年紫熊の勇士】高橋壮也/成長を繋げよ

 

青山敏弘の言葉をまず、ご紹介しておこう。

「(高橋)壮也があれほど成長するとは」

それに対して水本裕貴は、こうつぶやいた。

「大変だったんだよ……」

どちらも、正解である。

第32節の対神戸戦、実に判断のいいフリーランニングからボールを呼び込み、高精度のクロスを中にいれて稲垣祥のゴールを呼び込んだアシストは、広島の残留に大きな影響を与えた。

あの試合、前半から実にリズムよく戦っていた広島ではあったが、一方で良すぎるが故の危うさも存在していた。それは第30節・川崎F戦の前半、見事としか言いようのない内容を展開しながら、たった一つのミスから決壊してしまった。そのトラウマが見ている側には残っていた。そしてそういう「内容」をひっくり返す実力者も、神戸には存在していた。

その不安を払拭したのが、高橋→稲垣の先制点。リズムのいい中盤でのパス交換でサイドのスペースをあけるというチームの狙いもさることながら、サイドパックとして攻守のバランスをとりつつ高い位置でポジションをとるタイミングもいい。クロスは「稲垣くんが飛び込んでくるところが見えた」と、あえてニアのアンデルソン・ロペスを外して中央の空間を狙った。それが本当に狙い通りだったかは議論のわかれるところではあるが、筆者は高橋の言葉を信じる。タイキャンプで見せた彼のクロスを考えれば、それくらいはできる男のはずだ。

もし、この先制点がなかったら、神戸に勝利できたかどうか。神戸戦での勝利がなければ、FC東京戦はどうだったか。残留がどうだったか。答えは明白である。高橋壮也の神戸戦のクロスは、広島の未来を切り拓いた。大袈裟ではない。事実である。

(残り 2230文字/全文: 2924文字)

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