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【FC東京戦】強敵と相対するために

 

間違いなく大一番である。

FC東京は確かに6試合勝利なしであり、ここ3試合で1得点と苦しんでいる。しかし、FC東京はFC東京。強豪であることは疑いない。

6試合勝ちなしの中身を見てみても、アディショナルタイムで勝ち越されたG大阪戦や2点差をひっくり返された札幌戦はともかく、ここ3試合では1失点と守備はしとっかりと立て直している。前節も前半の仙台をシュート0本に抑え込み、オウンゴールでの失点。城福浩監督も「不運な一面もある。決まっていてもおかしくないシュートはあった」と語るように、勝てていないからといって全てが悪いわけではない。

右サイドの日本代表・室屋成が出場停止となったのは彼らにとっての痛手。しかし、そこは活きのいい小川諒也がいる。左足のスペシャリストではあるが、柏戦では右サイドで戦っていた。9月16日のJ3対相模原戦にしても、右サイドバックでプレー。おそらくは、室屋不在を埋める第1候補は彼の起用となるだろう。実は今季の対戦でも、彼は左サイドパックで先発起用され、最後までやりきっている。182センチという大型であり左足は特別な才能を感じさせる選手。まぎれもなく能力は高い。

長谷川健太監督は起用法の変化を口にしているが、FC東京は誰が出ても能力が高く、「本当に層が厚い」と城福浩監督も言う。たとえば前線は、ディエゴ・オリベイラと永井謙佑の起用がこれまでの定番ではあるが、リンスや富樫敬真、相模原戦で2得点の平岡翼もいる。いずれも身体能力に優れ、得点感覚を持っている選手で、特にリンスは鹿島や神戸を相手に途中出場でのゴールでチームを勝利に導いている。また中盤には田邉草民や米本拓司といった実績組だけでなく、相模原戦で得点を決めた内田拓哉も能力は高い。名前がまだ知られていない若手に高いレベルの力を持つ選手がいるところを考えても、やはり彼らはビッグクラブなのである。

4月25日、味の素スタジアムの悪夢だけは、絶対に避けたい。立ち上がりにPKを与え、パスミスからカウンターを食らい、リスク管理を見失ってトドメを刺される。ああいう自滅的な試合はその後、皆無ではないが少なくなってはいる。だからこの位置にいるのだが、それでも今節の試合前の状況を考えれば心配で仕方がない。相手は内容は決して悪くはないのに、勝点がとれない。そういう状況にいるFC東京と、前節初めてセットプレー(PK以外)からの失点を食らって敗れてしまった広島と。どちらも連敗はしたくない。しかし、より勝っていないFC東京が情熱の全てをかけて戦ってくれば、そして様々なことに変化を加えて戦術的にも未知数のままで臨んでくれば、苦戦は免れない。

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