【2018紫熊の戦士】川辺駿/挑戦
柴崎晃誠は横浜FM戦のMVPだと言っていいだろう。2点目は抜群の精度を誇ったCKからパトリックのゴールをアシスト。3点目は実にタイミングのいいダイナゴナルのフリーランニングから前線に飛び出し、実に柔らかいトラップからボールを転がし、渡大生のJ1初得点を演出した。リーグ2位の7アシストを稼ぎ、この試合では全得点に絡む。抜群の技術は全く衰えることなく、国見高・国士舘大と鍛えに鍛えた走力はまもなく34才という年齢を全く感じさせない。
彼がすごいのは、サイドハーフのポジションは全くやったことがなかったという事実である。プロに入ってからはずっとボランチが主戦場で、トップ下は広島に移籍した2年目の2015年から。ずっと中央でプレーしてきたのに、今季はいきなりサイドハーフである。さらにいえば、彼はプレースキックが苦手。「止まっているボールを蹴る練習なんてしたことがない」と言っていた柴崎が、今やプレースキックでアシストを量産しているのだ。
彼の技術の高さは万人が認めるところだろう。その上、運動量も豊富だし、渡のゴールをアシストしたプレーに見られるように頭脳も明晰だ。「サッカーに関してだけは、僕は頭がいいって嫁にも言われます」と柴崎は笑うが、実際にクレバーでなければ慣れないポジションをすぐに自分のモノとして消化しえないだろう。
この素晴らしきテクノクラートは今季、ここまで最高のプレーを見せつけている。だが、彼は当初、スタートリストから落ちていた。右サイドハーフでプレーしていたのは川辺駿。そう、今や立場は逆になってしまったのだ。
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