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2012年 減資の衝撃からの成長

サポーター歴も深くなってくると、ピッチ の上のことだけでなく、クラブ全体のことが 気になってくる。ましてJリーグの場合は財 務状況が厳しくなると降格や退会の危機もある。

クラブライセンス制度の存在である。

制度が始まった当初は、3期以上連続して赤字を計上したり、債務超過となって前年度の赤字額が純資産を上回ってしまうと、下部リーグへの降格を判断される可能性もあった。現実にはまだ、降格した例は存在しない。しかし、その可能性が存在する事実そのものが経営者にとってのリスクであり、サポー ターにとっての心配の種となる。

まして、サンフレッチェ広島は2012年に「減資」を行った。積み重なった累積赤字を資本金で減殺する荒療治を行い、貸借対照表上の数字を健全化したわけだが、一方で会社としての信用力回復が必須条件。なんとしても黒字を続けないといけない。

しかし、2011年の決算における営業収 益(売上)は26億7600万円に対し、当期純利益はマイナス700万円。つまり赤字である。そして累積損失は約20億円に達してい て、債務超過は目前。それを減資でなんとかしたとはいえ、売上をなんとしてもあげていかないと再び経営危機を招く危険性があった。

そのピンチを救ったのは、2012年のJ1初優勝だった。この年、広島の売上は3 1億7600万円と前年比18.7%増。実はこの年、広告収入はほぼ横ばい。しかし優勝によって、入場料収入が約20.0%増、賞金などによるその他収入がほぼ倍になった。これによって約2億2300万円の利益を叩きだし、財務状況は一気に改善していったの だ。

実はその後、広島は1度たりとも売上30億の大台を割ったことはない。

売上減も2013年→2014年の31 億9800万円→31億4900万円。そして2016→2017年の37 億9400万円→ 34億2400万円の二度しかないのだ。  また利益面で見ても、2012年以来一度も赤字に陥ったことはない。赤字必至と言わ れていた昨年も、なんとか100万円の利益を確保。純資産も12億1100万円までに回復させたのだ。

ちなみにこの純資産の額はFC東京・鹿島・浦和・川崎Fに続きリーグ5位。浦和の 売上は79億7100万円であり、鹿島と川崎Fも50億を超え、FC東京も45億8800万円。そういうビッグクラブの中で、34億2400万円という売上の広島がこういう数字を残している。そこは間違いなく経営の成果であろう。そこをまず、大前提として抑えておきたい。

一方でJ1クラブでの売上規模でいえば、 2012年度には第11位。しかし2017年度は13位に後退した。2012年には広島よ りも下の売上だった川崎Fと神戸が一気に50億円台の売上を示し、 神戸は2位で川崎Fは4位というビッグクラブに。広島も34億2400万円と2012年よりも7.8%伸ばしているが、神戸は2倍以上、川崎Fも66.7%の急成長だ。広島に近い売上だったG大 阪が51%増、広島の半分の売上しかなかった鳥栖はなんと130%増。凄い成長である。 他にも浦和(48.9%増)、FC東京(18.7%増)、横浜FM(28.2%増)、鹿島(25.7%増)とビッグクラブも成長トレンド。J1は今や、成長産業の様相を呈している。

もちろん、それはDAZNとの大型契約による分配金の増加という影響もある。広島の場合、2012年度は2億3900万だった分配金が2017年度は4億8400万円。2倍を超える分配金は、それだけで大きい。

だがここで注目したいのは、神戸と川崎F、そして鳥栖といったクラブの急成長の裏 側だ。神戸はまぎれもなく広告収入の増加である。2012年は7億4200万円から2017年は33億5200万円。浦和の31億9300万円を上回り、リーグナンバーワン。

だが、広告収入は時代に左右され、一気に増幅させることも可能だが安定を約束はし てくれない。やはり広島が目指したいのは、川崎FやG大阪のモデル。つまり、入場料収入の増幅による売上増だ。川崎Fは86.0%、G大阪にいたっては139.3%、入場料収入を伸ばしている。

この要因、G大阪は明確である。2016年度にパナソニックスタジアム吹田が完成 したことによるスタジアム効果だ。2015年には7億9500万円だった入場料収入 が2016年には一気に13億9000万円 に。リーグ戦の動員も1万5999人/平均→2万5342人に増幅している。

一方、川崎Fはどうか。

確かに2015年シーズンの等々力陸上競技場の大幅改修によって入場料収入は5 億7100万円→7億7700万円と伸びた。ただ、G大阪ほど「劇的」ではない。しかし川崎Fは地道な積み上げを示し、2017年度には10億3800万円に。G大阪の新スタジアムは1年で入場料収入を倍にしたが、川崎Fは3年の地道な努力で伸ばしたわけだ。

もちろん、JRや東急の武蔵小杉駅から徒歩圏内、ずっと平地をのんびりと歩いていけるという立地も、川崎Fにとっては大きい。 だが、それだけではなくフロントのスピード感のある企画力やサービスの向上とチーム 成績が右肩あがりになったことで、5 0億円クラブの仲間入りを果たしたのである。

 

※続きはぜひ、発売中のSIGMACLUB 9月号本誌で、ご覧下さい。

この度は発売日が遅れてしまい、本当に申し訳ありません。

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