【2018紫熊の勇士】吉野恭平/この程度の才能ではない
2016年、吉野恭平がアウェイでの磐田戦で先発デビューした時の、周りの反応をよく覚えている。
失点に絡み、得意の攻撃についても自身のパフォーマンスを発揮できなかったことで、筆者は相当に苛立っていた。だが、周囲の記者たちは彼に関心をほとんど示さない。「実力どおりでしょ」。そんな言葉が聞こえてきた。
そういう状況が、筆者の感情をさらに昂ぶらせた。だが反論したところで、何も説得力はない。プロのアスリートにとっては、試合でのパフォーマンスが「実力」である。
吉野恭平の実力は、あんなものではない。
いくらそう強く言ったところで、ピッチで表現してくれないと説得力には欠ける。「このシンガーは歌唱力がある」なんて言ったところで、ステージでその力を表現できなければ認めてもらえないのと同じことだ。
だからこそ、筆者は言葉を飲み込んだ。大器の覚醒を待った。
(残り 1837文字/全文: 2204文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ