SIGMACLUBweb

【清水戦に向けて】ベサルト・ベリーシャ/継続のストライカー

愛媛とのトレーニングマッチは、森崎和幸の復帰と後半だけで5得点という爆発に湧いた。カズが登場した時にサポーターが贈ってくれた割れんばかりの拍手は、広島の歴史を彩るバンディエラに対するリスペクトと期待が込められていた

一方で45分で5得点という強烈な爆発を演出したのは、間違いなくベサルト・ベリーシャの素晴らしい献身だったと言い切っておく。自身も2得点をあげていたし、そのゴールも素晴らしいが、そこに至るまでのチームの勢いを生み出したのは、彼の地味な守備への貢献と安定したポストプレーにあった。最後の最後、完璧なカウンターをとりながらハットトリックを決めることができなかったところは悔しいが、そこまでのプレーはまさにチームプレーヤーである彼の本質を表現。なるほど、オーストラリアで7年連続二桁得点だけでなくチームを3度の優勝に導いたのは、こういうスタイルだったからか。

ベリーシャは言う。

「自分自身が戦術を理解できているということもあるが、周りの選手たちも自分のことを理解し始めた。だから今は、お互いがつながっているような感じさえしているよ」

ベリーシャは味方にゴールをとらせることができる選手だ。柴崎晃誠のゴールにしても、ベリーシャのポジションが秀逸でスペースをつくることへの貢献ができていた。自身の2得点目にしてもベリーシャがボールを運び、冷静に松本泰志にパスを出してポジションをとりなおしたことでパーフェクトな右サイドの崩しにもつながった。工藤壮人のゴールもしっかりとアシストしているし、彼は5点中4得点に貢献している。それだけでなく、チームの勢いを自身のプレーが発火罪となって引き出したことが大きい。そういう力に関しては、おそらくチームナンバー1であろう。そしてトレーニングマッチとはいえ、2試合連続2得点。ストライカーとして結果も出し始めた。

(残り 1402文字/全文: 2174文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ