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【論考】川辺駿かベリーシャか(後編)

後半戦、もっとも躍進したチームが名古屋であり、その理由がエドゥアルド・ネットや前田直輝、金井貢史ら補強選手たちの活躍であることは論を待たない。また、浦和のファブリシオは7戦6発、清水に移籍した元広島のドウグラスも4戦4発。補強選手たちの活躍は、チームを活性化させることは言うまでもない。

一方で、ベリーシャはどうか。ここまで出場が2試合で先発も得点もアシストもゼロ。8月11日の対長崎戦からはベンチからも外れた。もっとも、それは左手の負傷のため、対人プレーが制限されていたが故。そういう意味では不運ではある。ただ、他のチームの選手たちの状況からすれば物足りなさは残るし、ベリーシャ自身にとっても悔しさしかない。

もちろん、Aリーグで7年連続二桁得点、2度の得点王、3度の優勝という実績はとんでもない数字だ。だが、名古屋のように「改善」が待ったなしの状況であったチームと広島の現状を比較した時、同列には語れない。パトリックは歴然と結果を残し、ティーラシンも初めてとしてはよくやっている。工藤壮人や渡大生、フェリペ・シウバらも必死にチームで戦ってきたことを踏まえれば、彼が広島にフィットすることなく起用されるはずもない。彼に合わせないといけないチームではないのだ。

そう考えれば、彼が離脱してからここまでの2週間は、ベリーシャにとってもチームにとっても悪くはなかったのではないか。そう考えたい。彼がチームの戦術を理解し、フィットしていくまでの時間ができたという意味で。

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