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【2018紫熊の勇士】林卓人/シーズン6度目の完封にも驕らず

 

8試合で6度目の完封。2015年、平均失点0.88を記録した最高の年ですら、6完封に達したのは1st.ステージの第14節だった。もちろん、完封とはGKだけの力ではできないが、今季は既に2度のPKストップを演じている林卓人の貢献は間違いなく巨大である。それは言うまでもあるまい。

湘南戦でも、林のプレーは実に堂々としていた。37分、松田天馬の強烈な反転シュートに対しても確実に対応。失点しない場所に確実に落とした。ハイボールに対しての反応も安定し、キャッチとクリアのメリハリも利いていた。

圧巻は62分のプレーである。湘南は左右の揺さぶりで広島のブロックを崩そうとしていた。この場面でも、右クロスに対してファーサイドにいたイ・ジョンビョブがヘッドで折り返す。ポッカリとゴール前にあいたスペースには、ステバノヴィッチがいた。イタリア・セリエAで長くプレーし、セルビアの名門=バルチザン・ベオグラードでも活躍した元セルビア代表FWが胸トラップ。誰もが同点を覚悟した。だが、ストライカーがトラップしたその瞬間、林はスルスルと前に身体を運び、FWとの距離を詰めたのだ。

シュートを放つ直前、誰もがゴール方向を見る。ステバノヴィッチもチラリと見ている。その時、林の姿がそれまでよりも遙かに、巨大に見えたはずだ。その威圧感が焦りにつながり、インパクトの瞬間に力が入ってしまって、信じがたいミスにつながったのだ。FWにミスを生じさせるほどのプレッシャー。それがこの時の林の身体からは湧き出ていたのである。

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