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【2018紫熊の勇士】吉野恭平/充実と課題の前半戦

リーグ戦は13試合368分間の出場。カップ戦は全試合フルタイム出場(6試合540分)。これが吉野恭平の現実である。京都移籍前は、ほとんどリーグ戦に絡めなかったことを考えれば、先発が2試合だったとはいえ、大きな成長だったと言っていい。しかし、大器・吉野恭平は当然、満足はしていない。

特に悔いを残しているのが、ルヴァンカップでの敗退だ。

G大阪を4-0、名古屋を2-1で破った最初の2試合は、ただ勝ったというだけではなかった。ボールを支配し、アイディアを繰り出し、美しさと強さを同居させた見事な戦い。特にG大阪戦は相手が日本代表を数多く含む主力組で臨んできたにも関わらず、彼らにほぼ何もさせなかった。その内容がサポーターに夢を与えたわけだ。

その中でも秀逸だったのが丹羽大輝と組んで最終ラインに入った吉野のプレーである。182センチ・75キロの恵まれた体躯を活かしたハードな守備と足下の柔らかな技術を使った正確なビルドアップ。若者たちが自分たちの技術を存分に発揮するための下支えを、彼は見事にこなしていた。

だが丹羽の負傷離脱と共に、ルヴァンカップのチームは下降線をたどる。名古屋戦、G大阪戦、共に逆転負け。勝つしかなくなった浦和戦でも敗戦。想像もしなかった3連敗によって広島はルヴァンカップ制覇の夢を手放した。

「サッカーって簡単にはいかない。そういう現実を痛感しました」

吉野は現実を見据える。

(残り 2038文字/全文: 2630文字)

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