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【2018年紫熊の勇士】川辺駿/自由な男

12日のトレーニングで、城福浩監督は様々なチーム構成を試した。メンバーも入れ替え、フォーメイションも変え、多くの選手がビブスの色を変えた。だがフィールドプレーヤーで2人だけ、主力組を表す白ビブスを脱がなかった男がいる。1人は鉄人・水本裕貴。もう1人は川辺駿である。それほど、城福浩監督の絶対的な信頼を得ていると言っていい。

しかし2月13日、岡山戦を前にした彼の表情は冴えなかった。その要因は、ポジションにある。

川辺はジュニアユースの時代からボランチかシャドーでプレーしていた。つまり中央でのプレーで評価され、実績を積んできた。プロとして自分を向上させ、その上を目指せるのも中央でパフォーマンスを見せるからだと自負してきた。

だが城福監督はしばしば、彼をサイドハーフでトレーニングさせていた。そして岡山戦の前日も、川辺はサイドハーフでのプレーを求められた。

今年、彼が戻ってきた時のインタビューでも、「与えられたポジションで頑張る」と言ってはいたものの、それはトップ下かボランチかという話で、「サイドはないですね」と自ら語っていた。だが、まさかのサイドハーフを任され、彼はおおいに戸惑った。自分のプレーでチームを牽引したいのに、このポジションだとどうやっていいのか、わからない。求められる役割も、自分の中で消化できない。

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